日常と終わり
退屈な毎日。いつも通りの世界。戯れに「世界滅びないかな」なんて言っていたら、どうやら本当に滅びてしまうらしい。
だけど、なにもすることが思いつかない。
世界が終わってしまうらしい。
友達はみんな、大切な人といたいんだ、とかやり残したことが、とかいうものだから一人で河原でぼんやりしていたら、後ろから声をかけられた。
「一本どうだね」
振り返ると、見知らぬおじさんがうまい棒を差し出していた。
「いただきます」
おじさんはゆっくりと僕の隣に座り、自分のうまい棒を食べ始めた。
「地球、今日で終わっちゃうんですってね」
「ああ、らしいね。こんなに、いつも通りなのに…」
「みんな、家族や大切なひとと過ごすんですって」
「だろうなあ、はは」
おじさんが笑うので、ぼくもおかしくなって笑った。
それからぼくたちは静かに並んで、流れる川を見つめながらうまい棒を食べた。
せかいが、おわる
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