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水の死体

作者: まいにくん

ニュース速報 VIP 小説・ラノベのワナビスレ 統一お題

テーマ

『雪』『語学』『死体』

 彼女の名前は『ティーチ・マキアルデニ』という。ティーチが姓で、マキアルデニが名。親しみを込めて『マキちゃん』か『マキア』と呼ばれていたそうだ。

 ティーチの「チ」は舌打ちの音だ。専門用語風に言うと吸着音。彼女の住む『かの国』の公用語にはそれが一つの発音として組み込まれている。


 ここ成田国際空港の一階到着ロビーは、帰国ラッシュなのか大勢の日本人であふれていた。

 水平方向にぼんやり見やる。夕暮れのオレンジ色の中に黒い頭がひしめき合っている。その中にぽつんと、まるで負ける寸前のオセロのように白い頭がひとつ佇んでいた。

 一つだけの白、それが彼女だ。

 肩甲骨まで伸びる白い髪の毛、青い目と整った顔立ち、そして白いワンピース。さんざん外国人を見て帰ってきたはずの日本人たちから注目を集めるには十分の容姿だ。

 あっちにふらふら~こっちにふらふら~しながらもようやく見知った顔を見つけ、こちらに駆け寄ってくる。

 彼女は僕の前まで来ると、ニコッと花のような笑みを放ってくる。


 マキアは五年前、 桜の花が咲き始めた頃、『かの国』から交換留学生として日本にやってきた。留学先というのが、僕の姉の通う高校。そして姉のいるクラスだった。ついでに言うとホームステイ先は姉の家、つまり我が家だった。姉とマキアは高二で僕は中二だった。

 この世に生まれて間もない上に、発掘された古代の人造言語を公用語として採用するような特異な『かの国』。そこからの初の留学生だったので、来た当初は隣のクラスの生徒からテレビ局の人間まで、彼女を物珍しそうに見に来たそうだ。

 お陰で新学年が始まってすぐは授業どころではなくなってしまって大変だったらしい。しかし、四月の半ばを過ぎると報道関係に規制がかかり、マキアと姉を含めたクラスメイトは平均的な学生生活を送る事ができた。

 平均的ではあったが間違いなく特別な学生生活だった、と姉は言う。彼女にまつわるいろいろなトラブルに僕まで巻き込まれたりもした。

 始めはたどたどしかった彼女の日本語も、日本語のプロと学生生活をこなしていくうちにこなれていき、一年も経つとずいぶんと上手くなった。そして留学してから一年ちょうどで祖国に帰って行った。

 マキアは天真爛漫な性格で、一年で姉のクラスの全員と仲良くなったと言っても嘘にはならないだろう。僕も出席したお別れ会ではクラスメイトのほぼ全員が泣き、別れを惜しまれつつ去って行った。

 去年呼ばれた姉クラスの同窓会でも、誰かがまるで漫画のような一年だったと言っていたがその通りだと思う。


 そのマキアは今年も同窓会のために日本にやってきた。こうして僕の前で可愛らしい笑みを浮かべているのがその彼女だ。

 意外とお喋りな彼女の柔らかそうな唇が開けば、一年でマスターした日本語が飛び出すだろう。

 ただし、ちょっとおもしろいのが、


「見つけたんやったら呼んでーや。あんたしょうゆみたいに存在感薄いから探すの大変や」

「誰がしょうゆ顔だ誰が」

「しょうゆ顔とは言ってへんで?」

 一年で上達した日本語が関西弁だったという事である。


 これは姉の高校が全国からまんべんなく学生が集まる特殊な高校で、初期にマキアとたまたま仲良くなったクラスメイトの一人が神戸出身だったからだ。漫画のお姫様みたいな見た目とのギャップが凄まじい。

 マキアは僕と同じく標準語使いの姉とも親しく、マキア・姉・神戸娘の三人で良くつるんでいたのだが、なぜか標準語には全く染まらなかった。それどころか当時姉まで若干神戸娘に感化されたような口調になっていた。関西弁恐るべしである。

 しかも留学を終え帰国してからも姉と神戸娘との交流はSkypeで続いているらしく、今やどこに出しても恥ずかしくない完璧な関西弁になってしまった。その神戸娘によると、標準的な関西弁と神戸の関西弁は違うらしいが……どうでもいいけど標準的な関西弁ってなんか矛盾しているように聞こえる。

「あれ?お出迎えりゅーすけ一人なん?えー?みなみちゃんは?あきほちゃんは?2-Cのみんなは?」

「用事があって来れないって。あいつら連絡してないのかよ」

「うそうそ知ってるって。ちょっと言ってみただけやって」

 そしてこの面倒くさい性格である。ニヤニヤしながら人差し指で眉間をつーんとしてくる。骨の髄までコテコテの関西人になってるんじゃないかこいつ。因みにりゅーすけとは僕のことだ。みなみちゃんは例の神戸娘、あきほちゃんは僕の姉である。そして、マキア・姉・神戸娘のクラスが2-C。

「しかめっ面しなやりゅーすけ。“ノ・マリタリュド・ケヌラ・タ・アミラマ“やで」

 そう言ってマキアは僕の左肩を指でつーんと突いてくる。「お、なんか体鍛えた?去年まであんなにヒョロヒョロやったのになあ」

「の、のまり?……って誰がもやしっ子だよクソッ!」

「“ノ・マリタリュド・ケヌラ・タ・アミラマ“。直訳すると笑顔は死を相殺するみたいな意味やな。あともやしっ子とは一言も言っとらんで?」

 ホームステイ中散々こうやって弄られた思い出が蘇りそう。

 しかし、この突然母国語のことわざを披露するところも、わざとらしくきょとんと首を傾けるしぐさも、

「中身かわんないなあマキアは」

「そういうりゅーすけこそ。大学入ってなんかいっちょまえに鍛えよるけど中身は全然変わらんね」

「マキアはまた綺麗になったじゃん」

「あ? 弟みたいなやつに言われても嬉しゅうないぞボケ」

 怖い怖い!豹変し完全にそっちの道の人みたいな仕草で詰め寄ってくるマキア。みなみ先輩は一体彼女に何を教えているのだろうか。昔はこうやって褒めると動揺してくれて面白かったんだけどなあ……

「近い!鼻息荒い!折角の美人が台無しじゃねーか!」

 それを聞いたマキアは変に凄ませていた顔面を解いてにっこりと笑う。

「ほんならとりあえずいこか」

いこかでいこかーたっちしていこかーと口ずさんで彼女は外に向かう。なんで知ってるんだよそれ。


 空港から出ているリムジンバスは半分ほど空席だった。

 僕とマキアは一番後ろの席に陣取る。これからこのバスで新宿のワシントンホテルに向かう。そこで荷物を置いて、同じ新宿の居酒屋に連れて行くまでが今日僕に課せられた仕事だ。

 居酒屋では、姉たち2-Cのクラスメイトが待ち構えていて、マキアが来次第『第四回2-C同窓会』が始まる手はずになっている。姉らはその準備で来れないと言う事らしい。去年同じ事してしっかり迎えに行っていたんだが……今年は気合の入り加減が違うと言う事だろうか。ちなみに去年と同じく僕の参加も勝手に決められている。もう2-Cのクラスメイトみたいなもんでしょとは姉の言葉。

 リムジンバスの中で、僕とマキアはこの一年何があったか話した。僕の受験話に始まり、2-Cの就職活動の状況。マキアの大学での研究のことや、姉に極道モノのドラマを勧められたこと。みなみ先輩が高校から付き合っていたという同じ2-Cのクラスメイトと結婚したこと。その新郎が意外なヤツだったことなど。元凶は姉か……

話しているとあっという間に新宿についてしまった。


 ホテルの部屋に荷物を置いてきたマキアを連れて、夜の新宿に赴く。もう三月だというのに真冬のように冷え込んでいた。マキアはキャップとサングラスを装備し、あまり目立たないようにしている。あの留学から五年経った今でも、かの国の髪も肌も白い人間というだけで好奇の目で見られる。それがマキアはあまり好きじゃないらしい。その立場を想像すると気分が悪いのはなんとなくわかる。勝手にスマフォ向けられて写真撮られたりするし。

「なんかお忍びの芸能人とマネさんみたいやな」

「その格好良いけどちゃんと見えてんのか?」

「だーいじょうぶ大丈夫。案外見えるもんやで。そこらじゅうひかっとるし」

 確かに夜の新宿は明るい。だがその分人通りも多いし、何よりそのサングラスでは、

「わっ」

「おっと」

 光ってないところは本当に見難くなる。マキアは足元が見えないせいか小さな段差に躓いてこけそうになったのだ。慌てて肩を抱き起こす。

「言わんこっちゃないな」

「あーびっくりしたわー……ありがとうなりゅーすけ」

「ん」

 マキアという人間も大体こんな感じだと思う。天真爛漫自信満々と思いきや変装し好奇の目から逃れようとするし、少し目を離せばこけたり、意外な脆さや危なっかしい面が見え隠れする。

 誰かが支えてやらないといけない、と思う。

 その時、聞き慣れない着信音が聞こえてくる。

「あー?」

「これマキアの?」

「せやで。うわっ、父上からや。ちょっとごめんな」

 彼女はこそこそと小さく手刀を繰り出して僕から少し離れてから通話する。なんだそのサラリーマン臭い動き。

 そんなことしなくてもどうせ解らないんだけどなあ。どうしたんだろうか。

 彼女は、十分ほどして戻ってきた。

「行こうか」

「うん」

 こういう時はあんまり根掘り葉掘り聞くのも良くないなと思ったので、訊かないでおいたのだが、

「なんかな、父上私のこと『雪』って言っとった」

「へ?」

 どういう意味だろうか。確かに髪も肌も雪のように白いが、それは彼女の国では当たり前のことだし……

 あれ、でもあの国って雪降らないんじゃなかったか。お陰でその国で発掘された古代の人造言語にも雪を表す単語が無くて……

 何か特殊な言い回しをしていた気がする。なんか五年前にマキアに教わったような……なんだっけ。

 うんうん唸って考えているうちに居酒屋についた。


「かんぱーい!!」

 グラスが打ち鳴らされる音が響く。年に一度の同窓会が幕を開けた。

「みなみちゃんちのチャウチャウ!やーんかわええなあ!」

「いやチャウチャウちゃうから。名前がチューチューなだけでダックスフンドやから」

 今マキアはみなみ先輩のチューチューに籠絡されている。それに冷静に突っ込んでいる巨乳ショートボブがみなみ先輩。字に起こすと両方関西弁で分かりづらそうな会話だ。

「ねーちゃん」

「ん?なんだ少年」

 僕は豪快に生中を呷っているポニーテール――姉に先ほどのことを相談してみた。

「『雪』なー。確かになんか教えてもらった気がするね」

「覚えてないよな」

「そだねー。なんかマキちゃんの名前に関係あったような気がするけど」

「あ」

「えっなんか思い出したの?」

「いやいやそういやそうだったなあと」

 そうだ、名前が入ってたんだっけ。確か比喩みたいな感じで。

「何とかの何とかって感じだったっけ」

「おーそうだそうだ良く覚えてるな少年」

 マキアのちゃんとした言い方は確かマキアルデニ……姓名のうちこっちの方だったような気がするんだけどどういう意味だったかな。

 ヒントをもらった姉に一言礼を言って自分の席に戻る。

 マキアはまだチューチューに籠絡されていた。


 マキアが居なくなったのは同窓会が終わり全員が居酒屋から出てきた直後だった。

 全員がちょっとしたパニックになったが、姉のスマフォにメールで『ちょっと気分転換にぶらぶらしてからホテルに帰ります。』と連絡を入れてきていたのを発見し、一同が安心して解散になった。

 明日はマキア・姉・みなみ先輩で観光をして夕方に飛行機に乗って帰ると言う予定だ。

 姉と一緒に電車で帰りかけたところに、僕の方にマキアからメールの着信があった。

 どうせ『明日も来い』とかなんだろうと思って開けてみると


差出人:マキア

宛先:龍介

件名:きて

私が死ぬ場所に、一人で来て。



 一瞬頭の中が真っ白になった。

 自殺?なぜ?父親からの電話が原因?

 次々と疑問が噴出し慌てて姉に相談しようとしたが、危ない所で思いとどまった。

 『一人で』と書いてある。姉に見せればまず間違いなく付いてくるだろう。

 警察に行っても結局一人で行く事にはならなくなるだろう。

 『一人で』というのは何か破ってはならない絶対のルールに思えた。

 そんなとき、

「あああああああああ!!!」

 突然の姉の咆哮がホームに響き渡る。予備動作なしに十センチ以上飛びあがってしまった。

「なんだよ急に!」

 このクソ大変な時に!あ、まさか見られた?嫌な汗が全身の毛穴から噴き出る。

「思い出した!『雪』の言い回し!」

 マジかよ!今どうでもいいわ!と口に出そうとして、やめた。次の言葉が決定的なヒントとなったからだ。

「『水の死体』だ!」

 あっ。

「ねーちゃん俺ちょっと用事思い出したわ」

「あ、うんいってらっしゃい」

「軽い! でも行ってきます!」

 電車を待つホームから駈け出して行く。『マキアの死ぬ場所』は駅から目と鼻の先にある施設だった。


 スノーヴァ新宿。

 人工雪を使う、つい二年前に出来たスキー場だった。


 マキアの国の公用語には独特な規則性がある。

 その民族が持つ考え方に直結したものなのだが、それを『生死法』という。

 全てのものに生と死を見出すのだ。

 もちろん生き物については普通に生と死で考える。

 しかし、物や現象に対しても生死を定義し、どちらの状態を指すかによって単語が活用する。

 火などはわかりやすい。燃えていたら生、消えれば死である。

 生きている火は『ノ・コリリアネ』死んでいる火は『ノ・コリリノム』

 水の生死は流れるか流れないかで決まる。

 流れる水は新鮮で『生』。流れない水、つまり氷はその逆で『死』である。

 生きている水は『ノ・マキアルデニ』死んでいる水は『ノ・マキノルデム』

 雪は氷と同じく『死んでいる』水である。

 しかし雪という死んでいる水を『マキノルデム』で表すと氷と被ってしまう。

 かの国には雪というものが存在しなかったのでそれでも不都合はなかったが、一つの国家として国際社会の一員になり、外の知識の流入と共に新しい呼び方が付けられた。

 それが『水の死体』、『アミラム・ケ・マキアルデニ』

 マキアが父親に電話で言われた言葉だった。


 マキアはそのスキー場に居た。

 ベンチに座って人も疎らな室内スキー場を眺めている。

 この新宿で唯一雪がある場所だった。

「教えた事覚えててくれたんやね」

 こちらが声をかける前に足音で気付いたのか、振り向いて暖かな笑みを投げかけてきた。僕はベンチに座りつつそれに返す。

「半分くらい忘れてたけどな」

「酷いなあ」

 ケラケラ笑いながら言う。精神が参っているという訳ではなさそうでひとまず安心する。

 だが、ちゃんと言っておかないといけない事はある。

「あのさあ……なんなのあのメール」

「ごめんな」

 どこか申し訳なさそうな笑みで、視線を伏せて呟くように言う。

 一応自殺を仄めかすような書き方については本人も反省しているようだ。けど、

「本当に危ない時に伝わらなくなるから今後ああいう書き方は絶対しない事。いいな?」

 マキアは黙ってコクンと頷く。

「……で?」

「うん」

 返す声が震えていた。

「何か言いたくて呼んだんだろ?」

「うん……う……ん」

 胸のあたりに軽い衝撃。

 眼下に、マキアの白い頭があった。

「ごめんな……ちょっとこのままで居させてくれへんかな」

 答える代りにその白い頭をなでてやった。

 マキアの呼吸が乱れ、やがてくぐもった泣き声が聞こえてくる。


 『アミラム・ケ・マキアルデニ』に使われている『アミラム・ケ・(名詞)』は『(名詞)の死体』と訳される。

 しかし、この名詞の代わりに人名を入れるとどうなるか。

 名前を呼ぶ代わりに、この『アミラム・ケ・(名前)』を使うだけで、お前は『私の子として』死んだのだという意味になる。

 つまり、親が子に対し、『お前を勘当する』と告げるのに使う独特の言い回しになるのである。


 そもそもの話、マキアの父親は留学に対して賛成していなかったらしい。

 ティーチ家は貴族の家庭であり、政略の為に将来マキアを結婚させる相手も決まっていた。

 かの国の古い考え方では、女を旅に出すと行き先で純潔を失ってくると言われている。当然結婚相手として適当でないとみなされ破談になる。

 とはいっても、そもそも政略結婚自体が古い考えなので、マキアとその許嫁との結婚も形式上のものになるはずだった。今の時代それが主流だったし、現に向こうにはすでに妻子がいるらしい。

 だが、マキアの父親は『古い考え』を持つ人間だったのだ。

 留学した後も毎年のように日本に旅行に行くような娘をティーチ家の娘としておくわけにはいかないと判断した。

 勘当の結果、マキアは色々なものを失う事になった。

 ティーチという苗字、大学の籍、祖国での就職。


「もううちどうすればええんやろ」

 マキアは既に落ち着いていて、いじけるように足元の雪を靴で掘り返している。

「亡命するかして日本国籍所得すれば」

 かの国ではもう就職も絶望的らしいので、普通に考えれば彼女は日本語が喋れるので日本の国籍を取得して、日本で就職すればいいと思う。そこらの詳しい事はその道のプロであるうちの姉に訊けばいい。

 だが、そんな提案を無視して彼女はこう言い放った。

「めんどくさい。りゅーすけ、嫁にして」

「そんな理由で結婚していいのかよ」

 まあ個人的には願ってもないことですけども。

「どっちにしろ今日この時間にはりゅーすけに告白するつもりやってん」

「またまた」

 何で信じてくれへんのと恨みがましい目で睨まれたが、しょうがない。

 本当は気付いていた。ホームステイしに来てたあの頃から。

 しかし、本当に前から好きだったことを、今日告白するつもりであったことを証明できないのなら、それはお互いの為に良くないと思う。もう全部忘れてOKしてしまおうかとも思ったがぐっとこらえる。

「証明できたらもらってやろう。証明できたらな」

「よし、ゆうたな」

 彼女は懐から何かを取り出す。

「この封書消印書いてあるやろ。こっち来る前に自分で自分に送ってん」

 日付を見ると当然五日ほど前のものだった。

「今からこれ読み上げるからちゃんと聞いときな」

「ちょちょっとまって、何が書いてあんのそれ」

「らぶれた」

 彼女は顔を真っ赤にして読み上げた。

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