6/192
第2話 僕の口の中のうごめく異物の正体は何? (5)
と、なれば?
この後に少年……。
未だ年増もいかない十六歳も少年健太の口からは。
まあ、お約束。
お決まり通りの言葉が自然と吐かれる。
放たれるのだ。
「うそぉおおおっ!」と、声を大にした絶叫がね。
それも、この木造、高床式の神殿造りの屋敷内だけではなくて。
屋敷の外まで聞こえるような彼、健太の。
自身の身の上に突如起きた。
降りかかってきた。
《《異世界ファンタジー》》なこと。
生活に対して彼は驚愕。
動揺。
困惑を交えた絶叫が少しの間響き渡ったらしい。
まあ、らしいよ。(笑)
でも直ぐに彼の。
少年健太の。
異世界ファンタジーのハーレム仕様にありがちな、【僕ちゃん】への押しかけ女房。
そう、この集落のオーク種族の酋長アイカお姉さまの凛と勇んだ声音の台詞である。