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ゴミスキル

「ついにこの日が来たか」


 アレス・ルーラオムこと俺は、家を出て空を見上げ、呟く。


 十八歳の誕生日。それは将来の行く末が決まる日だ。


 この世界に生まれた者は皆、十八歳で何らかのスキルに覚醒する。


 単に「物の温度を変えるスキル」のような大したことないスキルもあれば、遥か彼方の山さえ消し飛ばすような災害級のスキルもある。


 強力、もしくは実用性の高いスキルに目覚めればそれなりの地位と名誉が約束され、将来安泰となるわけだ。


 俺の実家、ルーラオム家もそうして興隆した家柄だ。かつて、【星砕き】と呼ばれる戦略級の超絶スキルによって武勲を上げたご先祖様が、国王に取り立てられ、公爵家となったらしい。


 以来、ルーラオムの血はこのカルネス王国随一と言われ、国王の矛として高い地位を築いてきた。


「大丈夫だ。お前ならきっと優れたスキルに目覚める。ルーラオム家の名に恥じないスキルにな」


「ありがとう、兄さん。そう言ってもらえると心強いです」


 俺の尊敬する兄、メドロック兄さんは、【星穿ち】という射撃スキルを持つ。


 指を弾けば山を穿ち、弓を射れば彼方の星々をも貫くと言われる最強のスキルだ。ご先祖様の打撃スキル【星砕き】にも匹敵すると言われている。


 当然、弟の俺にもそんな強いスキルが授けられると信じていた。


 だが。


 スキルを鑑定してもらえる神殿に入るなり、俺は信じられない言葉をかけられた。


「おぉ、ルーラオムのところの次男か。しかしこの代は外れじゃな」


 老齢の神官は俺を見るなりそう言い放った。


「そ、そんなことは!」


 衝撃を隠しきれないまま、俺は叫ぶ。


「なら試しにスキルを発動してみたまえ。もう十八の誕生日を迎えているなら、使えるはずじゃ。もっとも、ゴミを召喚するだけのクズスキルのようじゃがの」


 何という侮辱だ。


 召喚などという軟弱なスキルに覚醒するなどありえない。


 俺はルーラオム家の次男だぞ。


 それだけならまだしも、「ゴミ」を召喚するスキルだって?


 いくらなんでもバカにし過ぎだ。


 俺は目をつむり、全神経を研ぎ澄ませる。


 すると、自宅の離れが思い浮かんだ。


 そうか。


 離れた場所のものを何でも召喚できるスキルなのか。


 ならば自室をここに召喚して、驚かせてやろう。海や火山を召喚すれば、武勲を上げ更なる地位向上も目指せる。俺は遂にスキルを発動した。


 次の瞬間、青色の閃光とともに出現したのは、崩れかけの廃屋と、無数の生ゴミだった。


「どういうことだ?」


 俺は確かに、自宅の離れをイメージして召喚したはずだ。


 なのになぜ、こんなボロ家とゴミが出てきた?


「どういうことも何も、そういうスキルということじゃ。神聖なる神殿を汚すとは、何たる不敬! いくら公爵家の人間とはいえ、万死に値する!」


 すると、全身に衝撃が走り、俺は神殿の入り口まで吹っ飛ばされた。


 そう言えばあの神官のジジィ、念力スキルの使い手だったな。俺は悔しさと痛みとで、何も考えられなくなった。


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