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反省会

「りんご。そこに座って。」


夢ちゃんは自分の客用のソファーを指差して言い、自分はその向かい側の椅子に座った。

その表情はいつも私に向ける眼差しより、幾分厳しいものになっている。


「はい…。」


私は、うなだれて返事をした。

私は今や打首の判決が出る寸前の下手人のような気持ちだった。


遠山の夢さんはビクビクする私に優しく、しかし言うべき事をきっちり言った。


「りんご。私怒ってないのよ。ただ、今回の事はちょっと軽率だったかなって思うの。

里見先輩との関係がバレちゃうと、りんごは学校生活でも、女の子としても厳しい立場に置かれてしまうと思うの。それなのに、お昼に里見先輩と二人でお弁当を食べていたなんて。しかも、人目のある下駄箱前のベンチで。」


「も、申し開きもございません…。」


私は、顔をあげられないまま冷や汗を流した。


「私、委員会から教室に帰って来て、りんごがクラスの皆に質問攻めに遭っているのを見てどんだけビックリしたことか。」


「ゆ、夢ちゃんが、助け舟を出してくれなかったら今ごろどうなっていたか…。その説はご迷惑おかけしました。本当にありがとう。」


私は夢ちゃんに何度も深々とお辞儀をした。

里見先輩との関係をクラスメイトの皆に聞かれて、困っていたところを親同士が仲のよい友達同士という関係で、付き合っているワケではないと説明してくれたのだった。

ちなみにその設定は里見先輩にもすぐにL○NEで送り、話を合わせてもらう事になった。


「やめてよ、りんご。親友の為に力を尽くすのは当たり前よ?

だけど、里見先輩も里見先輩よね。向こうも同居がバレるのが不都合なら、何故学校で会うようなマネしたのかしら?」


「だからそれは、東先輩に見つかったから…。」


「だとしてもよ?東先輩はもともと事情を知ってる人だったなら、口止めの必要がないでしょ?何故その場に焦って来る必要があったのかしら?」


「多分、里見先輩は私が嫌いで警戒しているから、大事な従兄弟で友達でもある東先輩と関わって欲しくないんじゃないかな?私には余計な事知られたくないって感じだったし。東先輩とL○NE交換したのも嫌そうだったし。」


「女同士ならともかくも、男同士でそんな風に束縛するかしら?

それに皆の話じゃ、里見先輩とりんご、

かなり仲が良さそうに見えたって言うし。

本当に嫌っているのかしら?」


「仲良さそうに見えたなら、それは誤解だって。先輩はあの二股事件のせいで皆に避けられて、今話し相手がいないから、嫌いな私でも話をせざるをえないんだよ。」


「話し相手がいないからねぇ。う〜ん、どうもしっくりこないわね。東先輩の行動も謎が多いし。」


夢ちゃんは顎に手をかけて、考え込んだ。


「いいわ。今度、私も里見先輩、東先輩と話をしてみる。りんご、今度二人に会わせてくれる?」


「あっ、はい。了解です。」


夢ちゃんに言われ、ビシッと敬礼のポーズをとった私だった。


「まぁ、もう中間テスト近いし、それが終わってからでいいからさ。」


「えっ。」


「ん?中間テスト、来週からだから6月入ってからでも…。りんご…?」


青ざめた私に夢ちゃんは心配そうに声をかけた。


「あはは…。大丈夫大丈夫。あっ、夢ちゃん、ごめん。私そろそろ帰らなきゃ。あんまり遅くなって、里見先輩がまた3万5千円のパエリア作り始めちゃうと困るから…。」


「あっ、うん。それはいいけど…。3万5千円の、パエリアって??」


夢ちゃんは不思議そうに首を傾げた。


「あっ、冗談冗談。じゃあ。また明日

学校でね。」


「それ冗談なの?うん。またね。りんご。」


イマイチ腑に落ちない顔の夢ちゃんに別れを告げ、私は夢ちゃん家を後にした。



中間テスト!!もうそんなに迫っていたっけ?

最近色々あってテストの事すっかり忘れてたぁ!!


森野林檎 学園生活2ヶ月目にして最大の危機が訪れようとしていた…。


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