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春雨さんと五十音でこんにちは

「あ」

「いきなり立ち止まってどうしました?」

「腕時計置いてきちゃったわ」

「ええ……学校にですか?」

「おそらく机の中ね。体育のときに外しちゃったのよ」

「帰る途中ですけど取りに戻ります?」

「帰宅途中だけどそうしようかしら」

「繰り返して言う必要ありました?」

「結構くだらないこと気にするのね」

「この女……!」


「坂道が辛いわ」

「しかたないでしょ。春雨さんが悪いんですよ」

「すっかり悪者扱いね」

「せめて学校出る前に忘れ物に気付きましょうよ」

「そういえばあなたは腕時計しないの?」

「たまにしか。携帯あれば別にいらないかなって」

「近頃の若者って感じね」

「つーか若者ですし。あなたも私も」

「てゆーかチョベリバって感じー」

「とりあえずそれはもう若者の使う言葉じゃないんですよ」


「なんとか戻ってきたわ」

「二回も学校に来るとは……」

「盗まれてなければいいんだけど」

「願いが届くといいですね」

「乗り込みましょう。目指すはわたし達の教室よ」

「はい! いよいよですよ春雨さん!! 牙城はすぐそこです!!!」

「必要以上に盛り上げなくてもいいのよ」

「ふふ、こういうノリ好きなんですよ私」

「変な子ね、ぷぷ」

「ほんとぶん殴りますよあなたって人は」


「まあ!」

「見つかりましたか?」

「六つぐらいラブレターが入ってる」

「めんこいですからなーあなたは」

「もう、方言で嫉妬しないの」


「やっと見つかりましたね」

「床に落ちてたなんてね。ずっと机の中を探してたわ」

「よかったですね無事で。じゃあ帰りましょうか」


「らんららーん、ららららーん」

「理解に苦しむ謎の歌やめてください。見つかって嬉しいのはわかりますが」

「るんるん気分で歌ってるのにー。いまのは何点かしら?」

「0点」

「60点は欲しかったわね。じゃあ次、なにかクイズでも出して!」

「わ、私が? じゃあ……時計を英語で言うと?」

「ヲッチ」

「んー、オチとしてはいまいち」

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