プロローグ~前準備~
━━暑い
何でこんなに暑いんだよ
晴れてるわけでもないのに生温かい空気が全身を舐めるように通り過ぎる
いや、曇りだからこその暑さかもしれない
いやいや、もしかしたら一番の理由は移動中だからかもしれないな
もしかしなくてもそうだ
現在俺の足は全力で稼働中だ
なぜなら自転車をこいでいるから
こいでいる理由は本屋に行くから
何で本屋に行くかって?
そんなの決まってるじゃん
━━新刊の発売だからさ☆
・・・まぁ冗談は置いておいてだな
今必死に自転車をこいでいるのは約束に遅れそうだからだ
デート?
・・・ハッ
野郎二人でデートって・・・
悲しくなるな
折角の夏休み、今年も面倒なことに巻き込まれてしまった
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「遅いぞ。君は僕を待たせるのが好きなのか?」
到着そうそうこれだ
別に遅れそうだったけど結局は3分前についたっていうのに
「小学校で5分前行動というものを習わなかったのか?」
おー辛い辛い
今日も相変わらず辛口なことで結構
こいつは幼馴染で腐れ縁
なんだかんだ言って親友と呼べる存在かもしれない
悔しいがイケメン
だけど見た目とは裏腹・・・でもないかもしれないがかなり口が悪い
━━━僕は彼が優しい子だって知っているんだけどね☆
あ、忘れてたけど彼の名前は高藤陽光
読みは普通に「たかとうようこう」だ
個人的にはなんとなく珍しそうな、珍しくなさそうな、そんな名前だと思ってる
彼はどう思っているのか知らないが
「で、ちゃんと持ってきたのか?」
そんなことを彼━━━陽光が言う
「は?」
俺はわけがわからないという風に肩をすくめて見せる
「・・・はぁ・・・」
ため息をつかれても分からないものは分からない
陽光は頭を抱えながら考える俺を
まるでウジ虫でも見るような蔑んだ目で見る
君は暑さで脳がやられたんじゃないのか、なんていいそうだ
そして案の定
「前から思っていたが君は外見以上に頭が弱いんだな。まるで鶏だ」
・・・うん
予想してたよりもヒドイ言われようではなかったな
「で、俺は何をもってくればよかったんだよ?」
「少しは自分で考えてみろ」
即答された
というかもう十分考えたと思うんだけど
どれくらい考えたのか時計を確認してみる
・・・あれ?
おかしい到着してから10分とたってない
「本当に大丈夫か?」
陽光が心底呆れたような顔で見てくる
そしてやっと何を持ってくるべきだったか教えてくれた
「君がここに持ってくるべきだったのは、"カギ"だろう」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・あ
思い出した
「・・・やっば」
「全く君ってやつはどうしていつもこうなんだよ」
すっかり忘れていた
何で忘れたのか自分に疑問を持つほどにきれいさっぱり忘れていた
さて、ここで少し説明を挟んでおこう
今の状況を整理するとだな
①場所は河原で俺と陽光の二人がいる
②今は夏休みの真ん中くらいで時間は午後7時ちょい過ぎ
(読者様は多分日中だと思ってただろうけどな)
まぁこんなもんか
これくらいあれば想像もできるだろう
さて、説明終わり
じゃあさ陽光、と俺は話し始める
「これから"カギ"とりに行っても間に合わないぜ?どうするよ」
それに陽光はその質問が来ることが初めから分かっていたかのように、
━━いや、実際予想できていたのだろうが━━
答えてくれた
「そうだな。これくらいは君も分かると思うが選択肢は2つある」
「・・・え、うん、そうだよな」
・・・分からなかったけどとりあえず分かったフリをしておいた
「分かっているなら説明はいらないな」
言いながらニヤリと口の端を釣りあげながら笑う
・・・コイツ・・・
心の中ではうぜーとか思いながらも説明を聞かないと分からないので
「スイマセンデシタ。ボクハウソヲツキマシタ。セツメイシテクダサイ」
と言う
誠心誠意言えたと思う
なのに陽光は不満げにこっちを見ている
これ以上何が必要なんだ!!
そう思っているうちに時間がもったいないと判断した陽光は説明を始める
━━まず1つ目はまたの機会に延期するという方法
しかしこれは『またの機会』というのがいつ来るかが分からない━━
そこで陽光は一呼吸おいて話を続ける
━━だからこそ僕は次のほうをやりたいと思っているんだが
そっちは君が時間ぎりぎりに来た上にカギを忘れたとかふざけたことを
言っているせいで割と危険になってしまったが
予定通りこのまま続行するという方法━━
なるほどな
危険を伴ってまでやりたい、と
いや、もう待ちくたびれたってのが正しいのか
さて、俺らが何をしようとしているのか?
事の発端は結構前にさかのぼる
小学校の5年生くらいだから・・・
うーんと・・・
7年前のことだな
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小説書くのって難しいんだね
自分の文章構成能力の低さがにじみ出てると思うけど
悪いところは直していこうと思う
何かアドバイスとかあったら教えてくれると嬉しいな