春雨さんとあくび
「随分と眠そうね」
「徹夜でゲームしてたもんで」
「ちゃんと早寝しなさい」
「はい。ふあーあ」
「ふぁー」
「うつるもんですねえ、あくび」
「まいったわね」
「ふあーあ」
「ふぁー」
「春雨さんのあくび可愛くてなんかずるいんですけど」
「あくびに可愛さとかあるの?」
「ふあーあ」
「ふぁー」
「なんかすみませんね」
「あなたのあくびで会話が分断されちゃうわ」
「ふあーあ」
「ふぁー」
「いまのはわざとあくびしました」
「あなた楽しんでるでしょ」
「もうしませんから安心してください」
「いいえ、続けなさい」
「え」
「あなたのあくびなんぞ蹴散らしてあげるわ」
「そんな火花散らさなくても……」
「さあどうぞ」
「ふあーあ」
「ふぁー」
「春雨さんの意志はプリンのように柔らかい」
「わたしは焼きプリンが好きよ」
「私は普通のプリンがいいです」
「ふぁー」
「春雨さんも眠いんですか?」
「あなたのあくびがうつったのよ」
「影響されやすいですねえ」
「ふぁー」
「あくびしすぎでは」
「なんであなたはうつらないのよ」
「なんか急に出なくなりました」
「あなたの意志は煎餅のように硬いのね」
「わりと簡単にバリバリ割れるじゃないですかそれ」
「崩れると脆いタイプね」
「ぬれ煎餅のように湿り気たっぷりですよ」
「それも嫌だわね」
「ふあーあ」
「ふぁー」
「結局あくびが戻ってしまいました」
「もう、うつるからやめなさい」
「プリン奢りますから機嫌直してくださいよ」
「焼きプリンねっ」




