2走目
よし、学校についたぞ!
少し遅れたが、まだ練習が始まっていなさそうだ。
高校時代はエースだったからか、少し遅れてグラウンドに入っていくと周りの視線が痛い。とりあえずは、ストレッチでもするかと考えているところに
「おはようございます。」
と声をかけられ驚きつつ振り向くと高校時代一番仲が良かった後輩の新藤だった。
部内での練習は 2人1組でのペア練習が多く。部活中はもちろん私生活でも自宅が近かったこともありよくつるんでいた。
「先輩今日は遅かったですね。いつもは練習時間の1時間前くらいには来てアップしてるのに。」
「今日はちょっと考え事してたら寝坊してたんだよ。てか、まだ練習始まってないの?なんかあった?」
「そうだったんですか。まあそういう時もありますよね(笑)今日の練習なんですが、監督がまだ来てなくてもしかしたら今日自主練かもって部長が言ってましたよ」
「新藤と一緒にするなよ!(笑)じゃあ俺ちょっと試したい練習あるから付き合ってくれる?」
こういう掛け合いも懐かしいな。午後から少し長距離を走ってみようとしていたが、監督がいないならグラウンドで練習できるしラッキーだな。
「で、どんな練習したいんですか?」
「俺今まで100mしか走ってなかったけど、ほかの種目の距離も走ってみたいんだよね。」
「そうなんですか?先輩ならほかの種目も記録出るかもですけど、もう少しで日本記録に手がかかりそうなんですから、もったいなくないですか?」
「まあ俺も今までそう思ってたんだけど夢のお告げかな、試しに挑戦したいんだ。監督いるときじゃこんなこと止められてできないから、ちょっと測って!」
ちょっとごり押しで申し訳ないが、せっかくのチャンスだ試してみたい。
「まあわかりました。じゃとりあえず400mくらいから測定してみますか?」
「そうだな。よろしく」
「行きますよ、位置についてよーいドン!!」