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春雨さんとボールペン
「春雨さんボールペン貸してくれませんか?」
「はいどうぞ」
「なにこれめちゃくちゃ色変えられるじゃないですか」
「十色切り替えボールペンよ」
「よく見つけるなこんなの……」
「ちょっと太くて重たいのが難点ね」
「黒だけでいいけどちょっと拝借します」
「どうぞ」
「はいありがとうございました」
「もういいの?」
「プリントに名前書いてチェックつけるだけでしたし」
「もっと使ってよ」
「まあそう言うならこれでちょっと絵でも描きましょうかね」
「それでこそあなたよ」
「じゃ早速赤色でも」
「血に飢えたあなたにぴったりね」
「ってこれ黒色の芯なんですけど」
「あらま」
「黄色に切り替えてみますか」
「バナナ好きなあなたに相応しいわね」
「これも黒色なんですけど」
「あらら」
「……青色」
「かき氷はブルーハワイ派のあなたにうってつけね」
「全部黒芯じゃねーかよ!」
「だって十色もいらないもの」
「にしても全部黒に替えるのってどうなんですかね」
「なんだかんだで一番使うからね」
「一本で多色に切り替えられるのが強みなのに……」
「赤色だけの十色切り替えボールペンもあるわよ?」
「うおー矛盾してるー」




