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011 U-12/掲示板

2010年 4月


「U-12だ」


兄貴オダガワが言った。


ようやっと、ワシが出場できるのである。


浦賀IEMOからは、

ジョッシュ

ボンゴ

ワシ


そして、他チームで言えば。

新星、中平ナカヒラツトムがメインメンバーである。


「よろしくね、ジョン、ボンゴ」

U-12の顔合わせで、ナカヒラは顔見知りである二人に挨拶する。

「お前が仲間ってのは、変な気分だな」

「散々、やり合っていたからネ」

険悪ではない。


「それで、君がモモか」

「おう」


ただ、ワシがモモである事を確認して、ナカヒラは去っていった。


U-12。

ジュニアチャレンジリーグ。

将来のU-15の選考会も兼ねる、なかなか周囲の大人が緊張している試合でもある。


これは、相手チームの選手にとってもチャンスである。

U-12は連合軍であり、チーム連携には期待できない。

その意味では、チームで挑むことができる相手に一分の利が、試合前からある。

そして、試合内容でアピールできれば、

U-12もしくは、U-15のメンバーとして売り込めるわけだ。


「指示は何もない。お前たちの作戦立案能力を見る」


U-12監督を務める石原監督は、まるで監督失格な発言をして、ミーティングルームを退出した。

これはつまり、“先発メンバー”すらも、ここで決めなければならないのだ。


「前半は、ワシは出ない」

ワシは早々に先発メンバーを棄権した。

本当に棄権したのは、この場の主導権である。

ボンゴとジョッシュは、ワシが指示した場合、喜んでしっぽを振る。かつてはそうであったが、果たして。


「3-5-2。メンバーは……」

ジョッシュは具体策を言った。

恐らく、勝てる面子だと思った。

呼ばれたメンバーは、ジョッシュが監督でも何でもないのに喜び、呼ばれなかったメンバーはジョッシュを睨んでいる。


「4-5-1ネ」

ボンゴは、堅実策を提案した。

相手の情報が一切ない場合、守勢で敵戦力を分析しつつ、こちらの体勢を変更するのは合理的ではある。


「3-3-2-2だ」

ナカヒラは攻撃的な布陣を好むのか。

具体的に、どういった攻撃を展開するのか、というプランを提示した。

そしてそれは、ハイプレスを前提とした、要するに“IEMO潰し”としても流用できる内容であったので、ジョッシュとボンゴの顔色は相応に悪い。


そこからは、皆が皆、自分に都合のいい布陣を提案していく。

見とるか、監督。


「そういえば、モモ君。君はどう考える?」

ナカヒラは、意見が出尽くして、水掛け論に突入するタイミングで訊いてきた。

ノータイムで答える。

「さあの。何点失点しても、尻ぬぐいはしてやる」


「それで後半、君が出れば、あっさり得点できるって?」

「その通り。ワシがボールを持てば、一点入るくらいの気持ちでいてくれ」

本心である。

アニキを含めた浦賀トップチームとの練習は、確かにワシをレベルアップさせた。

こいつらが、どれだけ下らない理由で失点したとしても、

勝つ。



「石原、どう思う」

聞いてきたのは、U-15監督の渡辺だ。

ピッチに出てきたU-12の選手は、浮足立っている。

「別に負けていい」

「本心か?」

「当然」

サッカーの育成とは、フルイにかける事である。

“あなたは、サッカー選手になれません”と伝える行為である。

勿論、高校生や大学で頭角を現す者もいる。

だが、例外だ。


「4-3-3。オーソドックスだな」

「サッカーに、オーソドックスは無い」

「意外性が無いのがオーソドックスだ」

王道戦略と言うのは、汎用性が高い。

将棋の様に“同じ駒であれば同じパフォーマンスを発揮する”のであれば、サッカーの戦略はここまで複雑にはならない。

「その通り。そして、オーソドックスな戦略と言うのは、対策が立てやすい」

「戦う経験が必然的に増えるからな」


「さて、どうする? 若者」

石原がそう言うのを、

(ドSだな)

渡辺は黙って聞いていた。



前後半、30分ハーフ。

試合は開始された。


相手は、前期地区大会で準優勝したチームである。

ジョッシュとボンゴに射殺さんばかりの視線を向けている。

4-3-3という布陣となったのは、単純に意見がまとまらなかったからだ。

最大公約数の、いわば妥協の産物である。


前半10分までは、互いに動きなし。

ボールポゼッションで相手がやや上回る程度である。

リスクケアができない、戦略も意思疎通も不十分なのだから、前線からのプレスができない。

その結果である。


前半15分。

こちらのポゼッションが相手を上回り始める。

中盤での連動のギアが、少しずつ噛み合い始めた。

ジリジリと、こちらの配置が前ガカリになりつつある。

ジョッシュはそこに気が付き始めているが、チームのリズムを優先している。

比較的高い位置でパスのハブとして機能している。


ナカヒラは積極的に前線で顔を出す動きを多用しているが、向こうの守備連携を崩すには至らない。

ジョッシュ―ナカヒラ間のパスコースは事前に潰されている。

ベンチにいるワシにも、その苛立ちが伝わってくるようである。


ボンゴは守備側のフォローに回っている。

そして、それが上手く機能しているので、守備陣が偽りの安心を得ている。

このまま、ボンゴを引き釣り廻してスタミナ攻めをすれば、守備は崩壊するかもしれない。

だが、ベンチにはU-12に選ばれるような選手でひしめき合っているので、交換要員は十分である。

何処かのチームの様に、稼働人数4人で不戦敗になるような人材不足は起こりえないのだ。


このまま、前半が終われば、ワシがピッチに入って試合終了である。

それでも良いが、

「前線でナカヒラをフォローする人数が増えれば、有利になるんじゃないか?」

ベンチ内で一人がそう言うと、いくつか賛同の声が上がる。


実際、現時点で攻撃陣が十分機能しているとは言い難い。

ナカヒラが中央に陣取り、彼としては他二枚にフォローしてもらう。

そう目論んでいるようだが、そうは問屋が卸さない。


FW登録されている以上、“他二枚”も点を取って実績を作りたいのだ。


よって、ナカヒラがピッチ上で叫んでいるように、『もっと中に入ってこい』と、チーム戦略的には至極真っ当な事を言われても、

『でも最後はお前がシュートするじゃねーか』

と考えて、やや離れた場所で、ナカヒラを囮にしてシュートコースを確保できるようなポジション取りに専念しているわけである。


逆に、そんな前線の馬鹿馬鹿しい争いを何となく察している中盤・ディフェンス勢は、

『アホ臭。とにかくボールロストはせんとこ』

となり、ジョッシュを多用しながら、連携を確保するに至っている。

恐らく、いまジョッシュを交換した場合、それを決定した奴は総スカンを食らう事だろう。


「後半からはアイツらを交換か」

「前線二枚を足すか?」

「ナカヒラのフォローを考えると、中盤一枚と前線一枚が良いんじゃない?」

「寧ろ、バックを一枚抜いて、攻撃強化の布陣に切り替えても……」


欠席裁判が、ベンチで始まる。

ワシはチラリと、ドクターバックを見る。

この会話も、聞いているんじゃろうなあ。


前半18分。

波乱の一歩目が静かに踏み出された。


ジョッシュ―ナカヒラ間が“運よく”通り、ナカヒラが半身ながらも前を向ける、という展開だったが、巧みにスライディングした相手ディフェンスによって阻まれる。

尻餅をついたナカヒラがファウルを主張するが、レフェリーは取り合わない。

当然である。ファウルではないのだから。


「落ち着け! ナカヒラ!」

ジョッシュが大声でなだめるが、聞こえているのかいないのか。

(自分のチームじゃないから、本気出さないのか)

ぼそっと、ナカヒラがそう言ったのが聞こえた。

ワシの耳は地獄耳である。


そのプレー以降、明らかにナカヒラの顔出しが減った。

恐らく、ヤツの中では、チームへの不信感が渦巻いているだろう。


前半27分。

ピッチ内の、こちらの雰囲気は最悪である。

ナカヒラは、ポジションを大幅に下げていた。

あたかもジョッシュに対して、

(この距離ならパス出せるよな)

という、当てつけのようなものである。

そして、前線の二枚はナカヒラが抜けた中央にポジションを構えた。

だ が。

ナカヒラが抜けた前線など、怖くも何でもないのだ。

相手チームは悠々とビルドアップを繰り返し、サイドの数的有利を作り出すことに成功する。

つまり、今現在。

こちらは酷いタコ殴り状態に有るわけである。


前半終了。

0-1。

小学生と言うのは、非常に元気である。

あらゆる罵詈雑言で以て、一生懸命責任転嫁している。

U-12に選ばれるくらいなのだから、地元では負けなしの連中しかいない。

だから、自然と自分は悪くないと思えるのだ。


さて、ハーフタイムは五分か。


そんなワシらの様子を、相手チームはじっとりと眺めている。

腹の底で嘲笑しているのが目に見えるようである。



「なぜ僕のいう事を聞かない! なぜ中央に寄らない! なぜ勝とうとしない!」

ナカヒラはありったけの声でベンチ内で叫んでいる。

それをシラけ切った表情で、前線の二枚は見ている。

『テメーのせいだろ』と顔に書いている。


「で、後半の交換だが」

「ベンチで話し合ったが、交換は四枚だ」

「後半からは、3-5-2で行く」

「4番、10番、11番、17番」


「は?」

ナカヒラが、人殺しの眼をしている。

背番号10番は、ナカヒラだ。


「僕を外すのか! この状況で!」

大声で喚き散らし、仲間を求めるように周囲を見渡した。

が、誰も返事をしない。

やがて、ジョッシュを認めると、大股で近寄り、胸倉を掴もうと、

「やめよ」

した腕を、ワシは取り押さえた。


「離せよ、モモ君」

「ジョッシュを、自分のチームじゃないから本気じゃないと、バカげたことを言った奴の腕を離すと思うのか」

「なんでそれを……」

聞こえるはずがない、と示した時点で負けじゃよ。

「ジョッシュ、言ってやれ」

仕方ないな、とジョッシュは、“何故ナカヒラへのパスが供給できないか”を説明した。


「俺とお前だ。相手に警戒されないわけないだろ? 実際、前半はガチガチにコースは切るわ、枚数割くわで、何とか数本供給できたってところだ。だがな」

「だが?」

「すっころばされたプレーがあったろ? その時は、相手が“意図的に通した”やつだ。お前、狙われてたんだよ。それ以降、そもそもマトモに受けようともしないで、挙句の果てに、ズルズル下がってきてたよな? そんなヤツにボール渡すと思うか?」

「グウッ」

ぐうの音も出ない指摘で、ぐうの音を出す人間を初めて見た。

「そういうことじゃ。そして」

ワシは、“ベンチの意見”などという世迷いごとを抜かすやつらに、真っ向から反対した。


「後半は、5-2-3! 中盤二枚はワシとジョッシュ! 前線は、ボンゴ、そして、ええと……」

指さした先の名前が思い出せん。

年か。(累計170歳以上)


「鬼龍院だ」

「そうじゃった。忘れていたわい」

「そもそも、今初めて名乗った」

嘘がバレるのは一瞬である。


「鬼龍院と……貴様じゃ、ナカヒラ」


それに反発するのは、ベンチ組である。

だから、

「後半十五分で二点取れなけれな、煮るなり焼くなり好きにせい」

とりあえず、はったりをカマさねばならん。


「承知した」

「頼むぞ、鬼龍院」

「承知した」

ロボか、こいつ。


「なんで、僕なんだ?」

ナカヒラは心底不思議そうである。

普通は、あれだけの醜態を晒せば、交代になるからな。

師匠ヘヴァンの教えじゃ」

適当な事を言って、茶を濁す。


よし、後半開始じゃ。




僕は、全く納得できないまま、後半のピッチに向かう。

ハーフタイム明けで、相手がピッチに入る僕を見て、

「まだいるのかよ」

「人がいないのか?」

「マジうける」

審判に聞こえない程度の小声で嘲笑するのが聞こえた。

思わず、頭に血が上る。


「フフフ、良い感じネ」

そう言って、僕の肩に手を置くのは、ボンゴだ。

馬鹿にされてるんだぞ、僕は!

「“狙いは君”って、ジョッシュは言っていたネ。つまり、彼らは“君がここにいると困る”ネ」

頭から冷水をぶっ掛けられたような気分だ。

では、彼らが、ああ言うのは……。

「“エース”を退場させるのは、常套手段。過去のWCで、相手に頭突きして退場した選手もいる。チガウ?」

知らないはずがない。

あの人が居れば、おそらくフランスは勝っていた。

「後半は、“僕たち”の時間ネ。なんたって、モモがいるからネ」

モモ。

名前は耳にタコができるくらいに聞いている。

だが、ここ数年、公式出場はしていない。

僕たちとIEMOが戦った時でも、姿は見せなかった。


「モモとは、そんなに」

凄いのか?

僕の問いに、ボンゴは満面の笑みで答えた。


「僕らの、“本当のIEMO”の景色を見れるかもネ」



「ついにお出ましか」

石原がそう言う。

背番号18。

伊右衛門モモ。

突如として公式戦から姿を消した、謎のプレイヤー。

ジョッシュ、ボンゴを擁する浦賀IEMOの、“真のエース”と言われる少年。

浦賀レンジャーズを中心に、ライバルチームである川崎からも推薦があった、正体不明の人物である。

「小田川があれだけ入れ込んでいるんだ、魅せてくれよ」

後輩であり、レンジャーズのキャプテンを務めている小田川が、酒の席でU-15監督就任前の俺に対して、

『“モモ”が次の時代を作る。絶対に作る。渡辺、間違っても書類選考なんかで落とすなよ』

何度も、しつこいくらいに言っていたやつだ。

後半の、ホイッスルが、鳴った。



「ナカイ、モモが出てきたぞ」

「そうですな、坊ちゃま」

俊と、その兄がやっているというサッカー。

「前半はいいところ無しだったな」

「さようで」

素人目に見ても、“こりゃだめだ”という内容。

その中で、特にダメだった“10番”がまだピッチに居る。

どういうことだ?

「ナカイ、分かる範囲で説明してくれないか?」

「はい、坊ちゃま」

何でも、配置が変わったようだ。

守備の人数が明らかに増えているが、一点負けている状況だ。

こちらから攻めなければならないのではないか?

「相手としては、更に点が欲しいのです」

不可解だ。

「どういうことだ?」

「こちらが、U-12代表だからです。ここでアピールして、あわよくば代表の席に座りたい、その欲には抗えますまい」

つまり、ここでモモのチームを叩けば、その分だけ評価が上がるというわけか。

その理屈は分かる。

「で、あの10番がまだピッチに居るのは?」

「ホッホ。それがサッカーの妙であります」

それ以上、ナカイは語らなかった。

目の前で起こる出来事に、全ての答えがあるように。



「楽だな。いや、めっちゃ楽」

俺は延々とパスを回し続ける相手チームを俯瞰しながら、そう思う。

前線のプレスは3枚だ。

ナカヒラを遊ばせて、ボンゴと鬼龍院、モモがチェイスする。その補助的な位置に俺はいる。

ハンドサインで、ディフェンスに指示を出す。徐々に中盤守備にかける枚数を増やして、保険も掛けつつ、ゲーム全体をコントロールできる。

まるで、自分がこのチーム全体の指揮を執っているかのような、全能感だ。

ボンゴも鬼龍院も、汗をかくことを厭わない。モモに至っては、バグキャラのような性能だ。

必ず、何処かで相手は捕まる。

ふと、ナカヒラが自身を指さした。

『ここで遊んでいていいのか? プレスに参加したほうがいいか?』

というメッセージである。俺は首を振った。

『良いから、そこに居ろ。すぐに仕事の時間だ』

ナカヒラは了解した。


後半3分。

U-12。マイボール。

怒涛のような攻撃は、たったの15秒で終わった。


“まずはパス回しか”

スタンドにいた誰もが、そう思った。

何処かでジョシュアに繋ぐだろう。

それが攻撃のスイッチであると、そう思った。

そのジョッシュが、

一気に前線に向けて加速するまでは。


さて、

ディフェンスから、ワシはボールを受けた。

お前さっきまで前線で守備していただろうって?

ここまで走って戻ったに決まっておるじゃろう。

そして、猛烈な逆回転を掛けて、落下地点がジョッシュになるように蹴り出す。

間髪入れずに、ワシも相手ゴールに向けてダッシュを開始じゃ。


強烈な変化球となったボールは、ジョシュアの踵に当たった。

逆回転を推進力として、ジョシュアのチェックに入ったディフェンスの頭上を悠々と越し、前を向いた状態でキープする。

シュートレンジだ。

血相を変えて向かってくる相手に、ジョシュアは鼻歌でも歌うかのように中に流した。

その先にはナカヒラ。

シュートコースは無い。

ナカヒラとゴールとの間に、ディフェンスが待機している。

「一点じゃ」

それをかすめ取るように、

18番が、ペナルティーアーク近くからシュートを放った。


1-1。


ただ、同点になっただけ。

そう思う人間は、この場には居ない。


「なんだよ、それ」

ナカヒラは、震えた。

ロングフィードを“踵に当てて”敵を一瞬で抜き去ったジョシュア。

自分へのパスと見せかけて、強烈なスプリントでロングシュートをあっさりと決めるモモ。

俺は、必要ないじゃないか。

絶望が、浸食しようとする。

だが、

「さーて。面白くするかのう」

背中を叩かれて、顔を上げると、モモだ。

「ボンゴ、もう前線はいい、モモと俺の三角体制だ。鬼龍院は変わらず、ナカヒラの援護で頼む」

ジョシュアは、次の指示を出している。

「裏に抜け出せ。ワシが釣る」

そりゃそうだ。長距離砲が打てるモモをチェックしないわけにはいかない。

「ボクをダシにしても良いし、逆にそっちが囮でもいいネ」

ボンゴは、意外と得点自体には拘らない。

「高さとフィジカルには自信がある。頼む」

何を鬼龍院が頼んでいるのかは分からないけど、よろしく頼みます。


直ぐに次の機会はやってきた。

前半が嘘のように、僕の足元にボールが届けられた。

反転し、チェックに来たディフェンスは、とにかく時間を稼ぐつもりだ。

『ここで勝負!』

と自分のチームならそう思っていたかもしれない。

分かっているよ。

君たちの警戒のほとんどが、僕にはないってことには。

ボンゴにハタき、更に中央に突進する。

この形だと、コースが余っているのはジョシュアしかいない。

平面なら。


「キリュ!」

ボンゴはクロス気味の浮き球を選択し、鬼龍院はヘッドで中に流した。

“絶好球!”

僕のダイレクトボレーは、狙いを過たず、サイドネットを揺らした。


『このチーム、気持ち良すぎだろ!』


鬼龍院の禿頭をガシガシ撫でながら、僕はそう思った。


「やめてくれ、禿げるだろ」

そう僕に言った鬼龍院は、天然を通り越していると思う。



☆―――――――――――☆

【正体】U-12代表を語るスレ 604【不明】


名無しのサッカーファン

テンプレ以下略

お問い合わせは下記URLへ


名無しのサッカーファン

前半:ゴミカス

後半:神

一戦目の内容おかしくないか


名無しのサッカーファン

しれっとお問い合わせ先にスパムサイトを張るのはNG


名無しのサッカーファン

別にアンチスレがあるのにここでウンコ垂れ流す馬鹿が居るからね


名無しのサッカーファン

二戦目以降は安定して強いからな、U-12


名無しのサッカーファン

GK:川中島

DF:大森 田中 三島

MF:ジョシュア

FW:ナカヒラ


フリーマン:ボンゴ 鬼龍院 モモ


レギュラーメンバーのうち、三人がどこやるか分からん枠


名無しのサッカーファン

一戦目はね、うん


名無しのサッカーファン

後半で持ち直したからセーフ


名無しのサッカーファン

正直、この年代って強いの?


名無しのサッカーファン

U-18の鎌倉・西園寺・高時

U-15の石川・高穂・三森

U-12の百々・中平・ボンゴ・ジョシュア


単純には比べらない。


名無しのサッカーファン

こいつらがA代表になった時が楽しみ。


名無しのサッカーファン

八年後に皆順調にレベルアップすれば

FW:三森 中平

MF:鎌倉 高時 ジョシュア 高穂

DF:西園寺 石川

自由枠:百々 ボンゴ


胸が熱くなるな。


名無しのサッカーファン

西園寺はもう海外オファーあるよな


名無しのサッカーファン

ドイツリーグで、という報道は聞くな


名無しのサッカーファン

『サイオンジ様が、欲しいですの』

チームの令嬢が熱烈ラブコール! だろ?


名無しのサッカーファン

顔がね


名無しのサッカーファン

良いからね


名無しのサッカーファン

もげろ


名無しのサッカーファン

結婚するのか? いい感じに?


名無しのサッカーファン

後半をフワッとさせるな


名無しのサッカーファン

U-12の話をしろ


名無しのサッカーファン

モモ

バケモノ

コワイ


名無しのサッカーファン

鬼龍院

何だお前は

ロボットか


名無しのサッカーファン

ボンゴ君

君のポジション

マジでどこ


名無しのサッカーファン

笑点やってんじゃねーよ


名無しのサッカーファン

監督よ

指揮権ジョシュアに

渡してよ


名無しのサッカーファン

伊右衛門モモ

早く海外

行ってくれ


名無しのサッカーファン

負けたチームの関係者が居ますね……


名無しのサッカーファン

国外追放だろ、それは


名無しのサッカーファン

中平よ

おお中平よ

中平よ


名無しのサッカーファン

中平≠松島


名無しのサッカーファン

中平は試合ごとにプレーがね。

向上するから。


名無しのサッカーファン

向上マカイゾウ


名無しのサッカーファン

代表じゃないと満足できない体にされてしまう


名無しのサッカーファン

信じて送り出したナカヒラが、

代表から帰ってきたら、

僕たちのプレーに満足しない体にされていた


名無しのサッカーファン

NTR!


名無しのサッカーファン

脳が破壊される!


名無しのサッカーファン

エロ漫画的には抜ける


名無しのサッカーファン

ナマモノはNG


名無しのサッカーファン

ジョシュア×ナカヒラ

あると思います


名無しのサッカーファン

ボンゴ×ナカヒラ

根強い人気です


名無しのサッカーファン

鬼龍院×ナカヒラ

大穴ですが


名無しのサッカーファン

ナマモノはNGって言ってるじゃん!

それにナカヒラ受け固定は何故!


名無しのサッカーファン

間抜けは見つかったな


名無しのサッカーファン

右側が、受けと説明した覚えは無いな


名無しのサッカーファン

U-12スレって、こんな感じ?


名無しのサッカーファン

そうでもない。

ただ、過疎スレではある。


名無しのサッカーファン

600を超えているのは、

歴代の人々が雑談で細々やってきて続いていただけだからな。


名無しのサッカーファン

A代表スレとかは、本当の魔境だからな


名無しのサッカーファン

見境と言うか、

分別が無い。


名無しのサッカーファン

その分こっちがまったり展開ともいう


名無しのサッカーファン

そうそう

例えば、鬼龍院の産地ってどこだと思う?


名無しのサッカーファン

デトロイトかな


名無しのサッカーファン

俺は強化機関だと思う


名無しのサッカーファン

あれは流石にワンオフ機だろ

三橋重工とかじゃないか?


名無しのサッカーファン

見事に人間の産地じゃなくて草


名無しのサッカーファン

『勝利の秘訣は何ですか』

と聞かれて、

『勝つことです』

って答えるからな。


名無しのサッカーファン

A=A


名無しのサッカーファン

情報量ゼロ


名無しのサッカーファン

『チームを信じる事。そして、周りに協力してもらう事』

中平の主人公ムーブが留まることを知らない。


名無しのサッカーファン

俺様キャラが壊されたからな


名無しのサッカーファン

正直、今の中平の方が好き


名無しのサッカーファン

何故か毎度、得点するたびに鬼龍院の頭を撫でに行くからな


名無しのサッカーファン

ご利益がありそう


名無しのサッカーファン

『相手が嫌なことをすること』

ジョシュアって意外と腹黒い?


名無しのサッカーファン

『相手の得意を利用すること』

と答えた高穂といい勝負じゃないか


名無しのサッカーファン

ジョシュアは、『そうか、その手があったのか』と思う

高穂は、『お前、それをやるのかよ』と思う


名無しのサッカーファン

外道具合だと高穂に軍配が上がるな


名無しのサッカーファン

『勝つのはチーム。僕はそれに貢献するだけ』

と答えたボンゴは、ある意味高潔ではある。


名無しのサッカーファン

普通はあれだけできれば、天狗になっても可笑しくないけどな


名無しのサッカーファン

同じチームにアレとジョシュアが居るからね

しょうがないね


名無しのサッカーファン

どんなチームでもフィットしそう

と言う点では、最もオファーが来そうではある。


名無しのサッカーファン

利点が多いからなあ。

だからこそ、良いチームに行って欲しい


名無しのサッカーファン

だな


で、


『ワシがいる事』と言い放った奴が居るんですよ。


名無しのサッカーファン

なあーにー!?


名無しのサッカーファン

言っちまったなあ!


名無しのサッカーファン

男は黙って!


名無しのサッカーファン

……


名無しのサッカーファン

あながち、嘘じゃないという


名無しのサッカーファン

U-12が負けた最後の試合が、

出場レギュレーションの関係でモモが出られなかったからね


名無しのサッカーファン

明らかなモモ狙い撃ちという悲劇


名無しのサッカーファン

過去一年間の公式出場実績に基づく、試合出場の制限だからな


名無しのサッカーファン

だからこそですねえ!

U-12準決勝が最高なんですねえ!


名無しのサッカーファン

日本VSスペイン


ジョシュアVSレタールの司令塔対決

中平VSレジョアネのエース対決

モモVSギザースの最強決定戦

鬼龍院VSレファールの変人対決


見どころ満載っすな


名無しのサッカーファン

最後だけおかしい。

いや、おかしくないが


名無しのサッカーファン

おもむろに脱ぎだすレファールはおかしい

対抗して即座に脱ぎだす鬼龍院もおかしい


モモとレジョネアが互いに謝ってたからな


名無しのサッカーファン

あの二人に頭を下げさせるやつらが、

世界一ヤバいと周知させた試合でもある。


名無しのサッカーファン

ジョシュアとレタールは、試合中バチバチなのに、試合後にはカフェに行ってるな


名無しのサッカーファン

頭脳派の奴らは、いろいろ検討したいことがあるんだろう


名無しのサッカーファン

将棋の感想戦みたいなものか


名無しのサッカーファン

二人とも甘いマスクだから、SNSで投稿したツーショットが尊い


名無しのサッカーファン

コーヒーのスペースがギリギリ残るくらい、テーブルが文字と図だらけの紙に埋もれているのを無かったことにすればね


名無しのサッカーファン

この三人+変人一人は、早期に海外行きそうだな


名無しのサッカーファン

ボンゴもな。

試合後にレジョアネがわざわざ話しかけに行ってたから。


名無しのサッカーファン

そして、決勝よ。


名無しのサッカーファン

相手チームが試合前にキレるのは同情を禁じ得ない。


名無しのサッカーファン

『18番! 18番を出さないとはどういうことだ!』

って監督に掴みかかってたからね。

相手の監督が。


名無しのサッカーファン

そうとう念入りな対策をしていたんだろうなあ……


名無しのサッカーファン

『監督! あそこです!(スタンド席のモモを指さす)』

『おお! いるじゃないか! モモ! 早くここに来い!』

ピョンピョンしてモモの出場を促すドイツ監督UC


名無しのサッカーファン

ネットミームにするのはやめて差し上げろ


名無しのサッカーファン

ああ^~ 監督がピョンピョンするんじゃ~


名無しのサッカーファン

モウヤメルンダッ!

決勝のドイツ戦は、内容は良かったな


名無しのサッカーファン

ジョシュアがディフェンス指揮もできるってのは面白かったな


名無しのサッカーファン

普段自分が守備を崩す側だから、勘所は分かるんじゃないか?


名無しのサッカーファン

ただまあ、弱点が見えたな。

奇策に対応できない


名無しのサッカーファン

普通は初見で対応はできないがね。

中平が“遠目! 遠目が本命だ!”って前線で叫んでいたから、本能型の方が対応できるのかもしれん


名無しのサッカーファン

中平は天才型だからな


名無しのサッカーファン

ジョシュアは秀才

ボンゴも秀才か


名無しのサッカーファン

鬼龍院は未知数


名無しのサッカーファン

存在Xだからな、やつは


名無しのサッカーファン

実際、モモが居ればどうなったかな?


名無しのサッカーファン

勝ち負けはともかく、

準決勝のような、すごい試合にはなったと思う。


名無しのサッカーファン

最終スコア0-2だけど、攻撃が貧弱でも無かったからな


名無しのサッカーファン

相手の守備が鉄壁だった。

それに尽きる


名無しのサッカーファン

こいつら、どこまでいくんだろうな


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