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文芸少女とオカルトな日々  作者: 亜莉守
一章:学園幽霊騒動
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第二頁



レフェル様・レックス様、感想ありがとうございました。






二年生の教室・・・隣の空き教室


「よし、ここか」


部室を出た明日夏が件の幽霊が出たという場所に来ていた。


「とは言えぼくに霊感があるかというと無いんだよね」


明日夏が頭をかいていた。随分と考えなしにこの場所へ来たようだ

そんな彼女の反対側のドアから一人の少女が入って来た。

黒く短い髪に金色の目、病的なまでに白い肌、赤い縁の眼鏡がとてもよく目立つ。黒猫のぬいぐるみを抱えた彼女が明日夏の存在に気が付いて苦々しげな表情を浮かべた。


「うげ、人がいたのかよ」

「君は一体・・・・・」

「二年二組 井上遠子だ。探偵部の卯月明日夏」

「井上・・・・あ、文芸部の井上か」


井上遠子は知る人は知っている変わり者の少女だった。学校の怪談の出るところに現れたり、彼女の周りには妙なものが居ると噂されていたりしていた。


「で、探偵部が出張って来たということは大方生徒会が問題解決を依頼したんだろ?」

「よくわかったね。そういう君は?一体ここで何をやっていたんだ」

「・・・物書きの性かな、事件があると様子を見に来たくなるのさ」

「そうなのか」


なるほど納得がいったと目を細める明日夏、そんな彼女の表情も知らずに井上は一点を凝視していた。


「どうした? 井上」

「・・・・いいものを見させてもらったよ。次回の部誌はこれで決定だな」


井上は嬉しそうに教室を出て行った。気になった明日夏が井上の見ていた辺りを見てみると・・・・


「っ?!」


――――――――半透明(,,,)の短い茶髪に白いTシャツに赤いスカートの少女が浮いていた。


                         ▽


文芸部部室

誰もいないはずのそこに紅茶の香りが漂っていた


「またアイツか」

『いいんじゃねーか?退屈はしないぜ』


扉を開けるとそこにはハニーブラウンの髪に茶目っ気の多そうな紫色の目をしたつなぎ姿の少年が物憂げにティーカップを眺めていた。


「やあ黒猫コンビ」

「また来たのか?健崎」


彼の名前は健崎隼人けんざきはやとこの学校の用務員を務めている。高卒で働いているらしく現在十九歳、ただし見た目は十六歳ほどでさらに中性的な外見から生徒にも見えなくはない。


「紅茶はいかが?」

「貰う、で?何やっているんだ」

「さぼり」


彼には妙な趣味があった。それがサボり、サボることに生きがいを感じているらしい。


「ところでだけどな、健崎も見に行ったか?「幽霊の出る教室」」

「まあね、でもさあれって幽霊じゃないよね」


では何なのか、それを言わずに紅茶をすする。


「みたいだな。ま、面白い題材にはなりそうでよかったがな」


井上は言わなくてもわかっているらしい、そのままにやりと笑った。


「相変わらず根っこからの物書きだね」

「いいだろ、おれは書くことが生きがいなんだからな」


二人と一匹の茶会はこうして過ぎていく。


ちなみに余談、「人がいないはずの文芸部室」という怪談が存在している。

その真相は・・・・まあ言わなくても分かるであろう、この三人(?)が茶会をしているせいだ。

そんなわけで知らず知らずのうちに怪談は出来上がっていく事を努々お忘れなきように




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