再び転生?!最強街道!
はじめまして人!はじめまして!
如月マルコです!
今回。
念の為、R15をチェックいれてます!
強すぎで加減が難しくなると予想されるので!笑
ドラゴンの加護ありてが、ひと段落したので新しいのを、書いていきます!
向こうもゆっくり、更新しますが!
こっちも、よろしく!!
昔、昔、あるところに1人のある男が生きていた。
ある男は昔から強さに憧れていた、どうしようもないほどに。
それがいつだったかは覚えていない。
彼は誰かを助けていた。
やはりどうやってかは覚えていない。
記憶の彼方に消えてしまうほどの時間がたっている。
彼はその時『力』をもらった。
それだけでは何の意味も持たない『力』
【異世界転生】
死ぬ事により発動するその力は、死んだ時点の記憶や能力を保持したまま異世界に転生する、と言うもの。
彼はその力をもらい、その後の人生を普通に生き、死んだ。
そして、異世界に転生する。
姿形は能力をもらった時の年齢。
だが、そこは安全だった前の世界とは違う。
彼はほどなくしてまた死を迎える。
だが、【異世界転生】の力により何度も何度も蘇る。
常に違う世界の中で。
魔学の進んだ世界、科学が進歩した世界、銃と硝煙の世界、様々な世界を彼は渡り歩いた。
いつしか彼はすぐには死ななくなった。
死への恐怖が、身体を襲う激痛が、彼を生に執着させたのだ。
あらゆる世界を渡り歩いき、彼は強くなってしまった。
彼は何度も生涯を生き抜き、年老いて死んでいく。
そして、またその時は訪れた。
〜〜〜〜
男は、いや、まだ少年と言える年頃の男の子がゆっくりと立ち上がる。
辺りは暗い、時間はわからないが夜の様だ。
「はぁぁぁぁぁ…」
深い深い溜息をついた。
その年齢からは想像できない渋みが滲み出ている。
「また、転生したんじゃな」
年の頃は11〜12、だがその言葉からはまるで年齢が読み取れない。
見た目は幼く見えるのに、言葉使いはまるで老人の様、だが不思議と違和感が感じられない。
まるで、実は老人だったと言われても信じてしまいそうな雰囲気を身体から、そしてその黒い瞳から感じられる。
そう、少年は【転生者】
何度も死に、何度も蘇ってきたのだ。
少年は夜の闇を見つめるとゆったりとした速度で歩き出した。
もはや、いつもの事。
遥か先に街の灯りが見て取れる。
少年はそちらに向かい歩を進めている。
「さぁて、今度の世界はどんなかのぉ」
少年が歩いていると周りを囲む様に影が動く。
見た目は狼、だがその額には赤く光る石が埋め込まれている。
「ほほっ!ありゃ魔石か?するとここは剣と魔法の世界じゃな」
この暗さの中、少年は狼の額の小さな赤い石を見つけたのだ。
少年は辺りに気を配るとゆっくりと、しかし大きく息を吸う。
やがて狼達が彼の周りを取り囲んだ。
「ふん!!」
狼達が一斉に飛びかかる、まさにその時。
少年が気合いと共に空気を歪ませた。
それは少年を中心に衝撃波となって狼達を吹き飛ばす。
地面を派手に転がった狼達はピクリとも動かなくなった。
【来たれ】
彼が手を前に出し、掌を上にして言葉を唱えた。
それは普通の声ではない、まるでエコーがかかった様に重く響く。
すると、どうだろう?
狼達の額に埋め込まれている魔石が抜け落ち、少年の掌に収まっていく。
「ふむ、これで路銀の足しにはなるかの」
少年はそう言うと、街の灯り目指して歩き出すのだった。
〜〜〜〜
街に向かう途中、この世界では珍しくない面倒事に巻き込まれた。
追い剥ぎだ。
彼らは少年の道すがら、夜の闇に紛れて商人の荷馬車を狙っているらしい。
少年は面倒だと、堂々と追い剥ぎ、そして商人の前を抜けていく。
「あぁ、こちらを気にせず続けてくれ」
少年は通り過ぎる際、こちらに気付いた追い剥ぎと商人に向かって手を振りながら抜けようとする。
「ちょ、ちょっ待てよ、ガキ!何かスカして行こうとしてるんだ?」
「やめておけ、損をするぞ。それにお前さん、こんな子供に何をするつもりじゃ?」
追い剥ぎの1人が少年の前に回り込み、短めの剣、ショートソードを突きつける。
「んだと?…ん、よく見りゃいいとこのお坊ちゃんか?…はは、こりゃいい、おいガキ、黙って付いていな」
そう言うと男は少年の肩を鷲掴みして連れて行こうとする、が。
動かない。
男は驚き、次に必死になり少年を動かそうとするがピクリともしない。
「離さんか、ガキ」
少年が男に向かい言い放つ。
男の顔はどんどん青ざめていく、手が、手が離れないのだ。
「離れんか?…では手伝ってやろう」
そう言うと少年は男の身体に右手で触るように当てる。
ドンっ!!と言う音が街路にこだまする。
瞬間、男は放物線を描くことなく、真っ直ぐに吹き飛んでいく。
50m以上吹き飛び地面を転がっていった。
「ガ、ガキ!!何しやがった?!」
すぐに他の追い剥ぎ達が少年を囲む。
「なにって、ちょっと押しただけだが?」
少年はさも当然とばかりに答える。
「はぁ、面倒じゃの」
少年が溜息混じりに呟く。
「な、何がだ?!」
男達はビクつきながらも虚勢を張る。
少年はゆったりと顔を上げてから言い放った。
「加減じゃよ」
次の瞬間、追い剥ぎの男達は次々に吹き飛んでいく、まるでおはじきの様に人がポンポン飛んでいく。
それを目の当たりしている商人達は、先程から口が開いたまま塞がっていない。
まさに開いた口が塞がらない状態になっている商人達を尻目に、少年は興味無さげに振り返ると街に向かって歩き出す。
普通に助けられたのなら商人達は礼を言っただろう。しかし助けてくれたのが少年で、理解不能な現象が起こっていたのだ。
それは無理と言うものだろう。
だが商人達の中から1人の青年が飛び出すと大きな声では礼を言ってくる。
「ありがとうございます!お名前は!」
少年は珍しそうに青年を見つめると言葉を返す。
『アイン、儂の名はアイン・アイゼンじゃ』
それだけ言うと、少年アインは青年に背を向け歩き出す。
その言葉は声を張っていないにもかかわらず、青年、そして商人達に届ききる。
こともなげに歩く少年の後ろ姿に、青年は律儀に頭を下げて見送っていたのだった。
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でゎ!