2.心の論理武装
○読んでもらえないのは当たり前と思うこと。
ピクシブに投稿されている小説作品数は何十万点にのぼりますか?
ピクシブに限らねば、Webで、無料で読める小説作品は本当に星の数です。億では利かない数があるんじゃないでしょうか。青空文庫に行けば、少し古臭いですがプロ作品や文豪の作まで読み放題です。
つまり、文法もなっていないシロウトの作品など誰も読んではくれないという事です。物事を正確に判断する思考を持ちましょう。面白いか面白くないか以前の問題で、パラパラとめくった時に興味を引かないような作品は、どれほど内容が感動的だろうが面白かろうが、誰も立ち止まって読んでなどくれない時代だって事なんです。
「誰も読んでくれない……、」
そんな悩みを持つことが、そもとんでもない勘違いだと知ってください。
当たり前の事なので、落ち込まないようにね。
○面白くないのは才能がないからじゃない、書き方を知らないから。
誰もが最初からすらすらと流麗な文章を書き綴ることが出来たわけではありません。沢山の文章を読み、ちょっとしたコツに気付き、そのコツを取り入れ、さらに沢山の文章を自らも書いてみて、そうしてようやく現在に辿り着いているんです。試行錯誤と勉強、練習の積み重ねによって、書けるようになったのです。
読んでくれる人がいないと、素通りされているような気がしたり才能の無さを思ったりするものですが、そんな事が原因ではないのです。30秒ー3分ー30分、という雑誌社などでお馴染みだという法則があります。読者はまず30秒だけ注視してくれて、3分ほど目を凝らしてくれ、それで面白そうだと思えば30分、最後まで付き合ってくれるという数字です。つまり、最初に目にするタイトルで注意を引き、紹介文の3分で興味を持ってくれれば、30分間で記事の内容をすべて読んでくれるという意味になります。今の時代は作品が溢れかえっています、内容で勝負などという時代ではないんです。タイトルも、凝りに凝らねば相手にもしてもらえないんです。
こういったノウハウや現実を知っているかいないかの違いがまずあるのです。そして、ノウハウを知らない者は競争のスタートラインにすら立てないという厳しい現状があるのです。内容はその次、もはやそういう時代なのです。
○初心者の書いた小説は、漫画でいう絵コンテ状態。
漫画を描く手順というものはご存じでしょうか?
まず真っ白な紙を前にして、漫画なら絵コンテを切るところから始めます。絵コンテの後には、下描きをしなくてはいけません。ラフ画で大まかなラインでもってデッサンを取り、それから改めて下描き用の細かな描画を起こすはずです。
北斗の拳の漫画家先生が、三種四種の色鉛筆で下絵を描かれるという話があります。あまりに細かい描画を行うので、いちいち消しゴムで修正していられないからだ、という理由だそうです。これとまったく同じような工程を、小説においても行うことになります。肉付けとか削るとか言っている事柄がそれに当たります。漫画やイラストを描くのと同じように、小説も沢山の行程を経て書いているものだという事をまずは理解してください。下描き用エンピツやら消しゴムやら定規やらと言った、道具の類は不要だというだけの違いです。さらさらと書けると思ってしまうと、エライ目に遭います。
小説にも行程があり、初心者の書く作品は得てして作業途中としか思えない段階で止まったまま、本人は完成品だと言っていたりします。カタチにしただけで自己満足に陥っているモノが多いのです。他人が読めば、それはただのメモ帳であったり、絵コンテであったりします。下描きさえ入っていない、人によってはラクガキとしか受け取りようがない状態なのです。それを読んでもらうのは、正直に言って無理です。さらに言うなら、完成形の漫画作品であっても手に取らない場合があるでしょう?
貴方自身の経験を紐解いて、思い出してみてください。ここピクシブでは多数の作品がアップされているのを御存知でしょう。けれど、貴方自身はその作品のすべてに目を通そうと思いますか?
目に付いた作品だけ、気になった作品だけ、のはずです。作者の側に回ると、どうにもこの辺りの感覚を都合よく忘れてしまうのです。
苦労して書いた、一生懸命に書いた、それは他人を呼び寄せるための力にはなりません。
「面白そうだ、」と感じさせるものだけが、他人を呼び、評価を貰える事に繋がるのです。