第二章~陽光のすっごく難しい話①~
「まずこの資料に書いてあることについて
君にも分かるように噛み砕いて話そう」
「いやいや。完璧とは行かないまでも俺だってちゃんと分かったぞ」
くやしくなって少しだけ抗議してみる
「いや、間違いなく君は誤解しているだろうし
これは僕の頭をもう一度整理するためでもあるんだ
とりあえずおとなしく聞いていてくれ」
・・・うむ
陽光がそういうなら俺は黙って聞いていてやろうじゃないか
絶対勘違いなんてないんだからな!!
もしあったらカンチガイ野郎って呼んでもいいぜ
「ほう。君は自分からカンチガイ野郎と呼ばれることを望むんだな」
なんてことを言いつつ再び話し始めた
━━まずこの資料に書いてあることは大きく分けて3つある
1つめは魔術が発動する原理
2つめは魔術に必要なモノ
3つめは魔術の発動に適した時期、だ
1つめの原理についてだが、この説明を読む限り
どうも現代の科学では解明できないようなことが書かれている
これは誰が見てもあり得ないことだ
まぁ当然と言えば当然だ
魔術が発動すること自体現代ではありえないということになっているからな
2つめの必要なモノだが
魔石とか術者の血液とか魔方陣とかそんなものは特に必要ないらしいな
ただ、僕らはちょっと出かけて契約のようなものをしなければいけないらしい
最後だ
時期は星が輝き、湿度が78%以上、気温が30度以上だそうだ
つまり日本だと夏の夜が一番適していることになるらしい━━
そこまで陽光は一気に話したあとで何か質問はあるか?という
「説明の中にあった『僕ら』っていう表現がすごく気になるんだけど」
「気になる意味が全く分からない」
即答だ
「いや、だから何で俺まで巻き込まれてる感じになってんの?」
陽光はあぁそこかよというような顔してから得意げな顔でこういった
「僕と君は親友だろう。それに僕の部屋に入った時点で既に君に拒否権はない」
・・・うわぁ
こんな嬉しそうな陽光の顔は久しぶりに見た
・・・ふむ、拒否権がないと来たか
予想はしてた
こいつは頭がいいけどその割に肝心なところで頭が悪い
すごく矛盾してることを言っているようだが
残念ながら陽光に関してはこう表現する以外に適切な表現がない
「まぁいいや。じゃあ俺も協力するよ」
「今君は協力すると言ったからな?言ったからにはしっかりやれよ」
へいへい
地獄の果てまで付き合いますよ
「さて、では君には"カギ"を作ってもらおう」
━━鍵?
何の鍵だろうか
陽光くらいになるとどこの家に入るにも
針金さえあればピッキングくらい出来るはずだけど
「君は本当に馬鹿なんだな。
僕は幼稚園児に分かるように説明してやるほど優しくはないぞ」
・・・ホントこの口の悪さがなければもっと快く協力出来るんだけどなぁ
「仕方ないから一度だけ説明してやる。ちゃんと理解しろよ」
なんてことをいう
大丈夫さ、陽光が俺に分かるように説明してくれたらな
━━そう言うとまた陽光は"カギ"についてのすっごく難しい話を始めた━━