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side:伊月日向  その1

 私の名前は伊月日向と言います。

自分では、ちょっと勉強ができるくらいの普通の高校生だと思っていますが、

よく色んな人から、伊月さんは可愛い、といった事を言われます。

自分ではよくわかりません。

男の子からもよくお手紙をもらったり、好きだと告白のような事をされますが、

正直私のどこがいいのか、これもまたよくわかりません。


…………私が本当に好きな男の子は、全く私を見てくれないのに。


そんな私は今、ある悩みを抱えています……。


「ううう……取れないよ……持ち上がらないよ……!」


そう、クレーンゲームの猫のぬいぐるみが取れないのです!

なんなんですかこの弱いクレーン!

持ち上がるどころかするっと抜けるんです!

最初から取らせる気がないとしか思えません! 悪意を感じます!!


「はぁ……これ以上やっても無理なのかなぁ……でも欲しいなぁ……」


こんな風に、いつまでも一人でうじうじとしていたのが悪いのでしょう。


「ねぇねぇ、そこの君!」

「……はい?」


と、突然男性の声。

その声の方向に顔を向けると、そこには軽薄そうな三人組の男の人が、

ヘラヘラと笑いながら私を見ていて……。


「えっ、何? 君可愛いじゃん! 一人?」

「今、暇? 暇だよね? いやー俺らも暇しててさー」


 あっ、これは関わってはダメ人たちだ!

絶対ろくなことにならない未来しか見えません、ここは穏便に引いてもらわなければ……!!


「いやー……あはは……すいません、私この後用事がありましてー」

「まぁまぁそう言わずにさー」

「とりあえずなんか食べに行こうよ! 奢っちゃうからさ!」

「カラオケ! カラオケ行こうぜー!!」


ダメです、この人たち人の話を全然聞いてません!

なんとか逃げ出したいのですが、逃げようにも周りを囲まれて身動きが取れない状態です。

ひぇっ! 肩を掴まないでください!!


やめてください、と言っても聞いてくれない、周りの人も誰も助けてくれない……。

どうすれば……。


「おい、俺のツレに何してんだお前ら」


えっ……?

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