四個目
血の味
イメージは「血」と「刃」
この手に握る銀の刃を
あなたの血で染めてみたいの
銀を赤に
赤を朱に
冷たい刃を、あなたの血で暖めて
狂おしいほどのこの感情
すべて溶けて染み込めばいい
血で血を洗って
刃で刃を研いでみて
そしたら必ず
綺麗な命は
美しい命は
…終わりを迎えるのだから
冷たく輝く刃を持って
あなたの胸に突きつけたい
抉る必要なんか無い
ただ突き刺すだけで
私の心は満たされる
狂おしいほどのこの感情
あなたの血は
その感情を押さえ込んでくれる
赤く暖かなあなたの血は
私の心を
必ず暖めてくれるから
廻る羽根
イメージは「扇風機」
涼を伝える羽根の声
うるさいと言われようとも
危険だと言われようとも
僕は一生廻り続ける
命を奪われる
その一瞬まで
くるくるくるくる
廻る、廻る、廻る
首を縦に横に
くるくるくるくる
振る、振る、振る
音をならし続ける
風を伝えて
髪を揺らして
あなたに涼を届けたい
ただそれだけが
僕の生まれた理由の気がするから
ただ僕の存在を認めてくれる
その人たちの笑顔だけが
僕の生き甲斐なんだから
恋の白いキャンパス
イメージは「白」
二人の色は白い色
混ざって白く
新たに染める
二人だけの色
白い色は、心の色
二人の心は、混ざって白い
だから染めていける
例えどんな色だって
それがどんな色だって
二人の心は
真っ白なキャンパスなんだから
二人の恋は白い色
これから染める
二人だけの、色とりどりの色に
だから恋の色は白い色
だから白い色は恋の色
だからこそ、気持ちがいい
真っ白な心のキャンパスに
どんな色をつけようか
二人の混ざった色なのか
お互いの色を一つだけ選ぶのか
それは全く分からない
未来なんて、誰にも分からない
この恋のキャンパスがどんな色になるかなんて
二人にも、分からない
だから、楽しいんだ
だから、嬉しいんだ
だから…愛しいんだ
これは未来の
これは過去の
そして現在の
二人だけの、恋の白いキャンパスなんだから
とある考え
『善意』と『悪意』から連想
この世界には、いったい幾つの善意と悪意が満ちているんだろう
そんな事、あなたは考えたことがありますか?
普通は考えないと思います
いえ、考えられないと思います
そんな事が考えられるのなら、世界はきっと平和で、綺麗なんだから
だからこそ、考えなくちゃならないんです
善意と言う意味を
悪意と言う意味を
平和と言う意味を
押し付けの善意は悪意になる
それが分かっているのに、人は思いやりと言う名の押し付けをやめない
明確ではない悪意は、悪意にすらならない
それが分かっているのに、人は無計画に人を殺す
平和を謳っているのに、戦争をやめない
それが分かっているのに、人は兵器を作り出すことをやめない
すべてが綺麗に矛盾する世界で
何を信じればいいのだろう
人は言うよ
自分を信じてみればいいって
でも、自分自身の矛盾に気づいてしまったら
そんな事は、全くできなくなるのだから
だから、信じるものを変えてみる
自分でもなく、他人でもなく……神でもなく
自分が正しいと思うことを、信じてみよう
そうすればきっと、世界に色身がついていくはずだから
金と銀の饗宴
『月』がテーマ
夜空に浮かぶ
金色の月
その淡い光の輝きは
誰の目にも届いているから
光を反射し
その存在を示す
そんな月のあり方に
感動さえ覚えた
一人じゃけっして輝けないけど
ても、月はただそこにある
昼空に浮かぶ
銀色の月
その淡い光の輝きは
誰の目にも届いているから
光がなければ輝けない
光があれば輝ける
そんな月の存在に
感銘さえ覚えた
一人じゃけっして輝けないけど
でも、月はただそこにある
金色と銀色の
相容れないけど仲の良い色
表裏一体
二つで一つ
一つで二つ
そんな関係が、羨ましかった
光があれば
光がなければ
その色は変わる
同じだけどどこか違う
そんな微妙な関係
だからこそ、違いがわかる
違えば同じ
同じは違う
そんな曖昧な関係が
繰り返される饗宴の渦に
飲み込まれていくんだ
光を反射し
その存在を示す
そんな月のあり方に
感動さえ覚えた
金と銀
二つで輝く
だからこそ
月はただ、そこにある