本格ファンタジーなんて無くっていい
たびたび巻き起こる「本格ファンタジー」論争。
本当に「本格ファンタジー」というものが存在していて定義もさだまっているなら、論争なんてせいぜい1回で終わるハズ。
それが何度も繰り返されるということは、それぞれが勝手に「自分が思う本格ファンタジー」の定義を主張し、異論を攘斥し合っているからではないかと思います。
論争自体はけっこうでしょう。
これが俺の考える本格だ! と主張するのは良いと思います。
しかし見ていると、盛り上がっているのではなく、
・本格も分からない馬鹿
・俺の認めるもののみが本格! それ以外は低劣!
・本格は高尚。なろうは低俗。ゆえになろうには本格的なファンタジーは存在しない
・馬鹿は本格を理解できない
という具合に、異論をつぶし、挙句には人格攻撃にまで発展していることもしばしば。
ミステリーだろうが、グルメだろうが、「本格」というのはケンカに使う言葉ではないのです。
罵詈讒謗をぶつけ合うくらいなら、いっそ本格ファンタジーなんてなくしてしまえばいいのです。
そして誰もが本格ファンタジーはたんなる夢だったことにし、定義づけようとすることも追い求めることもしなければ、少なくとも醜い争いは避けられましょう。
こんな有様ではせっかくの「本格」が泣いてしまいます。
贔屓の引き倒しというものです。
もしそれでも主張したいなら、
① 根拠を明らかにする。
② 自分にとって敵か味方か、で意見を変えないこと
③ 反対するときは相手の意見に対してのみにし、相手の人格を攻撃しないこと
④ 「本格」の対義として低劣や低俗などを用いないこと
⑤ 論争にあっては賛同者に対しても異論者に対しても敬意を持つこと
これくらいは守っておれば平和的に白熱するのではないでしょうか。