原因
七月二十二日月曜日午後一時半、暑いと愚痴りながら俺達は下校していた。
今日から夏休みとなるため午前中に終了式だけ行い、解散となった。終了式はいい。だが何故月曜日に式を行う、金曜日に終わらせて土日から夏休みにしろ、と愚痴を呟いた。
「お前それ去年も言ったよな」
「毎年言っとるわボケ」
幼馴染が俺の愚痴に突っ込んできたから反論する。
こいつは鎹龍耶。俺の幼馴染で天然茶髪、運動神経抜群のイケメンフェイス。性格もよく学校での人気者。俺がこいつに勝てるのは学力ぐらいだが、単にこいつの頭が平均以下なだけで俺はいたって普通だ。
「藍華ぁ、今年も宿題みせてくれよぉ」
「いやよ、いっぺん死になさい」
龍耶がへこんでる、ざまぁ。
龍耶が藍華と呼んだ人物は俺のもう一人の幼馴染、御鶴来藍華。成績上位をキープしながらも風紀委員長を務め、生徒や教師からの信頼も厚い黒髪ロングの美人さん。体力は俺と同じ、つまり普通だ。
龍耶がショックから立ち直り、また雑談をする。なんだかんだでこのやり取りも毎年やっている。そして今年も去年と同じような夏休みになるだろう。
だがそんな夏休みにする気はない、なぜなら今年は目標がある。それは
二人をくっつけること
なんだかんだで二人はお互いのことを悪く思ってない、誰から見てもお似合い様だ。それなのにくっつかない理由はいつも三人で行動していたことも入るだろう、だから少し距離を置くつもりだ。まぁ俺の方は…いざとなれば独身貴族でいいさ…
「いくぞ和人」
「大丈夫、和人?」
いつの間にか俺の脚は歩くのをやめており、二人は数m先を歩いていた。
和人とは俺の名前である。俺のことををゲームのようにするならば
学力C
体力C
器用C+
となるだろう。顔についてはC+だと思いたい。ステータスから分かるように俺は平均だ。得意なことはあっても才能と呼ばれるほどではない。それが俺。
「すまん、考えことしてた」
そう言いながらおれは駆け足で二人の下に行く
これが、はじまりだった
「うぇあっ!?」
「きゃぁっ!」
二人を中心に半径一mの魔方陣が現れた。あまりに突然なことに龍耶が一歩後ろに下がる
「うぇが!」
俺が二人に駆け寄る
驚きのあまりに一歩下がった龍耶の肘が、真後ろにいた俺の胸に炸裂する
衝撃と痛みで体制が後ろに崩れる
倒れかけの俺に気づいた二人が、俺に手を伸ばす
俺の左脚が重心をを支えるため後ろに踏む
二人の手が俺をつかむことなく魔方陣が光り出し
転送を始めた
俺の左脚が陣からはみ出した状態で
目を覚ます。次に瞼を開き上半身を起こした後周りを見渡す。そこには岩と土以外なにもない。
「どこだ、ここは…」
そこは王室でもなく召喚の間でもなく、洞窟だった。