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称号:モノクロ・神殺し  作者: ヘーガ
一章 箱庭
7/23

成長

この世界のことがもう少し分かってきた。


 運命を、自分を怨み死んでいった高ランクハンター・ロビン

 護っていた民たちに裏切られ、民を滅ぼした守護獣・カンシラナ

 相手を、目に映るものたちをを殺すことが誇りと勘違いした魔族の族長・鬼 

 戦争を拒み、一国を相手に独りで戦った大魔導師、ラルファ

 人類との和平をかなえられず、魔族とともに滅びた者・魔王


 これらのものは俺がここに来て二百年のうちに倒した主だ。

 主について分かったことがある。それは主と戦い、息の根を止めることで主から記憶、武具のいずれかを引き継ぐことが出来る。記憶は頭に焼きつき忘れることは無いが、どうやら俺の記憶とは住み分けのようなものが出来ているらしく、思い出そうとしない限り思い出すことはない、ということ。そしてもうひとつ、主がいた場所はあの洞窟と同じ回復効果を持つことが分かった。俺はこの効果を持つ場所を「聖域」と名づけた。


 主を倒し、聖域を増やすと通路が現れ、主の最後の記憶に残っている世界を模った世界へとつながる。そして世界を超えるたびに魔物は種類とともに強さが格段にあがってくる。ここまでが分かっている。



 それと、魔法が使えるようになり、戦闘と探索が少しだが楽になった。魔法はロビンとラルファから受け継いだ記憶を頼りに魔法を再現したのだが、俺の中にある魔力と、ロビンとラルファの使っていた魔力とは質が違うので無理やり使うと燃費が悪い。そもそもロビンの使った魔法はラルファの使った術式魔法と違い、その世界の神が定めた言語を組み合わせて使うタイプ。すなわちその世界、その神がいないと使えないタイプの魔法であったのである。

 しかも俺の保有する魔力量もまだ少ない。だが魔力を練り、循環させることで魔力量が微々たるものながら増えることを発見した。寿命という概念はこの世界にいる限り問題ないに等しいことだし、いずれかは膨大な量にまで増やすことが出来るだろう。

 そんなこんなの理由で魔法という存在は少し便利、ぐらいの認識になっている。だが、魔法を抜きにしてもこの世界に来たときよりは比べ物にならないほど戦えるようになった。主たちの記憶のおかげだ。


 主たちの記憶にある剣術は参考になった。体に無理なく、自然に剣を降るために毎日決められた基礎練習と型をトレース。そして記憶と照り合わせることで動きを確認をする。この訓練をやってて気づいたことがある。一つはやはり俺には才能が無いこと。主が三年で出来るようになった体裁きを習得するのに対し、俺は8年を有した。ほかにも剣の鋭さの伸びに壁を感じ、その壁を越えるまでに3年も掛かってしまった。そんな無才能の自分を昔は嘆いていた。だが、今はもう嘆かない。なぜならいかなる壁も時間を懸ければ乗り越えられることを証明してきた。すなわち、時間という概念のないこの世界では更なる高みを目指せるのだ。

 

 この世界で集めた情報にも訂正がある。それはすなわち、この世界でも老いはしないが成長してるのだ。正確に言えば、体が一番動くのに適した状態を維持し続けるのだ。

 気づいたのは三つほど前の世界、そこには今までの世界にはないほどの綺麗な川があった。そこで数十年ぶりに体を洗い、気づいた。


「腹筋が割れてる……」


 考えてみれば、地球のころより、初めてこの世界に来たときよりはるかに身体能力が上がっているのだ。五時間は山の中でも歩き続けることが出来るようになり、丸一日辺りをを警戒しても疲れることが無くなった。もしかしたら今の俺ってゴリマッチョなんじゃないか…とひそかに恐怖したが、水面に映った俺は体格もあまり変わっておらず、十分細マッチョと呼ばれる筋肉のつき具合だった。綺麗に、平均の取れた筋肉。堀も深く、脂肪を一つも残さず絞り込まれた体だが違和感は感じない。まさに使うための筋肉がついていたのだ。


そんなこんなで二百年の間でさまざまなことを気づき、学び、受け継いできた。だが完璧にそれらを生かしてるわけではないし、いまだに終わりも見えない。それでも確実に成長していることだけは実感できた。

この時点で人間の中ではかなり強い実力をもってます

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