森野の日記 4
【5月8日(土)】
緊急事態です!!
里見先輩が体調を崩してしまった。
38度を超える熱があり、私の作ったお粥も味付けが先輩のお母さんのものと違うせいか、喉を通らない。
このまま衰弱して、万一の事があったらどうしようと、すごく慌ててしまった。
弱っている先輩は、体調悪いときのかっくんに似ていて、余計に堪らない気持ちになった。
慣れない環境。実家と違う味付けの料理。
嫌いな私との同居。里見先輩にとっては全てがきっとストレスだったはず。
私は先輩の気持ちを無視して、この同居を始めてしまった事を初めて後悔した。
熱でグッタリしている里見先輩に、その気持ちを
感情のままに、ぶつけてしまい、余計に怒らせてしまった…。本当に私、最低だ…!
私は里見先輩のお母さんに連絡して、全てを正直に話して、助けを求めた。先輩のお母さんは、すぐに来てくれ、お粥を作ってくれた。
私にも出来る事があればさせて欲しいと頼み、
横でりんごをすり下ろしていたら、隣の先輩のお母さんから、フローラル系のいい香りがして、何だか緊張してしまい、自分の指もジャリッとやってしまった。
先輩のお母さんに手当てしてもらい、逆に迷惑かけてしまった。
今日の私は本当にいいとこなし!
でも、お母さんが来てくださったおかげか、先輩の熱は少し下がり、お粥も食べられたみたい。
やはり、母の愛は偉大だ!
よかったね。先輩…。ちょっとだけ、先輩が羨ましくなってしまった…。
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【5月9日(日)】
里見先輩の体調は無事回復し、平熱に戻っていた。本当によかった…。
昨日先輩のお母さんに教えて頂いたレシピで、作った煮物も食べてもらえた。
今日は母の日。お昼過ぎに先輩のお母さんが来て下さる予定なので、昨日の内に買っておいた、カーネーションを渡すように里見先輩に言い置いた。
実家に送った和菓子とお花も届いたようで、お母さんと久々に(といっても一週間ぶりだけど)話せた。
里見先輩が体調崩していると知ると、すごく心配してくれて、様子見に行こうか、ご飯作って持って行こうかと色々言ってくれたけど、里見
先輩のお母さんもいるし、もう回復してきてるからと、お断りした。
休みの間は、家族みんなでショッピングモールで映画を見に行ったみたい。
楽しそうに過ごしているみたいでよかった。
うん。本当によかった…。
母と電話をしているところを里見先輩に見られていたみたいで、その後ちょっと不機嫌だった。
何だろう?お母さんと仲良く電話していたのが、羨ましかったのかな?
自分だって午後にはお母さんと会えるくせに!
…と思ったら、お昼ご飯のときには機嫌が直っていました。
単にお腹が空いていただけみたいです…。
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「どっちも違うわ!」
思わず俺は日記に向かって突っ込んだ。
森野じゃあるまいし、何かあれば、母親か食べ物絡みに理由をもって来るのやめろ!
まぁ…。風邪の時は大分世話になったけどな…。
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その後、里見先輩はお母さんに無事お花を渡せたみたい。
お母さんが帰られるとき、嬉しそうにカーネーションの花束を抱えていた。
グッジョブ先輩!
帰り際に、何故か先輩のお母さんに、涙を浮かべて何度も礼を言われてしまった。
迷惑ばっかりかけて、私なんか何もできなかったのに…。
お礼に、外国製のクッキーと、ハーブティーまで頂いた。
ハーブティーはほんのり甘いフローラルの香りで、先輩のお母さんと同じ匂いがした。




