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須賀幸平は凡人である〜case2.もしも凡人が異世界召喚されたら〜  作者: 井上むくすけ
case1.もしも凡人がラブコメ主人公になったら〜
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2-7


「てかさぁ生芽ちゃん今日もカラオケ一緒に来てくれなかったわぁ。ショックだわぁ……」

「ちょ、あんたさっきからそればっかりじゃんw。どんだけ神楽さんとカラオケ行きたいわけ?」

「逆に行きたくない奴なんておらんやろ」

「ほんとそれ」

「わかりみ」

「『お夕飯の準備があるから……』って可愛すぎかよっ! あの見た目で家庭的とか反則だしょ!」

「あーくそ、あいつ羨ましいなぁ。なんて言ったっけ? 須賀? 生芽ちゃんと一つ屋根の下とか羨まし過ぎるだろ!」

「ほんとそれ」

「つかあの二人の関係って本当にそれだけ? 怪しくない?」

「怪しいって?」

「だってさぁ。神楽さん妙に須賀のことかまってるじゃない?」

「それは俺も思ってた! あれは何かある!」

「ハイハイ! 俺、須賀が生芽ちゃんの弱み握ってるって噂聞いた!」

「うわまじ? 須賀最低じゃん。喋ったことないけど」

「まぁ俺も喋ったことないな」

「私も~」

「まぁマジなこと言うと、須賀も須賀だよな。生芽ちゃんにあんなに気を使わせてさ。何様って感じ……内心、生芽ちゃんも困ってるだろあれ」

「一理ある~」

「ほんそれ」

「完全に調子こいてるよね」

 話声が足音と共に遠ざかっていく。

 部室錬から教室に戻る途中、同じクラスの連中が進行方向から接近してくることに気づき、とっさに空き教室に潜んだのだ。うわぁクラスでも目立つグループじゃん……ちょっと気まずいなぁ……。と軽い気持ちで身を隠したらというのに、まさかこんなダイレクトな悪口を聞く羽目になるとは……。

「…………」

 感情を飲み込むように深めに息を吸う。

 別に面と向かって言われた訳でもない。今日一日ですら、俺に聞こえるようにちょっかいかけてくる奴は何人か居たし、そいつらに比べればさっきの奴等は大分マシ。むしろ配慮している方だ。

「………………くだらないよな、本当に……」

 一言だけ吐き捨てるように口にして、再び教室に向けて歩き出した。

 大丈夫、俺は、大丈夫だ。


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