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ユイナーダ王国シリーズ

国立ユイナーダ学園高等部①〜【改稿版】どうやら私に関する妙な噂が広がっているようですね

前半部分は前作とほぼ同じです。

皆さんこんにちは!

私はユイナーダ王国の国立ユイナーダ学園の高等部で図書委員長をしている、魔術科のエミールです。



容姿は黒髪黒目で瓶底眼鏡、何時も魔術科のローブを着ています。



一応由緒正しい家系の出身なので、『言葉遣いは、丁寧に』『公式の場ではいつも笑顔』が我が家の基本ルールなので結構大変です。



ある日私が教室に行くと、何故かクラスメイトに遠巻きにされました。



『私、皆んなに何かしたかなぁ?』



休憩時間は本を読むか小説を書いて過ごし、途中で転入生のキヨミナさんに邪魔されるというのが、最近の私の日常なのです。

しかしその日は……



『あれ?今日は何時も邪魔しにくるキヨミナさんが来ないね?

まぁ、静かで良いけどね♪』



などとのほほんと過ごし、昼食後や放課後は図書室で受付をしたり『小説同好会』で友達と楽しく数日間過ごしていました。



その日から私に付きまとっていた、キヨミナさんが現れなくなりました。

授業に出なくて良いのでしょうか?

それどころか、クラスメイトにも話しかけられませんでしたけどね。



お陰で執筆活動が、はかどります。



放課後…何時も通り図書室で受付をしていたら、同好会仲間で幼馴染のサーラが来て、私に関する妙な噂話を教えてくれたのです。



「エミール様!【騎士科のレオル先輩】って知ってらっしゃいます?」


「エッ⁈その人誰です?何かの本に出てました⁇」


「ふぅ…そんな事だと思いましたわ。エミール様、本と小説と魔術以外興味ありませんものね。」


「⁇」


「エミール様は今、『キヨミナさんと付き合っている【騎士科のレオル先輩】を横取りしようとしてキヨミナさんを虐めている悪役令嬢』なんですって。

学園中の噂ですわよ。」



は?どういうことですか?

あれ?まさかその噂のせいで、最近クラスで遠巻きにされてたの⁇

て、いうか【騎士科のレオル先輩】って誰ですか⁈

後、その噂話凄く聞き覚えがあるんですけど⁉︎



その時、何時も静かな図書室に見かけない、騎士科の制服を着た人が図書室に怒鳴り込んで来ました。



「おい!ここに【エミールって魔術科の女】がいるだろ‼︎」



そう言って恐ろしい形相で受付の方に近づき、何故かサーラに向かって……



「お前がエミールか⁉︎よくもキヨミナを虐めたな‼︎」



と詰め寄ったのです。



「あの…エミールは、私ですけど…何か?」



と私が声をかけるとかなり驚いた様で



「えっ?お前が?」


「はい、【魔術科のエミール】は私ですけど?

もしかして【騎士科のレオル先輩】ですか?」



私の姿を見た途端、レオル先輩は固まってしまいました。

まぁ当然でしょうね。

私、【エミール】はれっきとした【男子】ですから。

高等部に進学してからは【女子】に間違われた事はなかったのですが、魔術科の制服がローブで男女兼用だからでしょうか?

それともこの女顔の?

そんな事を考えていたら先輩が立ち直ったみたいですね。



「キヨミナから聞いていた話とかなり違うんだが……。」



でしょうね。



「はっ⁈まさか男なのに俺を狙っているのか!」


「んなわけあるかぁ〜‼︎」



あっやべ!つい素が‼︎



「エミール様……素が出てますわよ。」



サーラに注意されて取り繕いましたが、またレオル先輩が固まってしまいました。

いつの間にか周りのギャラリーも増えてます!

あそこにいるのは新聞部の部長のもう1人の幼馴染み、エリーじゃないですか⁉︎



さてはこの事を学園新聞の記事に、書くつもりだな。

これだけ騒いでいれば当然ですけどね。

彼女、面白い事が大好きですから……



「何か勘違いされているようですが、私は今日初めて先輩に会いましたし、《キヨミナさんを虐めている》事実もありません!

それとキヨミナさんが、先輩に言った話は私が書いた小説とそっくりです!」



そうキヨミナさんが、先輩や皆んなに話していた内容は私が、同好会の会報に載せる為に書いていた小説とほぼ同じだったのです!

そう言いながら書きかけの小説を渡すと先輩は、引ったくるように奪って読み始めました。



さてはキヨミナさん、私の小説をパクリましたね!



小説を読み終わり真っ赤になっている先輩に、サーラがトドメを刺しました。



「大方、先輩の気を引く方法を自分じゃ考えつかなくて、エミール様の小説を盗み読みでもして、そのまま利用したのでは、ないかしら?」



サーラの推理は概ね間違ってはいません。

堂々と読んでましたよ。



「まぁ名前とかは実際に合わせたみたいですが、エミール様の性別を、間違えていたのはビックリですわね♪

あ、それとエミール様の本当のご身分ですが……。」



と言って先輩に何か耳打ちしています。

まぁ、言っている事は、だいたい解ってますけどね。

今度は、真っ青な顔で先輩は、フラフラと図書室を出て行こうとしましたが私の護衛騎士ハインツに捕まっていますね。

大丈夫でしょうか?



そんな事より私には、大事な仕事が出来ました!

この騒動のせいで、せっかく書いた小説を書き直ししなければなりません!

どこかで聞いた話を載せるわけには、いきませんからね!



えっ?キヨミナさんですか?

【王族に対する不敬罪】【詐欺】などで、学園を退学させられましたよ。



それとクラスメイトが、私に話しかけなかったのは『執筆の邪魔をしてはいけないから。』だったそうです。

良かった…仲間はずれじゃなかった。



あ、そういえばまだ正式に名乗っていませんでしたね。



私…ユイナーダ王国第10 王子、エミール・ユウコ・フォン・ユイナーダと申します。



王位継承権はかなり低いんですが、父方母方両方に稀人(まれびと)の血が入っていた為、王族でも珍しいかなり稀人に近い姿をしているそうです。

なので学園ではなるべく、本来の容姿を隠す様にしているんです。



因みにミドルネームの《ユウコ》は母方の先祖の稀人の名前です。

これってもしかしなくても女名ですよね?

思えば、昔から女性に間違われる事が多かった。



以前、同盟国ポーラルタオの第1王子の誕生日パーティーに我が国の王太子である長兄に頼んで、連れて行って貰った時もちゃんと男性用の礼服を着ていたのに、その第1王子にプロポーズされました。



向こうに恥をかかせる訳にいかないので、その時は固まっていた私の代わりに兄上が……



「マリス殿…緊張している我が()()()()()()()()()()()()()を仰って頂きありがとうございます。(意:俺様の弟、口説いてんじゃねぇよ!クソガキ!!)」



と言って()1()()()()()()()()()()と危うく外交問題になりかけた所を、助けて頂いた事があります。



以来、他国の方がいらっしゃるパーティーは婚約者の付き添い無しで出席させてもらえません。

婚約者のサーラは私以上に目立つ人です。



『学園を卒業したら、髭でも伸ばそうかな?』



と呟いたら、周り皆さんから全力で止められました。

そんなに似合いませんかね?



さて…そろそろ男子寮に帰らないと行けない時間になりましたので、帰りますね。

お付き合い頂きありがとうございました。



少しは読みやすくなったでしょうか?

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