60/122
春雨さんと秋茄子は嫁に食わすな
「秋茄子は嫁に食わすなって言うじゃない」
「憎い嫁には美味しいナスなんか食わせんなっていうあれですか」
「婿の場合はどうなのかしらね」
「どうと言われましても」
「嫁が秋だから婿は春よね」
「つまり春に因んだ野菜を上げろと」
「なにかある?」
「あ、あけぼのとか?」
「なんでそこで枕草子なのよ」
「昔最初の数行を暗記させられたものです」
「やっぱり春キャベツが定番かしら」
「定石中の定石ですね」
「春キャベツは婿に食わすな」
「ことわざにカタカナってなんか違和感ばりばりですけど」
「じゃあ春甘藍は婿に食わすな」
「あーそっちのほうがそれっぽいですね」
「これでまた一つことわざが増えてしまったわね」
「パクリそのものですけどね」
「今日の夕食はナスの味噌炒めに決めたわ」
「よく食べられますねナスなんて」
「まだナス嫌いなのね」
「食わなくたって生きていきます」
「秋茄子をあなたに食わせる」
「私限定のことわざかよ」




