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第一章~事の発端①~

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


何で今日に限って暑いんだよ


昨日は曇りだったじゃないか


俺はそんなことを思いながら仕方なく学校に登校した


別に学校が嫌だったとかそういうわけじゃない


暑い中朝から汗を流しながら歩くのが嫌なだけだ


しかも月曜日となるとさらに面倒に感じる


・・・何で夏ってこんなに暑いんだよ


同じようなことを延々と考え続けているうちに学校についた


もちろん小学校はクーラーもなければ扇風機だって特別教室くらいにしかない


俺はいつものように担任が来るまで机でグダってようと思い、自分の席に向かう


そこで異変に気づく


親友の陽光がいない


俺が登校する時間帯にはとっくに登校していて


俺の左の席に座って読書をしているはず


どうしたんだろう?


そう思ってるうちに担任が教室に入ってきた


だけど陽光は来ない


1時間目が始まっても来ない


1時間目が終わっても来ない


2時間目が始まっても来ない


・・・アイツ、風邪でも引いたのかな


そんなことを考えていると


「君が考え事なんて珍しいな。馬鹿には悩みなんてないと思ってたんだが」


━━陽光だ


「べ、別にお前のこと心配してたわけじゃないんだからなッ」


・・・なんかツンデレっぽくなってしまった


まぁそれはよしとし━━


「何だ今のは。すごく気持ち悪かったぞ」


━━クッ・・・


流そうとしたのにどうやら彼は流させてくれないようだ


しかも下手に比喩を使わないせいで心に突き刺さる


「・・・お、俺が気持ち悪いのはいつものことだろ」


精一杯の抵抗をする


「で、陽光は何で遅刻したんだよ。


 夜中にいかがわしいサイトでも見てて寝不足なのか?」


いつも言われてる仕返しに少しトゲを含ませてみる


それに対して陽光は涼しい顔で


「それは君だろう?」


なんて返してくる


・・・む?


陽光の毒舌にいつものような猛毒が含まれてない


いつもなら


━━君はそんなことばかり考えてるから鶏といわれるんだ━━


とか言ってくる場面なはず


「まぁ寝不足というのは間違いではないし、


 実際不覚にも寝坊してしまったのも事実だ」


陽光が自分の失敗を話すなんて珍しい


熱でもあるんだろうか


「で、陽光、何してたんだよ」


さっきの違和感もあってそう聞こうと思ったが


それは陽光の言葉によって言う必要がなくなってしまった


「暇人の代名詞みたいな君のことだ、どうせ今日も暇だろう?


 放課後僕の家に来い。寝坊した原因が分かるぞ」


━━訂正


陽光はやっぱりいつも通りだ


悪気があるのかないのかよく分からないが生きる猛毒みたいなやつが陽光だ


どうもさっき違和感を覚えたのは彼が寝不足だったからみたいだ


ってことで俺は仕方なく追及するのをやめた


・・・まぁどうせ追及してたとしてもウナギみたいに逃げられるんだろうけど


「今君は僕に対して失礼な例えを使わなかったか?」


「キノセイダトオモウヨ」


精一杯の笑顔で俺はそう答えた


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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