後日談
リーンゴーン
リーンゴーン
チャペルの鐘が鳴り響く。
空は晴れ渡り、素晴らしく結婚式日和な感じ。
花嫁と花婿は実に幸せそうに、にこやかに手を振る。
チャペルで愛を誓い合い、そのまま結婚披露パーティーが始まった。
もうすぐ、皆の前でスピーチをするので、僕は少し緊張していた。
しかし、いいのだろうか。
あんなアホみたいな出会いの話をして。
まぁ、新郎新婦たっての希望なので、2人の馴れ初めを面白おかしく語ってやろうとは思っている。
そう、今日はルクスとモニカの結婚式だ。
あの後、ルクスはイーラさんの元へ行ったのだが......。
「なんだ、もう解けちゃったの?まぁ、私の呪いなんて弱いし、仕方ないわね。」
「悪かったよ。やり直そう。」
「はぁ?あんたみたいな男はもうウンザリって言ったでしょ。まぁ、片思いの辛さも少しはわかったみたいだし?少しはスッキリできたわ。じゃ、さようなら。私たち、もう会うこともないわね。」
そうにこやかに告げられて振られたらしい。
ざまぁみろ。
しかしその後、奴は何故かにこにこ亭に通い、モニカと口喧嘩を繰り返す日々を送っていた。
そして気がついたら2人は付き合っていた。
「この人みたいなダメ男には、あたしみたいにしっかりした女がついててあげないとダメなのよ。」
だそうだ。
あれ、好みじゃないんじゃなかったの?
なんでだ?
因みに、僕は相変わらず彼女も出来ず、毎日真面目に働く日々を送っている。
僕もそろそろ、かわいい彼女が欲しいです。
「ユリウスさん、お願いします。」
係の人に呼ばれ、僕は壇上へと向かう。
散々な目に合わされたが、今日は晴れの日だ。
仕方がないから最高に笑えるスピーチをして、祝福してやろう。
ちゃんちゃん。