春雨さんと単身赴任その2
「お父様がまた単身赴任から帰ってきたわ」
「前回キャッチボールしたらスライダー投げてきた父親ですか」
「今回も一緒に遊ぼうって言われて広場に行ったわ」
「今度はシンカーでも覚えたんですか?」
「オーバーヘッドキックで見事ゴールネットを揺らしたわ」
「え、サッカー?」
「さすがのわたしも反応できなかったわ」
「あなたのお父さんって普段なんの仕事してるんですか?」
「忙しい仕事って言ってたわ」
「その割りには随分スポーツしてますけど」
「わたしも悔しかったからドライブシュート放ってやったわ」
「なんでできんだよ」
「今時の女の子はみんなできるものよ」
「私は今時じゃないのか……」
「お父様も一本取られたみたいな顔してたわ」
「私には理解できない親子交流ですね」
「あなたはお父様と遊ばないの?」
「たまに一緒にゲームしますよ」
「あら仲良しじゃない」
「ただめちゃくちゃ強いんですよ」
「あなたが言うぐらいなら相当なものね」
「私が勝てたときなんて私の誕生日のときぐらいですよ」
「どう考えてもわざと負けてくれてるだけね」
「レースも格ゲーもスポーツもパズルも容赦ないですあのおっさん」
「恨みつらみがこもった結果がおっさん呼ばわりなのね」
「やり込みも半端じゃないですからねえ」
「あなたのゲーム好きは父親譲りなのかしら」
「まさかどう考えても私は母親似ですよ」
「ちなみにお母様の趣味はなんなの?」
「ガーデニングですね」
「あなたとは似ても似つかないわね」




