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番外編 栞の贈り主 1

6月中旬、オススメの本を読み合っていた頃のお話になります。



「げっ。まずい…!」


放課後、図書室を覗き込んで俺は固まり、慌てて廊下に戻った。

よりによって、今日の当番、あいつらかよ?

あーもう、どうすっかな…。


ため息をついていると、図書室に入ろうとしていた小柄なショートヘアの女生徒と行き合った。


「あれ?先輩、こんなところでため息をついてどうしたんですか?」

「森野。」


俺の許嫁とされている、後輩、森野林檎だった。


「またまたまたまた、なんか、困った事になっているんですか?」


「またが多いな!」


「4またです。」


ふふっと笑いかけて、森野は真顔になって、訂正してきた。


「あっ。ごめんなさい。先輩、シャレにならないですよね。それにかけたわけじゃないんですよ?」


「してねーよ!流石に4股は!!慌てて訂正しなくいいよ!」


「あらら、ごめんなさい。気遣いが逆に失礼になってしまいましたね。」


「全く君は…。」


「で、どうしたんですか?」


「いや、明日提出の課題をすっかり忘れていて、指定された参考文献を借りに来たんだが、その…、運悪く、元カノとその今カレが図書当番の日でな…。入り辛いんだ。」


俺は、気まずく目を逸らすと頭を掻いた。


「えっ。そんな事が…?」


森野は驚いて、図書室を覗いて、カウンターにいる

ゆるふわロングの女生徒と、返本作業をしている男子生徒を確認した。


「ほ、本当だ!最初に先輩に出会った時に、先輩をめぐって喧嘩していた女の先輩の片方の方ですね。確か雪下紗理奈先輩でしたっけ?うわ。私も本返し辛いな…。」


森野は、持っていた手提げから『いざというとき役立つ応急手当の仕方』と書かれた本を取り出し、困った顔をした。

森野はあの二股事件の修羅場を引っ掻き回して、名前まで名乗っている。俺と同様顔を合わせ辛いだろうが…。


「本を返すだけなら、返却台に置いてくるだけだから、さっと行けば大丈夫だろ?俺は貸し出しだから、顔を合わせないわけにはいかない。」


「どうするんですか?」


「仕方ない。今日は諦めるしかない。課題は間に合わなかったと、明日先生に謝って期限を延長してもらうように言うよ。」


俺は苦い顔でため息をついた。


「でも、先輩、勉強方面では優等生でそういうの今までちゃんとしてたのに、いいんですか?」


勉強方面ではと強調されたことに引っかかりつつも、

確かに森野の言う通り、課題をさぼったり、期限を破ったりするのは俺の信条的にあまり好ましいことではない。

でも、図書室で修羅場を繰り広げ、また噂になるよりは…。


「仕方ないだろ…。」


俺は森野に向かって肩を竦めた。


「私が最近オススメの本を読み合おうなんて言い出したから、大分お時間とらせてしまってましたものね。

そのせいで、課題を忘れてしまってたのなら、申し訳ないです…。」


森野はしゅんと小さくなった。


「別にそのせいじゃないって。森野のオススメ本に関わり合っていたのは先週の木曜日までで、その後何日も忘れていたんだから俺の責任だ。森野が責任を感じる必要はない。」


「でも……。」

森野はそれでも納得できなさそうにしばらく暗い顔をしていたが…。


「あっ!先輩、私いい事を思い付きましたよ?」

「え。」


急に明るい顔をした森野に俺は反対に不安そうな表情を向けた。


こいつがこういう顔するとき、大抵碌な事にならないんだよな…。

字数少なくてすみませんm(_ _;)m


4話から5話ほどで終わる予定です。


(活動報告には3〜4話と書きましたが、もうちょい長くなりそうです。すみません(:_;))

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