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2.主語と述語

○日本語文法の参考書は三社しか並んでいなかった。


 私は長らく感性だけで文章を書いてきました。文章の構造という、ちょっと詳しいところで解説をされると何を言われているのかさっぱり解からないのです。中学で習うような事柄と言われ、はてと思い返してみれば、中学の頃に文章を書く志など持っていなかったから、鼻をほじりボケッと外を眺めている間に聞き流してしまったようなのです。おかげで文法もへったくれもない自己流文章を長らく書いていました。意味が通じれば良い、という荒っぽい考えです。

 最近になり、これではイカンと改心して色々と調べ始めました。ネットには小説の書き方講座が山とありますが、主語と述語の関係だとか、そんな基礎はどこにも載っていません。思い余って「じゃあ教科書買ってやる!」と本屋へ行けば、日本語文法を扱った中学生向け参考書はわずか三社の刊行分しか置いていなかったのです。代わりに本棚を埋めるのは英語の文法教本でした。日本のワナビは英語圏で出版せよとでも言いたいのでしょうか。

 中学で聞き逃していたら、貴方は一生、正しい日本語の文法を知らないままかも知れません。


○文章の成分。(文節・五種類の文節)


 『文章』というのは小説なら丸々一作の小説の初めから終わりまで、論文もまるまる全部、一作全体を指す単位です。『段落』についても教科書で習っていたんですねぇ、「文章の中で内容ごとに区切られた一まとまりを段落と言う。」と書いてありました。読みやすく、で行間を開けたりしているうちに人々の意識から、基礎がすっぽ抜けたようです。よく、区切りはどういう基準で付けるのかという質問が聞かれますけどね。

 『文』という単位になるのは句点で終わる文字通りの一文。その次に『文節』というものがあります。で、一番最小にまで分けられたものが『単語』となっています。どうやら『文節』が重要なようです。

「赤い」「屋根は」「教会の」「屋根です」。

 これが文節で区切った一文になります。この文節が互いに関係し合って、主語、述語、修飾語、接続語、独立語として文の中で働いています。これを文節の係り受けと言います。

「ぼくは」「出かけた」。なら、「ぼくは」が「出かけた」に係っていて、「出かけた」は「ぼくは」を受けているという関係になります。

「ぼくは」【「先週の」「日曜日に」】「出かけた」。

 これだと、【「先週の」「日曜日に」】は連文節となって、「出かけた」に係っています。「先週の」は「日曜日に」に係るんです。そして、二つまとめて「出かけた」に係るわけです。基礎です。

 これが解かっていないと、誰かに詳しい批評をしてもらってもチンプンカンプンになったりします。

 基礎です。

 どんなに複雑な文も、下の五つの成分の組み合わせで出来ています。


●主語=「なにが(誰が)」と、文の主題を示す部分。

●述語=「どうする・どんなだ・なんだ・ある・いる」と、主語が直接つながる部分。

●修飾語=後に続く文節をさらに詳しく示す部分。

●接続語=前の文や文節をあとに繋ぐ部分。

●独立語=呼びかけや感嘆の声など、独立している部分。

 

○文章内の相互関係。(倒置・省略・命令)


 主語と述語の捉え方ですが、通常、述語は文末に来ることが多いので、これを押さえてから対応する主語を探すと良いらしいです。悪文になる原因の一つですが、修飾語というものは必ず被修飾語の前に来るのに、後ろに来ているというケースがあります。また、後ろの文節に係っているのか前の文節に係っているのかはっきりしないケースも。そして、主語と述語の距離が離れるほど、読みにくいと感じさせる傾向が強いのです。


●倒置=本来、最後にくるはずの述語が最後ではない状態の文のことです。

●省略=成分のどれかが故意に省かれている状態の文のことです。(国歌の、苔のむすまでの後の部分など)

●命令=ニュアンスに強制を含む文です。(「午前中にお願い。」などは命令形になっていなくても前後の文によっては命令になる)



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