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春雨さんと鉄棒

「鉄棒があると無性にやりたくなる技があるんですよね」

「マルケロフとかイエーガーとか?」

「んなもん普通の鉄棒どころか体操用のでもできませんよ」

「どんな技よ」

「こう両手と両足でバーを掴んでぶらさがるんです」

「ふんふん」

「そのままただぼーっとしてます」

「なにがしたいのよ」

「豚の丸焼きというれっきとした技ですよ」

「大層な技名つけられて豚さんも大喜びでしょうね」

「これで休み時間を意味もなく過ごしたこともあります」

「鉄棒の練習したい子にとってはウルトラ邪魔な子ね」

「意外と楽しいんですって」

「その年になっても?」

「意外と楽しいんですって」

「とても楽しそうな光景に見えないところがミソね」

「春雨さんもやりましょうよ無を感じることができますよ」

「のーせんきゅー」

「じゃあこれはどうですか?」

「どんなの」

「膝にバーをひっかけて逆立ちの姿勢を保つんです」

「鉄棒小さいからあなた頭に砂がついちゃってるわよ」

「これも小さい頃大ブームでしたねえ」

「もっと逆上がりとかそういう回転技はしないの?」

「そういうのできなかったからこういうのやってたんですよ」

「これは鉄棒特訓コースを視野に入れないといけないわね」

「逆上がりできなくてもなんら生活に支障はないですって」

「少なくともいまみたいに頭に砂かかることはなくなるわよ」

「あー頭に血が上ってきました」

「早く降りなさいそして頭払いなさいよ」

「いざ終わると私なにしてんだろうって気持ちになるのもオツなものですよね」

「大事なのはいまよ早くシャワー浴びて頭スッキリしてきなさい」

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