春雨さんと福袋
「あけましたね」
「あけてしまったわね」
「今年もよろしくお願いします」
「さて開けてしまった以上は福袋の中身見なきゃね」
「あけてしまったってそっちかよ」
「あらことよろ」
「思い出したかのように挨拶するしー」
「折角だし一緒に見ましょ」
「なんの福袋なんです?」
「とある書店の福袋ね」
「じゃあ中身は本ですか」
「十冊あるわ」
「全部漫画じゃないですか」
「じゃああなたが既に持ってるか確認してみようかしら」
「一つずつ見てみましょう」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「これは?」
「持ってますね」
「いい加減にしてよ」
「別に尺を稼いだつもりじゃないんですけどね」
「作品も巻数もバラバラなのにどうして全部持ってるのよ」
「私の見聞の広さが功を奏したのでしょうね」
「これなんて四十五巻の本よ」
「そうですね」
「なんで四十五巻分既に揃えてるのよ」
「面白い漫画だからに決まってるからじゃないですか!」
「確かにそのとおりね」
「というか書店の福袋ってこんな感じなんですか?」
「短編集とか一巻で完結の小説とかが入ってると思ったのに」
「買う店を間違えましたね」
「在庫処分感覚で入れたに違いないわ」
「まあどれも面白いですから全部読んでみてくださいよ」
「ストーリーものだったら最初から読みたいのよね」
「そのために私がいるんじゃないですか」
「あなたの漫画部屋も役に立つのね」
「ただ十冊のうち八冊は過度な暴力描写あったり死んだりする話ですけどね」
「もうこれ全部あなたにあげるわ」
「いや全部持ってるからー」




