台湾夫婦殺害事件(三題噺 お題 海 交際 ポスト)
「というわけで、三上さん夫婦殺害事件で有益な情報があると」
個室の中には男性と女性二人がいた。
男性の方はスーツを着ており女性と向かい合っている。
女性のひとりは髪をポニーテールにしており、もうひとりはボブカットをしている。
「あの・・・二人が旅行先で使っていたビデオが優香の所に送られてきまして・・・」
「ほう・・・。なんで、旅行先のだと」
「ほら、優香」
ポニーテールの女性がボブカットの女性をせっつく。
「あの・・・見てもらった方が・・・ね?新羅」
「見れば分かるんですね」
「ええ。刑事さん。」
優香がビデオを再生する。
ビデオの中には殺害された三上さんの夫婦が写っている。
仲睦まじく手を繋いで、反対側の手はピースサインをしていた。
台湾で有名になった首をかしげたようなポストにいったり
海に遊びに行ったりしている。
「なるほど。確かに旅行先で撮ったもののようですね。」
刑事と言われたその男性はそう呟く。
「そうなんです。なんで、優香の所に送られてきたかが不明なんですが・・・。」
「本当にそうだよね。」
2人とも首を傾げる。
「ところで、二人が交際されてたのはいつからでしたっけ?」
唐突に刑事はそう問いかけてきた。
「確か交際三ヶ月で結婚って・・・。ねぇ?新羅?」
「ん、私は付き合ってすぐって聞いたけど?」
「では、一つお聞きしていいですか?」
二人は顔を見合わせて・・・少ししてうなづく。
「このビデオ。本当に送られてきたものですか?」
それから、少しして一人の女性が捕まった。
男性が言う。
「あのビデオ。明らかにおかしい所ありましたよね」
女性が答える。
「でも、それだけだと・・・」
男性は、続ける。
「まぁ、決定打にはなりませんけどここで一つ事実を提示します。彼女にビデオを渡した人は居なかったんですよ。、」