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無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第二章 真実と真司
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2 人見知りの彼女になるかも

 四時限目の授業が終わり、急いでトイレにかけていった。

 トイレから帰ってきた俺は真司に今の状況について聞いてみることにした。俺がトイレに行っている間にあったことを……。


「もう、HRはやっちゃったのか?」

「いや、まだ終わってはいない。何か問題があったみたいだったからな」

「そうか。じゃあ、支度だけしちゃうかな」

「そうだね、しよう」


 俺はロッカーにあるバックを持ってきて、教科書を丁寧に詰める。詰め終わったくらいに来担任が教室内へと入室した。


「お前ら座れよ。大事な話があるから」


 担任の言葉で、クラス中の生徒は全員が着席をした。


「それでは、HRを始める。先に、遅れた理由でも話すとするか。この学校にも、変な人物が入ってきたという。だから、そのために職員会議が行われていた。それと、問題行動を起こしたものがいるから気を付けるんだぞ。変なことで、退学処分にならないようにすること。以上でHRを終わりにする」


 いつも通りの号令がかかり、HRは終わりを告げた。そのあとに真司が俺のもとに来て、話があるような口調で言ってくる。


「今日の放課後、少し時間あるか?」

「あるはあるけど。どうした?」

「それが、華音が話したいことがあるんだって」

「そうなんだ。それで何の話だといってた?」

「それがね、教えてくれないんだよ。直接言いたいのだとよ。聞いてやってくれないか?」

「いいけど、俺は構わないから」

「じゃあ、お願い。俺、急用があるから、お先に失礼するよ」

「わかった。じゃあな」

「おう、また明日」


 真司は俺に華音のことを任せて急いで、帰ってしまった。あまりにも急いでいるので、相当なことなのだろうと予想はできる。

いつの間にか、俺ら二人だけになってしまった。担任はすぐに職員室に戻り、ほかの生徒は遊ぶなど言って、教室を後にした。ただならない緊張感が漂っている。さすがに、男女二人と言うのは緊張する者だ。それでも、俺は話しかける。


「大丈夫か? 俺たち二人だけになってしまったぞ」

「そうだね。私も少し気まずいのだけど、頑張るわ」


 なんか素直でいい子だが、中学の時に話したことがないとなるともったいないような気がするが……。


「そうか。俺もちゃんと聞くから、話してよ。俺にしかしないような話をさぁ」

「うん。わかった。でも、まだその勇気がないの」

「ゆっくりでいいから。俺はいつでも待ってるよ」


変なことを言ってしまったのか、いきなり華音の顔が赤く茹で上がった。まるで、ゆでたものがあるかのように。俺はとっさに華音が、もじもじしているのがわかった。


 ――何かを言いたそうだけど、言えないという感じかな。それで、話って何かな? 俺だけに話すことなのかな?


 俺の心の中には不安と期待と言う両方の気持ちがあった。それにこのままだと時間がかかってしまうと思った俺は、少し質問をしてみることにした。この気まずい空気を換えるためにも。


「それにしても、どんなはなしなのかな?」

「えっ、それはその何と言いますか…………」


 またもや沈黙になってしまった。どうしてもいえなそうな感じであったので、日常のことでも話すことにした。


「そういえば、俺のことを中学の時から知っていたの?」

「うん、有名だったよ。変な人がこの中学にはいて、後輩にこきを使って、何かを買わせたりしているって。そのほかには、この学年の中じゃ、かなうものはいないとかどうとか言っていたような気がするよ」

「俺って、そんなおっかない存在として、学校内では言われていたのかよ。中一と中二の時はろくなことをしていなかったからな。俺も少しは反省すればよかったな」


 華音は俺の一言に笑顔を見せた。


「どうした? 俺の言葉に笑う場所なんてあったか?」

「いや、違うの。なんか、そんなことを思っていないで、過ごしていたんだなって思っただけ」

「そうだよ。俺はそんな感じで今までいたんだけど、人生を改めて、今のようなガリ勉になったんだ。道を外さずに済んだのは、中二の時の担任のおかげなんだよな」

「そうだったんだ。それで、中三から真面目になったのね。その時は、『あの不良が、真面目になった』と言って、すごいことになっていた。悪い人がいなくなったとか言っていたような気がするの」


 俺はあまり言ってはいけないことを言ってしまったようにも感じる。今だからわかることなのだろう。


「いつの間にか、普通に話しているね」


 華音はその言葉にショックで受けたように言っていた。


「もしかして、私と話すのは嫌だった?」

「いや、その逆さぁ、楽しかったよ!」


 華音は必死に顔を赤くしていることを隠しているのだろうけど、俺には完全に見えていた。それでも、心の中で思うだけで、口には出さなかった。友達を傷つけたくないと思ったからだ。


「それじゃあ、もうそろそろ、帰ることにするよ。話はあとでちゃんと聞くから」


 俺はバックを持って、教室を出ようとしたときに華音に引き留められた。


「あの、楽しかった。それと私は…………」

「それとなんだ?」

「……いや、なんでもないの……」

「そうか。じゃあ、明日また会おうな」

「はい。さようなら」


 そういって、俺は教室を後にした。華音もそのあと帰っただろう。でも、華音が伝えようとしていたことは俺にはわからなかった。



 下校している間。何かといろいろと考えていた。


「それにしても、何を話そうと思っていたんだ?」


 俺には話したかったことがなんなのかが気になって仕方がなかった。


「俺にしか話せないことってなんだろう」


 家に帰る間にもずっと、考えていた。

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