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クワガタが死にました

今私は深い傷心にあります。


クワガタが死にました。正確には●されました。


清掃業者に依頼していました。


朝から色々やってくれている音は聞こえていた。


しかし私は手が離せなかった。


前日私が自分でやったことをもしかしてやってくれてるのか?


しかし私は手が離せなかった。


この時一瞬でも覗きに行っていれば。


しかし私は手が離せなかった。


午後になって明るい光が見えた。


暗室に何故光が?


ものすごく嫌な予感がしました。


部屋は開け放たれクワガタのケースが何故かベランダで干してありました。


何故!?何故!?


懸命に蘇生を試みましたが既に干からびて絶命していました。


朝からずっと、苦しみながら死んでいった。


そのおばさん、いやおばあさんは3年前にも標本を止めてあるピンに箒を掛けていた危険人物でした。


(そんな用のピンとこのピンは全然ピンが違うでしょうが!!)


と厳しく言うことはできませんでした。


ここ数年見かけないので安心していましたが今日は来ていた。


そのことに気づかなかった私に非があると誰が言えるのでしょうか!


生体や標本が数多くあって常に暗闇と温度と湿度が一定に保たれている部屋を勝手に開け放って勝手に干されるとまでは私の予想を遥かに超えていました。


クレームを出したら、訴訟にまで及んだら、きっとそのおばあさんは干されるのでしょう。


知らなかった、良かれと思ってしたと泣きわめいて痴呆になるのかもしれません。


なんだそれくらい!ただの昆虫じゃないか!と居直るのかも知れません。


なんでしょうね?


孫がそこらへんで採ってきたカナブンか何かみたいに思ったんでしょうかね?


太陽光を入れて空気を通して清潔にしてくれようとしたのでしょうね。


そんなことを思っていると私の脳から背中にかけて一気に涼しい風が吹き抜けたような、そんな感覚が「降りて」きました。


この現象は真実に到達した時に起こる現象であって研究者の、博士の勘と言ってもらっても差し支えない。


何年も前から狙っていた!!


しかし私は何度も頭を振ってこの結論を捨て去ろうと努力しました。


きっとクワガタはそれ以前に死んでいたんだ!


3年も生きたんだからきっとそうだ!


そうに違いない!!

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