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3.初心者にありがち

 初心者がやりがちな事柄を列挙してみます。

 ●情報の得捨選択が出来ていない。

 ●情報の優先順位が解かっていない。

 ●情報の不足。

 ●一文における情報の詰め込み過ぎ。

 ひとつずつ解説してみます。


○情報の得捨選択が出来ていない。


 これは、例えばヒロイン登場時にヒロインの容姿については非常に詳しく、何を着ているかとかどんな顔形かとかをこと細かに書き記しているのに、肝心の主人公の容姿は一切書いていない、という片手落ちが発生している状態の事です。

 これは、本当に「片手落ち」という形容が相応しく、情報というものはぜんぶを書くべきじゃないんですね、大前提で。「その場面で必要な情報を過不足なく描写する」ことが必要なので、書き過ぎても駄目だし、足りないのも駄目。この場合、ヒロインが書きすぎか、ヒーローが書かなさすぎ、なんです。


○情報の優先順位が解かっていない。


 これは、描写するにも順番があるっていう意味ですね。けれど、その順番に正解というものはないんですよ、だから小説の書き方というものはマニュアル化が出来ないんですが。まずは主人公を、とか、まずはその世界背景を、とか言いますが、作品ごと、構成や演出でここは変わってしまいますからね。

 だからこそ、最初に述べた「設計図」が必要不可欠だという事にも繋がります。全体を先に考えていなければ、最初に何を出すべきかさえも解からないんですね。そういう繋がりになってます。


○情報の不足。


 これは、単純に「描写不足」と言われる状態のことです。批評とかしてもらうと、たいていの初心者さんは言われてしまう言葉です。得捨選択とも繋がってきますが、ヒロインの情報は充分なのにヒーローの情報は不足しているって書きましたね、上で。それが含まれます。ヒロインの情報があるのはまだイイ方で、もっとヒドイ状態の人だと何にもないって事さえあります。台詞が羅列され、その台詞も誰が言ったのか解からない、何を言ってるのか解からない、そんな状態。厄介なことに、書いた本人は情報が足りないって事にはなかなか気付けないんです。メモ帳に、テキトーに書きとった事柄でも、書いた本人は何を書いたか解かるでしょう? けど、他人には暗号としか思えません。書く側は、読者が知りたい情報を書かねばなりません。別にどうでもいい情報は書かないという事も必要です。何が必要で、何が不要か、それを考えるのもやはり、最初の設計図がないと難しいんです。

 上にあげた3点を自分でチェックする方法はとても簡単です。まず、市販の一般的な小説を一冊読みましょう。出来たら比較する作品と同じカラーの作品がいいです。で、その延長で、時間を空けずにすぐ、自身の作品も読んでみてください。何かを感じるものです、普通は。自身の作品の未熟さ加減とか。真似をしろと言ってるんじゃありません、比較した上での、スカスカだとかクドイとかの読後感を持ってください、という意味です。

 両者を比較して、自身の作品にどれだけのモノが足りないかを実感出来なければ、まず心構えから変えねばなりません。プロ作品と比較すんのが間違ってる、なんて思う貴方の心が間違ってますから。


○一文における情報の詰め込み過ぎ。


 これは、上で書いた描写不足とはまったく別の現象ですから、混ぜないように気をつけてください。読みやすい文章というところに掛かってくる項目になりますが、装飾を沢山する作者ほど、この状況には陥りやすいので特に気をつけてください。これは例文を上げてみた方が解かりやすいですね、では。

『逆手に持ち替えた剣は敵の心臓に突き刺さり、背後に派手な血飛沫を吹き上げつつ胴体の重みを俺に伝えてくる。』こんな感じ?

 ちょっと私は書かないタイプの文章なのでちゃんと例文になってんのか自信がないですが。まだ甘いですよね、もっと混沌としてワケの解からない文章ですよ、本物は。(笑


 これを分解すると、4つの絵に分かれます。

「逆手に持ち替えた剣」「心臓に刺さってる剣」「背中に血飛沫ぶしゃー」「胴体がずしー」です。

 ですが、最初の文章だと、背後にってのが誰の背中なのかが曖昧ですし、誰の胴体なのかも明言していません。まぁ、読解力でその程度は読めんだろ、てのが私の正直なトコの感想ですが、この場合は例文が悪いですね。

 読解力! これがまた、厄介な要素の一つなわけです。そう、情報が過不足あったとして、人によっては大丈夫だったりダメだったりするんです。このビミョーな例文ですが、人によって、きちんと場面を浮かべられる人と、混乱しちゃう人とが居るんです。

 話を元に戻します。情報を詰め込みすぎた文章というものは、読者に要らぬ負担をかけるばかりでなく、作者の側でもトータルでは描写が足りない、という現象を生み出しかねません。文章を書く時は、出来るだけ混乱が少なくなるように書くことを心掛けてください。上級編へ行きますと、この読解力の錯覚を利用することで、物語に深みを与えたりという技術もあります。100%で伝えないという技術を利用して、読者に深読みをさせる事でアレコレやらかすんですね。まぁ、それは余談ですが。



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