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歴戦の騎士  作者: 若葉
一章 放浪
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異変

 それからガルトは日が暮れるまで授業をした。まとめると、この世界に魔力があり、魔法を使うことで人体から魔力は放出され、放出された魔力は動植物が吸収し、我々は主に食事によって魔力を回復していること、スキルの性質、魔物の特徴と対処法、自主トレーニング方法、等々……


「ありがとうございました!」


 四人は元気良く挨拶をして帰った。いや、一人を除いて。結局リナは最後まで話を聞いていた。帰り道、ガルトたちは一緒にリナの家に帰った。


「………また怒られるぞ?」

「大丈夫です!やることはやりましたから。」


(………まぁ、げんこつを食らわないことを祈ろう。)



















リナの家では、ゴン!という鈍い音が響いた。外にまで聞こえる程の音の大きさであった。


「痛い……」

「リナァ!!あんた一日中何してたの!!」

「ご、ごめんなさい………」

「あ、あわわわわ……」


 ………案の定殴られている。父親は後ろでうろたえているだけだ。その日はリナは正座してお説教をされていた。


(………俺も早く寝るとしよう。)























 ~翌日~


(昨日はリナはかなり怒られていたな。これで冒険者の夢を諦めてくれればいいのだが。………冒険者は危険な仕事、リナには無理だ。さて、そろそろギルドへ行かなくては。いつまでも食べさせてもらってばかりではいられない。なにか、俺も稼がなくては。)


 そう思い、ガルトはギルドへと向かった。


「おい……どうするんだよこのクエスト……!!」

「おい!お前、Aランク冒険者だよな!?頼むから受けてくれよ!」

「は、はぁ!?お前が受けろよ!俺は死にたくねぇぞ!」


 なにやらギルドが騒がしい。職員も慌てているようだ。冒険者達が依頼掲示板の所に集まっている。


 ガルトは掲示板に近づき、それを見て驚いた。


「………グリーンドラゴンだと」


【グリーンドラゴン】。ランクはSだ。魔物の中では最強の部類に入るであろう魔物だ。基本的に【ドラゴン】という名前を持つ魔物は、単体で町一つ滅ぼすことが可能だ。


(しかし、グリーンドラゴンの生息地はここではなかった筈。何故このミート村に………?)


 ガルトは不思議に思い、そこにいた冒険者に話を聞いた。


「このクエストは一体どうしたんだ?」

「あ、あぁ……突然グリーンドラゴンが、アストラル国中に飛んできたんだ。それも何十匹と。グリーンドラゴン達は村々を襲い、すでに何百人と被害が出てるんだ………」

「………そんな馬鹿な。グリーンドラゴンは群れでは行動しない筈。何故奴らが………」

「わからない。だが、これだけは言える。なにか、この国で異常事態が起きているんだ。グリーンドラゴンの群れなんて、ここ数百年目撃されていない。」


(ふむ………何故ドラゴン達がこの国中を襲うのかがわからないな………)


「あっ!ゲイルが帰ってきたぞ!!」


 ふと見ると、ゲイルのパーティーがボロボロになって帰ってきた。


(………あの様子ではグリーンドラゴンは倒せなかったか。)


「大丈夫か!!ゲイル!!」

「あ、あぁ………死にかけちまった……」

「グリーンドラゴンは倒せたのか!?」


 冒険者達やギルド職員が聞く。

………ゲイルは下を向いて申し訳なさそうに言う。


「………ダメだッ………あいつ、グリーンドラゴンなんかじゃねぇ………俺達じゃ倒せねぇ………」

「グリーンドラゴンじゃない?何を言ってるんだ?」


 ゲイルは苦しそうに続ける。息切れが止まらない。ただの怪我では無さそうな程だ。


「あいつは………『フォレストドラゴン』に進化しやがった………!!もう、ミート村は終わりだ………!!」


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