2月14日
これは僕が5分で設定を考えた女の子が色々する話です。つまり、あまり設定が練られていません。
また、友人Aに以前僕はラブコメを書けないと言ったことがあったために、それを証明するために書いているという側面があります。故に、上手に書こうとしてはいますが、自分が下手くそという前提であります故、期待に沿えるかどうかは怪しいです。(他ジャンルなら書けるか?→クトゥルフ神話TRPGのシナリオなら多少)
また、どういう話になるのかも未定です。ハッピーエンドかもしれないしデッドエンドかもしれません。それでもいいという方は、読んでいただけると光栄です。
授業終了のチャイムが鳴る。いつも思うのだけれど、チャイムというのはなぜ鐘の音なのだろうか。それとも、たまたま偶然私の学校のチャイムが鐘の音だっただけなのだろうか。ピアノやリコーダーでもいいし、ビュサンでもギロでもいいんじゃないだろうか。いや、ギロはダメでも仕方ないにしても鐘でなくてもいいじゃない。鐘であることに意味があるの?
ところで、この思考に意味があるのだろうか。仮に、チャイムが鐘である必要に気づけたところで何になるのだろう。まったく、緊張して、変なことを考えさせられる。何に?緊張に。ほらまた自問自答。今日は頭がおかしいな。なんで?バレンタインデーだから。なんで?今日は、矢守君にチョコレートを渡す日だから。あれ、また自問自答している。今日は頭がおかしいな。
今朝、学校に来た時に矢守君の下駄箱の中に手紙を入れておいた。放課後学校の屋上に来てほしいと書いたので、きっと私のチョコレートを受け取りにやってきてくれるだろう。
気づくと終礼も終わっていた。私が昨日完成させたチョコレートは喜んでもらえるだろうか。矢守君も男子だもの、喜んでくれるはず。
屋上にはまだ彼の姿はない。ゆっくり待とう、と思ったら私が来てから3分後に彼も来た。
「矢守君、手紙は読んでくれたかな?渡したいものがあるんだけど…」
手紙に書くのも恥ずかしかったけれども、口に出して言うのもなかなか恥ずかしいな、って思ってみたり。
「あ、ああ。うん。手紙、読んだよ。だから来たんだ。読まなきゃ来れない。…ごめん、なんか、緊張して変なことしか言えないけど、うん。ありがとう、手紙」
矢守君が私の手紙を読んでくれた!嬉しい!きっと今の私は満面の笑みだと思う。
「手紙読んでくれてありがとう、矢守君!…えへへ。それでね、矢守君。渡したいものがあるんだけど、いいかなぁ?」
「…うん。なんだろう、楽しみだなぁ…っ」
バレンタインくらいでいちいち浮かれるような男じゃないっていう風に見せたいのかな。顔真っ赤で目が泳いでる。かわいいなぁ、もう!
「今日、バレンタインデー。2月14日はバレンタインデー。だから、チョコレート渡す日だからね。矢守君のために、作ってきたチョコレートだよ。手作りで、私はセンスないから形はありきたりなハート形だし特別上手ではないかもしれないけど、それでも、頑張って作ったから、受け取ってほしいな…って」
箱に入れてラッピングしたチョコレートを矢守君に渡す。
「えへへ。うん。ありがとう。嬉しいよ。環奈ちゃんは、ほかに渡したい人がいると思ってたというか、その、僕とは不釣り合いでかわいいから、もらえるとは思ってなかったっていうか…うまく言えないけど、そんな感じだよ。すごくうれしい。ありがとうね」
えっ…!矢守君に、環奈ちゃんて呼んでもらえた!ああ!幸せだよおっ!
「ちょ、ちょっと何泣いてるの!なんか変なこと言っちゃったかな…」
「違うよ…矢守君…。環奈ちゃんて呼ばれて嬉しいんだよおお」
「え、あぁ、どうしようか…」
私が泣いてしまって矢守君がどうしていいかわからずに困っている。かわいいなぁ!
その後、いろいろ話をしたが、話以外にする事なんてないので、時間的には大したこともなく分かれてしまった。少し寂しかったけれど、これでいいと思う。明日の矢守君の反応が楽しみだなぁ…。
2話目から本気出します。1話目は、バレンタインにこんなことがあったよ、という開幕の号砲のようなものでした。