顔より愛があるかが大事
私、凛は優里のことが苦手だ。
昔から私は顔だけで近づいてくる男子と私をグループに入れてカースト上位に立ちたいか、私を妬む女子としか会ったことがなかった。高校に入っても同じだと思っていた。
(ここも変わらないか…)
高校に入ってすぐ私の周りには顔だけで近づいてくる人達がいた。まだお互いのことを何も知らないのに告白してくる人もいた。
そんな時に修に会い、初めて顔以外を見てくれた人と会った。それで私は修に惹かれていったのだが、修の近くにはいつも優里がいた。優里が他の女子のように私を妬むのならなんとも思わないのだが、優里は修と同じで私の顔以外をみてくる。修のいない所で言い合いをしている時は私の方が美人とか言い出す。
こんなことは初めてだ。
私が修に告白して付き合うことになっても変わらず接してくるが、修には幼馴染だからとベタベタするし、何かと修のことでマウント取ってくるし、彼女の私と修が一緒に帰っているのに空気を読まず入り込んでくる嫌な奴だ。
でも、優里のことが嫌いにはなれなかった。
私は修のことが世界で一番好きだ。
それは優里も同じだろう。私たちの口喧嘩は全部修のことだ。私と同じくらい修のことが好きなんだ。
だからこそ修のことでは1番信用できる。
会えば喧嘩するし、腹が立つことが多いけど1番信用できる。
だから私は優里のことが苦手だ。
「優里…あんたかよ。」
「あんたとは失礼ですわ。修の頼みでなければ来なかったかもしれないのですよ?」
「そーですか。」
「このお礼に修を1日貸してもらいますわよ♡」
「うーわ。最悪だ。」
「とりあえず茶番はここまでにしといてと」
そう言うと優里は指を鳴らした。
すると後ろからたくさんの警察が入ってきた。
「なんだ!?おまえ!!!」
「山口龍也様。あなた、これは犯罪ですわ。犯罪を犯した者の前に警察が来たらどうなるか、おわかりですわよね?」
「くそっ!おまえさえいなければ!!!!」
龍也は顔を真っ赤にして叫んでいる。
「いいえ。わたくしがいなくてもあなたはこうなっていたと思いますわ。そこの女に手を出せたとしてもその後修やそこの女のご両親が警察に連絡するでしょう。家に返しても彼女のことです。すぐに修には連絡しますわ。」
「てめぇ…修の頼みとか言ってやがったな!くそっ!」
龍也は最後まで暴言を吐いていたが警察に連れていかれ、未成年だが犯罪をしたので学校は辞めることになった。
翌日
「凛。昨日のことはもう大丈夫か?」
「大丈夫だよ!修心配しすぎw」
「そりゃ心配するだろ。彼女なんだから。」
「急に恥ずかしいこと言うな!」
「イチャつくなとは言いませんがわたくしを忘れてませんか?」
「忘れてないよ。ありがとな優里。凛を助けてくれて。」
「修の頼みでしたもの。それに1日修を貸してくれるみたいですしね♡」
「えっ」
「そういえば…」
そんな会話をしながら登校し、いつも通り授業を受けていつも通り帰る。そんないつも通りの1日を過ごし、3人の日常は今日も平和に過ぎていく。
「あの男何してんのよ!!!!」
優実子は龍也に対して激しい怒りを抱いていた。
「協力すれば私の望み通りになるって言っていたじゃない!!!………まぁいいわ、どんなことをしてもあの方はてにいれてみせる。」
そう言い優実子は自分の部屋の明かりをつけた。
その部屋の壁には1面写真だらけだ。
「はぁ♡修♡私の王子様♡」
壁の写真には全て修が写っていた。
「この前は素直になれず少し冷たい態度になってしまったけれど、今度こそ私のものにしてみせるわ!」
優実子は今日も新しく手に入れた写真を壁に並べていく。