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春雨さんと粒たっぷりのみかんジュース
「え!?」
「どうしたの?」
「この飲み物、よく振ってはいけないタイプのものでした」
「炭酸ばっか飲んでないでお茶飲みなさいよ」
「炭酸じゃないですよ炭酸だったら振るわけないじゃないですか」
「炭酸の権化であるあなたが言うなら間違いないわね」
「いまはみかんジュースがマイブームですよ」
「粒たっぷりの」
「私いつもこれよく振ってから飲んでたんですよ」
「ところが振ってはいけなかったと」
「フタの表面に注意書きがありました」
「ついに気づけてよかったじゃない」
「悔しくないですか?」
「なにゆえ」
「いままで振ってたのかバーカって商品に煽られてる感じで」
「想像力豊かでうらやましいわ」
「振ってしまったらこのジュースの品質が下がるわけなんですよ」
「完璧な状態の味を楽しめなかったのね」
「これは相当痛い損失ですよ」
「みかんジュースでそんな深刻になるのはあなたぐらいのものよ」
「だからもう振りません二度と振らないです!」
「いままで振った分取り戻していかないとね」
「なんかモテモテになった気分ですね」
「はっ」
「鼻で思い切り嘲笑された……」
「で、味はどうなの?」
「振ったときと大差ないです」
「そんなもんよね」




