表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの夏の君  作者: DEKO
2/2

交際

 〜闘病日記〜


 (2020年4月1日、私は脳の病気にかかってしまったみたい。お医者さんのお話だと余命2年だって。どうして私なのかな。神様は意地悪だ。死にたくない。死にたくないよ。嫌だよ。助けて)


 彼女の音した本にはそう書いてあった。俺が息をするのを忘れて読んでいると、彼女が駆け寄ってきた。


 「あはは〜。読まれちゃったか……。君はそれを見てどう思った?」


 彼女はぎこちない笑顔で聞いてきた。俺はなんて返せばいいかわからなくなって、つい


 「別になんとも思わ……」


そこまで言いかけて彼女が震えてるのが見えた。そんな彼女を見たら本心を伝えるべきだとそう感じた。


 「信じられないけど事実なんだよな。俺はお前に幸せになって欲しい。むしろ残りの時間俺にくれ。俺が病気だって忘れられるくらい幸せにしてやる。」


と言い終えたところで、俺は告白をしていたことに気がついた。


 「……ぷっ。あははははは。病気で余命あと2年しかないんだよ?そんな子にいきなり告白する?ましてやちゃんと話したのも今日が初めてじゃん。まあでも、君がどうしてもって言うなら付き合ってあげる。その代わり、幸せにしてくれなかったら化けて出てやるんだから」


彼女は笑いながら告白をOKしてくれた。最後にプレッシャーのかかる言葉を添えて。


 「はは。俺が幸せに出来ないとでも?まあ、なんだ、その、これからよろしくな」


 「こちらこそよろしくね」


こうして俺たちのタイムリミットのある交際が始まった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 〜闘病日記〜


 (2020年4月10日。今日は今までの人生で1番幸せな日でした。何故かって?人生初の彼氏が出来ました。その人はちゃんと話したことは無かったけど、()()()からずっと好きだった男の子。だからとても嬉しかった。()()()の事彼は覚えてるかな?)


 「よし!今日の分の日記終わり!このページだけは彼に見られてはダメだな。はは。恥ずかしいもん……」


 そんなことを思いつつ、彼との過去について思い出していた。彼は町一番の不良。対する私は、全国模試トップ3に入る程の勉強バカ。そんな私が彼に思いを寄せた日のことについて……。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ