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歴戦の騎士  作者: 若葉
三章 王都
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二十ニ話 氷の将軍

 ガルトは王都の城壁の上へ立つ。アイシクル将軍が馬から降りて、魔物の大群を前に右手に矛を携え、仁王立ちしていた。


 魔物の大群がアイシクル将軍を全方向から囲み、一斉に飛びかかった。


「さぁ、始めるとするかのう……」


 その瞬間、アイシクル将軍は左手を固く握りしめ、その拳を地面に向かって降り下げた。


「【氷山(アイス・マウンテン)】!!」


 次の瞬間、アイシクル将軍の周りに鋭い氷の刃が現れる。小さな氷山のようにアイシクル将軍の周りを囲むようにして現れ、魔物達を串刺しにした。


「さぁ!かかってこい、魔物共がぁ!」


 アイシクル将軍は氷山を飛び越えると、矛でバッタバッタと魔物を切り裂いていく。まさに、一騎当千と呼ぶにふさわしい戦闘力だ。


「………氷の魔法など、見たことがない。あれは一体…?」


(俺は氷のスキルは聞いたことも見たこともない。将軍が独自に生み出したのだろうか……?いや、属性は産まれたときから決められている筈…)


「【氷結錬成・氷兵士(アイスゴーレム)】!!」


 将軍がスキルを使い、地面を思いきり叩くと、辺りに氷の騎士が数百と現れた。将軍は氷のゴーレムのような物を作り出すことができるのだ。


「さぁ!!出陣じゃ!!騎兵ゴーレムはゴブリン共を蹴散らせ!!盾兵ゴーレムはオーク共を囲んで時間を稼げ、槍兵ゴーレムはスケルトン共を蹂躙せよ!!」


 アイシクル将軍が指示を出すと、ゴーレム達が動き出す。ゴーレム達は魔物達を蹴散らしていく。数もゴーレムの方が多いため、魔物側は劣勢と見える。


 そこへ、一人の魔族の男が空から現れた。頭には黒い角が生えている。奴がこの魔物達をけしかけたのだろう。


「ほう……お主がこの魔物を誘導させた魔族だな?」

「ゲェッ、なんでこんな厄介な爺さんが居るんだよ……お前さえ居なければこの国は攻め落とせたのによ……ツイてねぇな…」

「………そうか。お主が元凶か。ならば儂は、お主の命を奪わねばならん。」


 アイシクル将軍は矛を構える。同時に、魔族も爪を構える。この魔族は爪で戦う戦闘スタイルのようだ。


「フッ……ジジイは町でヨボヨボになって寝てな!!」


 次の瞬間、魔族は空へ高く飛び、爪から雷撃が放たれる。


「【雷光弾(ライトニングボール)】!!」


 雷魔法が放たれると、辺り一面に砂埃がたった。


「ふぅ………老い先ジジイの癖に。大人しくしとけばもう少し長く生きられたのによ………」


 砂埃が晴れ、魔族は自分の眼を疑った。


「………オイオイ、どうなってるんだよ…」

「……雷の魔法とは珍妙なものを使う奴だわい。儂と同じく、()()()()()()な奴じゃな?」


 アイシクル将軍の前には、氷で作られた大きな盾が置かれていた。


「【氷盾(アイス・シールド)】………どんなにスキル強かろうが儂の盾は砕けん。氷だからといって舐めるなよ?小僧。」

「………そうか。あんたも俺と()()()()()()()()持ってんのか。氷なんて見たことがないしな。」


 アイシクル将軍と、雷魔法を使う魔族が対立する………

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