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歴戦の騎士  作者: 若葉
三章 王都
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十八話 王都襲撃~悪夢の始まり~

「お前!!こいつをどこで手に入れた!?」


 ダグラスが剣と盾を持ちながら叫んだ。


「………さあな。」


 ガルトはわざと濁らせる言い方をした。剣王の修行場で手に入れたことは伏せておいた方がいいだろう。あの場所にある、業物を狙う輩も少なくないだろうから。


「なんだよ………教えてくれねぇのか…」


 ダグラスはしょんぼりとしてまた椅子に腰を掛けた。


「で、お前さん、こんなに良い武具を持っておいて、何で俺の店に来た?」

「…生徒達の武具を買いに来た。」

「生徒?先生でもやってるのか?」

「……まあな。」


「ガルトさん、教え子がいらっしゃるんですか?」


 ジュラドが興味津々といった様子で聞いた。


「教え子といえるかは知らん。基礎の剣術を教えているだけだが。」

「な、なら!是非、俺も弟子にしてください!!」


 ジュラドがいきなり土下座。綺麗な黒髪を土埃だらけの床に擦り付けた。


「………なぜ俺に?」

「………俺は、闘気がつかえないんです。せっかく神器【(せい)(とう) (かむ)()】に認められたのに、俺の相棒ともいえるこの武器を使いこなせないんです。俺は、闘気を使って、この国を守りたい。だからどうか、弟子にして貰えませんか……!」


 ガルトはジュラドの眼を見る。ジュラドの黒い目の奥には強い覚悟と、黒紫色に光り、煌々と燃える炎が宿っている。


(闇の闘気を会得している………!?問題は、解放ができていないことか。)


「……いいだろう。俺で良ければ稽古をつけよう。王都にはあと数日は滞在する予定だ。その間なら良い。」

「ありがとうございます!!」


 床から顔を上げ、顔がとても明るくなるジュラド。


(それにしてもなんという才能なのか……普通、闘気は無色から始め、鍛えれば属性の色に変化するが………こいつは始めから【闇】の色が見えている………

 鍛えればこの国最強の剣士になれるだろう。俺の何倍も強く、かつ、属性もつかえる……ジュラドは魔王を倒す大きな鍵となるに違いない。)


「そうだ、剣を貰おう。」


 ガルトは壁に飾ってある、鋼色に輝く剣を手に取った。質がいい。そして何の飾りもない、シンプルな剣だ。流石は王都一の鍛冶屋。これならば良いだろう。


「これを4本くれ。」

「………いいのか?1本金貨五枚だぞ?」


 1本金貨五枚………リナの家が一月暮らせる金額だ。決して安くない。


 ガルトは王から貰った袋から金貨二十枚を取りだし、机に置いた。


「……まいど。」


 ダグラスは一瞬驚いた顔をしたが、店の奥から4本の剣を持ってきて、一つ一つ鞘に仕舞い、俺に渡してきた。


「剣だけでいいのか?」

「あぁ。必要になったらまた買いに来る。」

「………へへへ、お前さんはうちの太客になりそうだな。ほれ、これも持ってけ。サービスだ。」


 すると、ダグラスはナイフを4本出してきた。こちらも質がいい。


「生徒さん方へのプレゼントだ。大事に使ってくれよ?」

「ふむ、ありがたく頂戴しよう。」

「よかったですね。ガルトさん。」


 アクエスが少し笑いながら言った。


(なんだ、こいつはこんな笑顔も見せるのか。)
























 ………王都の時計台の上に、黒ずくめの男が居た。


「デスデス………王都襲撃デス………!」

「フフフ……この国の連中を、恐怖のどん底へ落としてやるわ……」


 紅髪の女が笑いながら言った。


「では俺様も、存分に暴れるとしよう!!」


 巨大なハンマーを持った、白髪の大男がニタニタ笑いながら、時計台を飛び降りた。


「フハハハハハ!!【デストロイ・ハンマー】!!!」


 白髪の大男はスキルを使った。








 ドーン!!という轟音が王都中に響き渡った………















「な、なんだぁ!?」


 ダグラスの鍛冶屋まで届く振動。


(この揺れは………何かのスキルか……?)


「これは………いくわよ!みんな!」


 ホムラはそういうと、真っ先に飛び出していった。


「俺もいこう。どうやらただ事では無さそうだからな。」

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