十二個目
恋する気持ち
「甘い関係」がテーマ
晴れた日の朝
綺麗な噴水の前で待ち合わせ
うきうきした気分
これから、デート
初めて彼から誘ってくれた
いつもは私からなのに
こんなに嬉しいものなんだ
会ったら何を話そうか
天気の事かな?
晴れてよかったねって?
服装の事かな?
今日も格好いいねって?
それでも彼と話すのは
他愛のない話
綺麗な海
彼のお気に入りの場所だって
ドキドキした気持ち
とっても、楽しい
二人だけの秘密だよ
彼はそう言って笑ったの
…二人だけの、秘密
秘密を共有できること
こんなに楽しいことだったんだ
二人で指切り
初めて交わした含み笑い
二人してにやけ顔
その後に大笑い
それがとても、楽しいこと
彼といる時間
それが私にとって
至福の時間
永遠の時間
一分一秒が過去になっていく
その過去は
とても素敵で
かけがえのないもの
ただ、まっすぐに
三角関係一人目
小さかったあの頃
二人の約束
覚えてる?
あの時の思いを胸に
私は今まで
生きてきたんだよ
我が儘だけど
格好いい
これが惚れた弱味?
だとしたらこれは
とってもいい弱味
私はあなたの
声が聞けるだけでいい
顔が見れるだけでいい
今までもそうだったように
それだけで私は
十分幸せなんだから
久しぶりに会った時
あなたの隣にあの子がいたの
私と同じ
私と同じで
あなたが好きな
女の子
鈍感なあなた
気づいてなかったのね
だから私は
こう言った
「共闘しない?」
一人で無理なら
二人で落とせばいいの
だって好きなんだもん
いがみ合っても始まらない
好きって気持ちは
止められないんだから
だから覚悟してよ?
私たちが全力で
あなたを落としに行くから
首を洗って待ってなさい
鈍感で
優しくて
生意気で
格好いい
…あなた
昔から愛してる
三角関係二人目
小さい頃から
ずっとあんただけを見てた
幼馴染みって言うんでしょ?
でも、あたしは満足しない
その先の関係を
あたしは求めるから
好きだなんて
恥ずかしくて言えないわ
女からの告白なんて
そんなの普通じゃないでしょう?
ねぇ、だから気づいて?
あたしの想いに
昔っからそうね
あんたはあたしの前にいた
その背中を守りたくて
あたしはあんたを
好きになったの
幼い頃から
あんたを想ってきたの
他のやつなんて興味ない
あたしはあんたと
恋人になりたい
ただそれだけなの
他の子は言うわ
大好きだって
でもあたしは言わない
言っちゃったら
軽くなりそうだから
だから言わないの
昔から見てきたのよ?
あんたとずっと一緒にいた
このあたしが言うんだもん
あんたは鈍感
色恋沙汰には特にね
分かってるわ
あんたはあたしの幼馴染み
それ以上でも以下でもない
でも
それでもあたしは
それ以上を求めるの
恋人って言う
甘く熱い
関係を
幸せの形
三角関係三人目
小さい時から
ずっと友達
ずっとそんな関係が続くと思ってた
でも
それは唐突に壊れたんだ
突然の告白
ずっと一緒にいた
幼馴染みの女の子から
唐突の告白
一度は別れた
一番の悪友から
その告白に
俺は答えが返せなかった
どうしてなんだろう
なぜ、俺を好きだと言ってくれたんだろう
それからの俺は
ただそれだけを悩んでた
…心と頭で
壊れたと思った
大切な日常
でもそれは無駄な心配
あいつらは二人で
俺を呼び出したんだ
「一人に選べなんて言わない」
「ただ、あたし達の思いを伝えたかったの」
そう言った女の子達
「私はあなたが好き」
「あたしはあんたが好き」
「「その気持ちだけは、負けないから」」
声を揃えて
そう言った
その想いに
俺は悩んだ
答えてやりたいけど
簡単には決められない
どちらか一方が幸せに
そんな未来は望まない
俺は気づいた
悩むくらいなら
二人を一緒に愛せばいいって
それに気づいたとき
俺は凄く
嬉しかった
「どっち?」
「答えてよ」
「…二人纏めて、俺が愛してやるよ」
そう
これが俺の
見つけた道
夢見る小鳥
「夢見る小鳥」って言う言葉から
夢見る小鳥
囀ずる音
小さな翼で
世界を見つめた
大きさなんて関係ない
必要なのは
想いの力
意志の力
それさえあれば
どこだって飛べるさ
背中に生える
立派な翼
力強く羽ばたいて
体をふわりと浮かせよう
そしたらきっと
世界が綺麗に
見えるから
儚い小鳥
響く音
歪な翼で
世界を跨ぐ
形なんて関係ない
願えばいつも
翼を広げて
空へと飛び立つ
どんなに不格好でも
それが一番素敵なこと
翼を広げて
夢見る小鳥は
歪な翼で囁き響く
その音色と羽ばたきは
人を魅了し
惹き付ける
そんな存在に
私はなりたい
夢見る小鳥
世界を眺める
夢見る小鳥
世界が終わる
夢見る小鳥
そんな私は
狂った小鳥