かつて魔法を極めた大賢者は国王に裏切られ、絶望のあまり無自覚に学園モノを始めてしまう。
気が付くと私は、学校の教室にいた。
教壇の上には担任らしき男が立っている。
「……え?」
ちょっと待て。
少し状況を整理しよう。
私の名前はロキオ・レオン。転生を繰り返し、魔法を極めた大賢者だ。
……自分で大賢者とか言うの恥ずかしいなぁ。いや、今は目を瞑ろう。
平和と平穏を愛する私は、志を同じくする仲間と共に魔王を倒し、荒廃した世界にひと時の安息をもたらしたのだ。
――それで?
そう。王国に戻った私たちは国王によって捕らえられ、一億年のナロー刑に処せられることになった。
ナロー刑。それは狭い魔法空間に閉じ込められる、要は監禁刑である。
それが一億年だというのだから、実質死刑と同じだ。
罪名は『魔族に対する暴行罪』だ。魔王討伐は国王からの依頼でもあったのに。
つまり国王に裏切られたのだ、私たちは。
――それから?
魔法空間に閉じ込められた私は、空間そのもの改変させることにした。
魔法空間を拡張、改良し、平和で穏やかな世界を実現させようとしたのだ。
もはや人間など必要ない。優しい心を持った魔法生物だけを住人にした世界を創ろう。
そう考え、魔法を使って――今に至る。
どうやら世界の改変そのものには成功したらしい。
しかし、ここが本当に平穏な世界なのか?
どうして私は若返り、学生になっているんだ?
もしかすると、世界の改変時に重大なミスをしてしまったのかもしれない。
「……おい、木尾。次はお前の番だぞ」
教壇に立つ男が、私に向かって言う。
「私の番、とは?」
「今日は入学式だからな。クラスのみんなに自己紹介をしてくれ」
木尾というのはこの世界における私の名前だろう。
もはや名前まで変わっているのなら、何が起きても不思議ではない。
立ち上がった私は頭の中に思いついた最低限のセリフを言い終え、とりあえずの達成感に包まれながら再び着席した。代わりに後ろに座っていた者が立ち上がり言葉を発した。
「出身地はとりあえず省略。名前はエンゼ・イズ・ルルー」
その名前を聞いた瞬間、私の胸は大きく高鳴った。しかし声の主を確かめるのが恐ろしくもあった私は前を向いたまま言葉の続きを舞った。
「弱い人間には興味ありません。この中に大賢者、剣聖、武神がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
さすがに振り向いた。
長く艶のある茶髪をリボンで結んでいて、教室全体の視線を受け止め微動しない強固な意志の宿った眼、口元には挑戦的な笑みを浮かべた少女。
かつて私たちのパーティを率い魔王を討伐した、最強にして最凶の魔法使いがそこにいた。
※
「――まず、再会を祝そうか」
自己紹介とやらがクラスの全員分終わり今日のところは解散という運びになったので、私は早速後ろを振り返りエンゼに言った。
「やっぱりあんたの仕業だったのね、ロキオ。ま、退屈してたところだったしちょうど良かったけど。で。何をやったのよ」
「私はただ、自分の暮らす魔法空間の組成を変更しただけだ――少なくともそのつもりだった」
「魔法空間の組成を変更?」
「ああ。私はナロー刑に処せられていたのだ。それで――生活がちょっと不便だったのでな、私を閉じ込める魔法空間をちょっとだけ弄らせてもらった」
私が言うと、エンゼはげんなりしたような表情を浮かべた。
「あんたも物好きね。バカ正直に刑を受けることないじゃない。あたし、あいつらに捕まってすぐに逃げたわよ。あいつらの監視も隙だらけだったし」
「では、お前は何をしていたのだ?」
「そんな大したことしてないわ。魔族の残党狩りとか、その辺の子悪党をとっちめたりとか」
「……なるほどな。つまり、私の魔法空間に干渉できるような場所にはいなかったということか」
「そうね。ま、もちろん天才の私だから? あんたを助けてあげるのなんてお茶の子さいさいだったのよ? あんたの自主性を尊重して、敢えてやらなかっただけなんだからね!」
「ああ、分かってるよ。しかしそうなると……」
このエンゼという女魔法使いは、破壊することに関してはエキスパート中のエキスパートだ。彼女が犯人なら私の魔法がうまくいかなかったことにも納得がいくのだが、どうやらそうではないらしい。
ますます犯人が分からなくなった。
「まあ、いいじゃない。こうしてまた会えたんだし」
「それはそうだ。だが、どうしてこんなことになったのか……ここがどういう世界なのか私にも分からないのだ」
「分からない? この世界はあんたが創ったんじゃないの?」
「そうだ。争いのない平和な世界だ。この世界に暮らす住民も争いを知らない魔法生物にしたつもりだったのだが……」
ふいに廊下の方が騒がしくなった。
見ると、大柄で人相の悪い男子生徒が二人で小柄な生徒に詰め寄っていた。
どうやら彼らは大声で金銭を要求しているようだ。
前に路地裏で見たことのある光景だ。恐らくは恐喝とかカツアゲとかいう類の物だろう。
すっ、とエンゼが立ち上がる。
「あたし、ちょっと行ってくるわね」
「ああ、行ってこい」
エンゼは堂々たる様子で廊下へ出て、男子生徒の前に立ちふさがる。
あ? なんだてめえ、などという言葉が聞こえた瞬間、大柄な男子生徒は二人とも窓を突き破り廊下の外へ飛び出していった。
エンゼに突き飛ばされたのだ。
騒がしかった廊下が一瞬で静まり返った。
最初に我に返った小柄な男子生徒が、何度もエンゼに頭を下げ、そしてどこかへ走って行く。
呆気に取られる聴衆をよそに、エンゼは席へ戻って来た。
「ったく、手ごたえのない奴らねー。肩の骨と股関節をちょっとだけ外してきてやったわ」
「ああ、お疲れ様」
この女はいつもこうなのだ。
弱者に興味はないと言いながら、常に弱者の味方であり続ける女――それが、エンゼ・イズ・ルルーなのだ。
「あんたの言うことが本当なら、ああいう小競り合いみたいなことも起こるはずないのよね?」
「ああ。しかしそれにしても、さっきの男子生徒に見覚えがなかったか?」
「見覚え? ああいうチンピラみたいなのはどこでも同じような顔だから、見たことあると言えばあるわね」
「そっちじゃない、あの背が低い方だ」
「背が低い方……?」
エンゼは腕を組んで何かを思案し、そして何かに気付いたような顔をした。
「分かったか?」
「ねえ、まさか……あの裏切り者だって言いたいの?」
私は頷く。
あの小柄な男子生徒がチンピラに向けていた、猛獣に怯えたような視線――あれは、私をナロー刑に処した国王のものと同じだった。
同じものだったというか、背格好から顔つきまで国王そのものだった。
まるで、国王をそのまま若返らせたように。
「もしかすると、私が書き換えたのは魔法空間ではなく、現実世界そのものだったのかもしれん。この世界はかつて私たちが過ごした王国が改変された結果生まれたものなのだ。その結果、王国の住民もこの世界に流入してしまったらしい」
「ってことはまさか、ここにいる人全員がもともとは王国の国民だってこと?」
私は何も言わず、ただ頷いた。
そのとき、教室に何者かが飛び込んで来た。
「探しましたよ旦那様ぁーっ!」
教室に飛び込んで来た人物――それは制服姿の、茶髪の髪を肩の上で切りそろえたショートヘアの少女だった。
「……き、君は?」
「摩幌真ほろろです! 旦那様のお世話をするべく参上仕りましたっ!」
「旦那様のお世話?」
「ねえ、どういうことよ」
エンゼが私に尋ねる。
「どういうことと言われても……」
私が言い淀んでいると、ほろろと名乗る少女はひとつ咳払いをして、
「いいですか旦那様。あなたは大賢者と名高いロキオ・レオン様ですよね?」
「あ、ああ、そうだが」
大賢者と名高いかはともかくとして。
「あなたはこの世界を作るときに、住民を魔法生物で代用しようとされましたね?」
「ああ」
「私はその中の一人、旦那様のお世話係として誕生した汎用人型メイド兵器、人造人間まほろまほろろなのです!」
「ごめん、ちょっと何言ってるか分からない」
「つまりは私が旦那様のお世話係ということです! どうぞこちらへ! お屋敷がございますので!」
ほろろは教室の出口付近で私たちを手招きしている。
まあ、よく分からないがついて行ってみよう――と、足を踏み出した私だったが、強烈な視線に歩みを止めた。
振り返ると、エンゼがまるで可哀そうなものを見るような視線を私に向けていた。
「……魔法で女の子を創るなんて、あんたも堕ちたわねえ」
「それは誤解だ。偶然ああなったんだ」
「ふーん」
ジト目で私を見つめ続けるエンゼをあえて無視して、私はほろろの後について歩いた。
※
「旦那様、起きてくださーいっ! 朝ですよーっ!」
耳元で道路工事が始まったかと錯覚してしまうようなほろろの大声で起こされた私はうすぼんやりした頭でベッドから体を起こし部屋を出て階段を降り、朝のさわやかな空気に包まれたリビングにあるテーブルの前に腰かけた。
テーブルの上にはほろろが用意してくれたトーストとハムエッグ、付け合わせのサラダとコーヒーの朝食があって、テレビの中では女性アナウンサーがやけに明瞭な声で朝の天気予報を告げている。こういう職業の人たちは朝から大変だよななんてことを考えながら私はコーヒーを一口すすって、ようやく脳が覚醒し始めたのを実感した。
「もう、旦那様はお寝坊さんなんですから!」
あざとい表情で頬を膨らませたほろろは部屋のドアを閉めながらこちらへ歩いてきて私の前に座ると、口を大きく開けてサラダをほおばり始めた。食欲旺盛なホロロの食事風景を眺めているとなんだかどんなものでも美味しそうに見えてくるのが不思議だ。
食事を終えた私は食器を片付けると洗面所で顔を洗い、歯を磨き、学校の制服に着がえ、指定の革靴を履いて、通学鞄を片手に玄関を出た。
「旦那様、ちょっと待ってくださいよぉ」
ローファーに足を押し込みながらほろろが私の後ろをついて来る。
まだ学校に遅刻してしまうような時間でもない。私は玄関先で立ち止まってほろろが靴を履くのを待った。ぼんやりと顔を上げてみると、まるで青春万歳とでも言いたげなほどまっさらな空にギャグマンガなら顔でも書いてありそうな丸い太陽が浮かんでいて、朝の陽ざしで閑静な住宅街をまんべんなく照らしていた。
「さ、行きましょう旦那様」
ドアにカギをかけ終えたほろろはスキップでもしているような軽い足取りで私の前を歩き出す。やれやれ、学校で待っているのは催眠術みたいな授業と何の変哲もない日常だというのに、その能天気さが羨ましい限りだ。
ほろろと二人で他愛もない、例えば天気の話なんかをしながら自動車の行きかういつもの通学路を歩いていると背後からBPM200くらいのハイテンポな足音が聞こえて来ると同時に、私の背中をダンプカーが衝突したかと思うくらい強烈な衝撃が襲った。
振り返ると右ひざがそこにあって、その白い膝から視線を上げると快活な笑みに彩られたエンゼの顔があった。
「おっはよーっ! あんたたち今日も仲良いわねーっ!」
「え、エンゼか。一体なんだよ」
こいつは飛び蹴りを朝の挨拶とでも思っているのか? だとしたら勘違いも甚だしいところだが。
「別に何もないわよ。朝のスキンシップでしょ?」
この女にはきっと流血沙汰のプロレスでも仲間同士のハイタッチくらいに見えるのだろう。価値観の違いというのは恐ろしいものだと思う。
「そうか。だけどほどほどにしておけよ。ところでスカートめくれてるぞ」
「ど、どこ見てんのよ! バカ、スケベ、変態!」
純度百パーセントの善意で注意しただけなのだが、私はエンゼから罵詈雑言の嵐と非難の視線の集中砲火を浴びなければならなかった。パンツ丸出しで歩く方が恥ずかしいと思うし、感謝されてもおかしくないはずだが。
「余計なお世話なのよ!」
はいはい、そうですか。
これ以上何か言うとかみつかれかねないのでとりあえずこの場は適当な言葉で流しておく。その間私はエンゼの猛獣のような眼光に晒されていた。おお、怖。
「そーいえば今日、英語の小テストですねー。お二人は勉強されましたか?」
思い出したように呟いたほろろにエンゼが同調の意を示すように頷く。
「勉強なんてしなくても余裕癪癪よ。ちょっとした暗号みたいなものじゃない。あ、苦手ならあたし教えてあげよっか?」
「本当ですか? エンゼさんが先生ならこの小テスト、勝ったも同然ですね!」
「よーし、じゃあちょっと急ご! 時間無くなっちゃうわよ!」
「はい!」
女性陣は和気藹々とした様子で歩調を速める。私もそれに遅れないように足を踏み出す速度を上げて――って。
ちょっと待て。
「なんで普通に学園モノをやってんだあああああああっっっ!!!?」
「どうしたのよあんた、いきなり大声出して」
「うああああああああああっっっ!!」
「旦那様、言葉になってません!」
「お前たち順応しすぎだああああああああっっ―――あべしっ!?」
な、殴られた!
顔面をグーで!
親父にもぶたれたことないのに!
エンゼが私を殴った拳をさすりながら言う。
「ちょっと静かにしなさいよ、あんた。いきなりどうしたのよ」
「だから、順応しすぎなのだ! 何で違和感なく学園モノが始まってるんだ!?」
「あんたの言う学園モノってのが何なのか分からないけど、そりゃ一週間も過ごしてれば生活にも慣れるわよ。あたし最近テレビの録画機能が使えるようになったのよね。アレ便利よ」
「ですよねですよね! 私も深夜のドラマとか録画してるんです! でも録画するばっかりで見る暇がなくて、溜まっちゃう一方なんですよねー!」
「ねー」
ほろろとエンゼは顔を見合わせて笑った。
女子トークが繰り広げられる中圧倒的な疎外感に心中荒れ果てた私はただぼんやりと二人の会話が終了するのを待つ傍ら、道路を走る車の数を数えていた。
私の魔法が国全体を変化させてしまったのなら、行きかう自動車を運転しているのも元々剣と魔法の国に住んでいた人物のはずだ。よくもまああんな鉄の化け物を操れるものだ。
「あっ、いけません! 小テストの勉強が間に合わなくなってしまいます! 急ぎましょう二人とも! 私全く勉強していないので!」
慌てたように駆け出したほろろは途中で革靴が脱げたせいで一瞬立ち止まり、もう一度靴を履き直してから再び走り始めた。
事件が起こったのはその時だった。
トラックが轟音を上げながらものすごいスピードで突っ込んできて、ほろろの体を撥ね上げたのだ。
「ほろろっ!?」
宙を舞ったほろろの体は私の目の前に落下し――そして、アスファルトの地面に突き刺さった。
エンゼと二人がかりで引き抜くと、泥だらけになったほろろは一言、
「あー、ヘルメットがなければ即死でしたね」
「お前、ヘルメットなんてしてないだろ……」
と、とにかく良かった! ギャグ的演出で助かった!
一方、道路の真ん中で停車した暴走トラックの運転席からは若い男が降りて来た。こちらへ歩いて来る。
それを見て、エンゼが一歩前に出た。
「あんたどういうつもり!? ちゃんと免許持ってんの!? ほろろちゃんを轢いといて免停じゃ済まさせないわよ、このあたしがね!」
並の人間なら失神してしまうような凄みのある声で怒鳴るエンゼ。
しかし男はそれを薄い笑みで受け流すと、
「いやー、完全に仕留めたと思ったんだがねえ。当て損ねたか」
「一体どういうつもりなんだ、貴様!」
「どういうつもり……ふん」
私の言葉に男は笑った。そして、言った。
「異世界転生さ」
「異世界……転生?」
「そうさ。この世界の住人を殺すことで、もう一度あの王国に生まれ直すのさ。それが俺達【SACCA】の理念にして目的だ」
「あの王国?……【SACCA】?」
まさか、この男――元々王国の人間なのか?
「こんなつまらねえ世界から、あの血沸き肉躍る王国へ戻してやる。その手段がトラックで轢き殺すことなんだよぉ! これは救済なんだよ!」
「救済だと?」
「そうだろうが。だれが世界をこんなあくびが出るような場所に変えてくれっつったよ? ええ?」
「……っ!」
これだ。
民衆が平和を望んでいても、一部の人間が闘争を求める限り争いは無くならない。
かつて私たちが平和のために魔王を倒しても、世界から戦火が無くならなかったように。
「まあ、いいや。トラックじゃなくても殺せれば何でもいいんだ」
そう言って男が取り出したのは、刃先鋭いナイフだった。
「貴様、何をするつもりだ!?」
「だから殺すんだよ! そして元の世界に送り返してやるんだ!」
「この……っ!」
近づいてくる男に対し、私は魔法を唱えようとした。
しかしエンゼに片手で制された。
「戦闘はあたしの専門でしょ」
「エンゼ」
「一撃で片づけてやるわ。あんたはほろろちゃんを守ってて」
エンゼが男の前に立ち塞がる。
「ガキが、英雄気取りかあ!?」
「英雄気取り? 違うわね」
刹那、私はエンゼが口の中で何か呪文を唱えたのを聞き取った。
勝負がつくのに一秒とかからなかった。
次の瞬間、男の体は跳ね跳び、そしてトラックに突っ込むと同時に大爆発を起こした。
地面に底の深いクレーターが出来、瓦礫が周囲に飛び散った。
「本物の英雄なのよ、あたしは――あたしたちは」
※
その後、警察や消防車がやってきておおごとになりそうだったので、私たちはこっそりその場を離れて学校へ行った。
ギリギリ小テストには間に合わず、私たちは放課後居残り補習を受けなければならなかった。
そして、その帰り道。
「いやー、今日も平和でしたねえ」
何事も無かったかのようにほろろが言うので、私は思わず笑ってしまった。
「ほろろが一番大変だったはずだが?」
「ご安心ください、あの程度大したことありませんから! ほろろ、強い子です!」
力強くガッツポーズをするほろろ。
それを見て、エンゼが難しい顔をする。
「でもほろろちゃんだったから大丈夫だったようなものでしょ? 今後普通の人が狙われたら、次こそ死人が出るわよ」
「確かにそうだな。この世界の平穏を守るために何か手を打たなければ――」
言いかけて、私はエンゼが含みのある笑みを浮かべていることに気が付いた。
「あんたもそう思うでしょ、ロキオ」
「……何か考えがあるのか?」
「だから、世界の平和を守る組織を作るのよ。あいつら【SACCA】に対抗して!」
目を爛々と輝かせながらエンゼが言う。
「世界の平和を守る組織?」
「そう。この世界にはかつての私たちの仲間もいるはずよね? だったら十分可能なはずだわ! 名前は――そうね、『世界の平和を守るための団』、略して『SM団』ってのはどうかしら!?」
そ、その略称は。
なんかちょっとアダルトでいかがわしい気配を感じるのですが。
「団長は当然あたしね! さあ、バリバリ働いてもらうわよ!」
※
……かくしてSM団は結成された。
彼らが【SACCA】と壮絶な戦いを繰り広げたり地域の野球大会に参加したり映画を撮ったりするのは、また別のお話である。
最後にポイント評価いただけると幸いです……。
作者への慰めになりますので、ぜひお願いします……。