第27話 陥落!ヴァルハラ!!
「撃てぇ!!!!!」
地上と月軌道上から二方向の砲撃がヴァルハラに襲いかかった。
「何!?」
ミカエルは目を見開いた。ミカエルの想像をはるかに上回るエネルギー量だった。
バリアーのないヴァルハラでは大ダメージは免れない。かといって回避も出来ない。ミカエルは歯ぎしりした。
ミカエルがすめらぎのエネルギービームに気を取られている間に、チタニウム合金超徹甲弾がヴァルハラを貫いた。砲弾はヴァルハラを貫通せず、ヴァルハラの中心部で停止した。徹甲弾の内部に仕掛けられた発信器が現在位置を山根と米沢に伝えた。
「やった!」
「よっしゃ!!」
山根と米沢は同時に叫んだ。続いて、すめらぎのエネルギービームがヴァルハラを襲った。
「うぁぁぁぁ・・・!!」
ミカエルは自分の機体にバリアーをはり、攻撃に耐えた。しかし、ヴァルハラはそうはいかなかった。各部で爆発が起き、直撃を受けた上部構造物は消滅した。ヴァルハラはその攻撃力を根こそぎとられたのである。
「とどめだ!!」
山根は手に持ったスイッチを押した。すると、ミカエルの真下、ヴァルハラ中心部で大爆発を起きた。
この攻撃こそが山根の本命だった。外側からダメージを与えては完全破壊にはいたらない。破壊するには内部からの破壊しかない。山根はそう考えていた。
「くそ・・・くそぉ!!!」
ヴァルハラは各部で爆発と崩壊が起きていた。もはや形を保てなくなったヴァルハラは次々と大気圏に向かって落下していった。