魔法、マナ
「ノーマライゼーションさん、」
「そうそう、発音も正しく行ってくれたまえ、」
「解りました、でも、ノーマライゼーションさんって、長いから言いづらいですよ、」
「ルムもそう思う、前みたいに魔法使いさんじゃ駄目なの?」
「んー、まぁ、それでもいいのだけど、私はノーマライゼーションという言葉が気に入ったのだ、
ほら、君の前世に出てくる介護の話さ、
ノーマライゼーション、普通に生きる、
それを叶えるためのヘルパーという存在、
私は魔法使いで、皆から注目される存在だ、
それは仕方ない、
だが、だからか、
普通に生きる、その事に憧れるんだ、
だから、私の事は、せめて名前だけでも、ノーマライゼーションと呼んで欲しいんだよ、」
「解りました、ノーマライゼーションさん、」
「ルムは魔法使いさんって呼ぶからね!」
「はは、まぁ良い、村の人達も、相変わらず私の事を魔法使いとか先生とか呼ぶからなぁ、
ところで、その粘液塗れのゴブリンはどうするんだ?出血多量で死んでるようだが、」
「えーと、埋めようかと思ったんですけど、穴掘るの大変だし、粘液で板に張り付いてるし、湖に沈めようかなって、」
「それは、微妙だな、ゴブリンの死体は病原の巣だ、湖が汚染されると魚漁も出来なくなる、
よし、私が魔法で燃やしてあげよう、
そうすれば灰を埋めるだけですむ、
まずは、燃やす場所まで移動しよう、
ルーク レ オモヨキロ
マナよ、重力の楔を切り、これを浮かせよ、」
フワフワ
「魔法使いさん、凄い、ゴブリンが板ごと浮かんだ!」
「ふふ、凄いのは私ではなく、マナなのだよ、
このまま空き地まで運ぶから、君たちは穴掘りの道具を持って付いてきてくれたまえ、
道具が無ければ私が魔法で穴を開けても良いが、」
「大丈夫です、スコップがあります、」
「よし、では行こう、」
フワフワ