表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無関心な恋愛ライフ  作者: 航作裕人
第一章 水奈と和孝
5/138

5 妹からのむちゃぶり

 自宅へと帰ってきた俺たち二人は、荷物をリビングへ持ってきた後、化粧をさせられそうになって、逃げまわる俺に対して、水奈が一言申すことになる。


「何逃げてるのよ。あなたは男なの。あるものをつけている状態なの。それともとっっちゃったの」

「お前って、意外なところで変な言葉を使うよな。俺的には今のは下ネタにしか聞けなかったんだけどな」


 水奈は今までにないほど赤く顔を染めることになったわけだ。それほどのことを言って、なんも思わなかった一瞬の時はどんなことを考えていたのかが心配になる。

 水奈はとても興奮していたということなのだろう。


 ――しょうがない。着るしかないか。そうすれば満足だろうし。


 俺が今、決意した瞬間であった。あまりにもしたくないことをするということは勇気がいる。

 リビングで着替えているとき、水奈二階の自分の部屋に行っていた。自分で着てみると、なんか恥ずかしい。それだけじゃない。俺の体にフィットしているように感じる。


 ――マジで、似合っていたら少し泣きそうになりそう。やべぇ――。


 黙々と着替える俺がその場にはいたのであった。



 着替え終わり、二階へと行くとそこにはまだかなっと待っていた水奈がいた。


「着替え終わったぞ」

「早かったね」

「それはな。だって、早く着替える努力をしたし、こんなの早く脱ぎたいしと言う理由からだぞ。別に、長い時間期待からと言う理由ではない」

「素直じゃないね」

「お前だけには言われたくねぇ――――わ。どう見てもツンデレ感出してるのは誰だよ。まったくさぁ」

「いや、私はべつに、ツンデレじゃないわよ。優しくしないと、怒っちゃうぞプンプン」

「お前ふざけてるだろ。どうみてもそうにしか見えないけどな」

「そ……そんなことないよ。わ……私はただ……」

「何気なく照れてるんじゃねぇ――――よ」


 何分か言い争っていたわけだが、どういうわけかおさまっていた。とりあえず、この服装でいるのは恥ずかしいので、早く見てもらって着替えないといけない。


「どうだよ。これでいいだろ?」

「うん、いいよ」


 またもや、惚れろみたいな風景を作っていた。俺は思わないから、絶対に思わないから。


「とりあえず、俺は着替えるぞ。さっさとこれとはおさらば」

「何言ってるの? まだあるのよ」

「はぁ~。ふざけんなって。そんなことをしている暇とかないから。暇とかないから」

「何で二回言ったのよ」

「ぐうぜんじゃねえ」

「それはないわ。それはないわ」

「お前も結局、二回言ってるし」

「うるさいわね」

「あんなが指摘したんでしょ」

「関係ないじゃないの」

「もう、うんざりだ」

「好きにすれば」


 俺は思ってしまったことがあった。あまりにも哀れなことをしているほかに、何もやっていないのに喧嘩をしているのか。そして、なぜこんな展開になったのか、俺には理解できていないということは、水奈も理解はできていないだろう。

 俺は水奈の部屋を出ていき、自分の部屋に入り、タンスから普段着を出して着替えているだけだ。

 白いシャツに、黒いズボン。完全にどこかのサラリーマンと言う感じだ。 


 ――俺は何がしたいのだろうか。


 頭の中で考えても分からないことなのだ。どうしよう。その時まで。

 それでも、災厄な一日であったことには変わりがない。あまりにも俺にはつらい一日だった。こんな日が続かないことを祈るばかりであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ