この世界について
スヤスヤ
夜、今日はルムの家でご飯を食べて、一緒に寝ている。
ルムは、可愛い寝顔で無邪気に眠っている、
右側臥位、良眠、呼吸状態に問題無し、
思考が深くなる、これは、前世の記憶だ、
そして、ボクは、、またあの事を思い出している。
ボクはヘルパーだった、忙しい業務、重なる疲労、職員不足で休み無く働いた、
そして、死んだ。
そこまでは覚えている。その事をずっと覚えている。
産まれた土地も、親の顔も、妹も、飼ってた犬も、何もかも覚えている。
だが、、ここは、、
カイゴ村とかいう、ふざけた名前。いや、ふざけてはいないのだろうが、
この世界にも親がいる、母と父と、ルムもいてその両親もいる。
村の人達もいる。
いるのだ。
俺は死んで、異世界転生したというのか?
流行りの小説みたいに、
それともこれは死ぬ間際に見ている夢のようなものなのか?
まさか、ゲームオーバーになったら、ヘッドセットを外されて、異世界転生シナリオお疲れ様でした、次はどんな人生を歩まれますか?
って、事はあるまい。
ともかくだ、ボクは生きている。この世界に産まれて六年間。
ふと、隣で眠る、ルムを見る。
彼女は、何も心配が無いかのように、スヤスヤと寝息を立てている。
その顔を見ているうちに、眠気が来た。
ボクはルムを抱きしめると、その髪の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、確かに、自分は存在して、この世界に、、