抵抗は大事
翌日
俺は優里と一緒に登校していた。途中で凛と合流し、3人で教室に入っていく。優里は隣のクラスなので、朝は凛と話していることが多い。いつものように凛と適当に話をしているとチャイムが鳴った。予鈴のチャイムだ。
俺は教科書を出すため引き出しを漁ると手紙がでてきた。
「なんだこれ?」
手紙を開けて読むと放課後屋上に来て欲しいとの事だ。文字を見る感じ女子だろう。
「告白か?」
しかし、俺には凛がいる。なるべく傷つけないように断ろう。これで告白じゃなかったら恥ずかしいな。
放課後
「修〜一緒に帰ろ〜。」
「ごめん凜。今日用事があるんだ。先に帰っててくれ。」
「ふーん。なんかやらかしたの?」
「ちげーよ。」
「ま、そういうことなら先に帰るね。」
俺は凛を先に帰らせ、屋上に行った。
屋上には手紙をくれただろう女子がいた。
(あの制服のリボンの色。先輩か。)
「あのー。あなたが手紙をくれた方ですか?」
「ええ。そうよ。」
その女性は顔が整っていて、出る所が出ている。少しギャルっぽい先輩だ。
(この先輩どこかで見たな。)
同じ学校にいるのだからそりゃ見たことはあるだろうけど、この先輩はしっかりと顔を覚えている。
「私の名前は優実子。見ての通り3年生よ。」
思い出した。この人、あのヤクザの家の先輩の彼女だ。
「単刀直入に言うわ。私と付き合いなさい。」
「は?」
「付き合えと言っているのよ。」
「いやいや、先輩彼氏いるでしょ。それに俺にも彼女がいますし。」
「知ってるわ。あなたに彼女がいることはね。それにあの男とは付き合っているわけじゃない。ただの協力関係よ。」
「協力関係?」
「ええ。詳しいことは教えられないけどね。」
協力関係。どういうことだ?あの男とこの先輩の目的が一致しているということか?
「それと俺が先輩と付き合うことがなにか関係あるんですか?」
「詳しいことは教えないと言ったはずよ。まぁ、すぐに返事を貰えるとは最初から思ってないわ。それに今日の目的は達成したしね。」
どういうことだ?今日の目的?
「じゃあ私は帰るわ。」
俺は出ていく先輩の背中を眺めながら、先輩達の目的がわからず、ただ立ち尽くすことしか出来なかった。
修が優実子と話している間、凛は
「おい凛。今日こそ俺に着いてきてもらおうか」
(またか〜。)
このヤクザの家の先輩。山口龍也先輩は私が1人の時にいつも話しかけてくる。
「また大声あげますよ?それに山口先輩彼女いますよね?」
「いいんだよあの女は。それに今日は人通り少ねーから大声を上げても無駄だ。力ずくで連れてく。」
「えっ」
周りを見渡すと人は誰もいない。マズイ。
そんなことを考えていると腕を捕まれ引っ張られる。
「ほら行くぞ!」
「やめて!離してよ!」
私が抵抗していると1台の黒い車が止まった。
「坊ちゃん。この女ですかい?」
「ああ。連れて行け。」
私は口を塞がれ連れていかれようとしたが、必死に抵抗し山口先輩を坊ちゃんと呼ぶ男の股間を思いっきり踵で蹴りあげ逃げ出そうとしたが、もう1人男が出てきてスタンガンで気絶させられた。
「なるべく早く家に運べよ。」
その声を最後に私の意識は完全に途絶えた。
龍也の家
「んっ」
目覚めると私の両腕は鎖に縛られていた。近くには注射器がある。
「目覚めたか。」
「何をする気?」
「今からお前を俺の女にするんだよ。」
そう言って色んな道具を準備する先輩。
「坊ちゃん、いくらNTR漫画好きでも現実でもできるとおもってるんですかね?」ヒソヒソ
「さすがに同人誌に出てくる程効果がある媚薬は違法だし、あるにはあるが坊ちゃんが思ってるほど効かないだろうしな。」ヒソヒソ
「いくら股間がデカくても痛いだけらしいしな。坊ちゃん小さいけど。」ヒソヒソ
そう言っているヤクザの手下達をみていると緊張感が無くなってきた。足は動くから最悪押さえつけられても抵抗はできる。ここに来るまでなるべく時間を稼いだし修も異変に気づくだろう。修のことだ。大体の予想は出来ているだろう。
もしかするとそろそろ助けに来てくれるかも?ちょっと楽しみだ。かっこいいとこ見たいな〜。
するとドアが開き、勢いよく入ってくる奴がいた。
「待たせましたわ。本当は嫌ですけど、修からの頼みですもの。感謝してくださいね?」
「優里…あんたかよ。」