13 進展する友情と恋愛
翌日へと日付が変更された。朝がやってきたのだ。いつもと同じように感じるが、どうだろうか。退屈しない毎日ではないかと思っている。
でも、早くしないと遅刻するので、重たい体を持ち上げて、着替えてからリビングへと向かう。
朝食を食べて、顔を洗い、バックを二階からおろし、靴を履いて玄関を出る。これだけの作業をやるだけでも、三十分以上は普通にかかってしまう。 だから、起きる時間は早いし、授業中は集中しなければいけないというつらさがある。つらい毎日を過ごす俺なのである。
学校へと着くと、みながそろっているのは当たり前だが、華音は先に来ていたことに気が付く。そして、席に座る前に、一言。
「早いな。いつもこんなにも早く来るのか?」
「だって、和孝が遅いからじゃない。すぐに着替えれば、学校にだって行けるの」
正論を言われてしまったので、なんも反抗ができない。本当にどうしようという状態である。俺も頑張ればいいのだが、どうしてもいろいろとやっているので、学校へ来るのがぎりぎりになってしまう。だから、俺は
「でも、よく真面目に来るのは偉いと思うけど」
と言うと、いきなり顔を真っ赤に染めた。やっぱり俺のことが好きなのかと思ってしまう。知っているので、なんか照れ臭くなってくるが、そのうち決めなければいけなくなる。水奈を取るか、華音を取るか。でも、俺がいいと思うのは、麻衣の方だ。どうしようもない俺を相手にしてくるのかと言う不安がでかい。だから、一歩前に行けないのかもしれない。俺の弱点かもしれない。
ホームルームが始まり、俺は席へと着くのだが、いきなり担任が意外なことを言い出す。
「そういえば、国立学園鉄道が四月から走るようになった。だから、今頃から建設を始まるらしい。そして、学園内に国立学園鉄道株式会社の本社をつくる予定らしいから、学園内が増築されるそうだ。だから、そこで定期を買うことができるという話だ。近くなったら詳しく話すことにするからな。以上だ」
あっという間にホームルームは終わったが、まさかの内容が意外だった。本社までもがこの学園内にできるというのは。中学・高校・大学がある教育機関内に、企業を作るなんて言うのは斬新すぎる。普通は学園内ではなく、外に作るのが一般的だと思うが。
俺はこの学校の考え方にはついていけなかった。それに、この学校へと編入と言う形で入ってきて、さすがにびっくりした。大胆なことをする学園だということに……。
大体のことは知っていたが、何でここまですぐに発表するのかは俺には理解不能だった。
そんなことを考えていると、真司がなんか言っていた。
「相変わらず、考え込むと真顔でいるのがなんか面白いと思うんだよね」
と言われるのはいいが、その後に爆笑された。腹を抱えて笑っている。ある意味、俺はそんな面白いことをしていないのだと思ってしまう。真司のツボがどこにあるのは、俺には見つけることができないだろう。だって、笑えないところでも笑っているときがあるからだ。その時に思うことは、――そこは笑うところじゃないだろう――と思うだけだ。
いろいろと理解できないことばかりで、頭を抱えてしまう。本当に現実と言うのは何が起こるのかが分からないからこそ、怖いと思う。
俺が突っ込みたいときに変なことを言い出す。
「本当に面白いね。和孝みていると、爆笑できるよ」
冷静の俺はその意味が分からない。爆笑できるところなどないし、何もない。ガリ勉野郎とまで言われるありさまな俺に、笑う要素などあってたまるか。あったら、意外と面白い設定になっていることになる。それよりも、キャラと言われるだろうがな。
本当にわからないものであった。
昼休みのことであるが、購買で買いしめたパン。お金が飛んで行ったが、弁当を持ってこなかった俺はそれしか望みがなかった。そしているのが教室ではなく、屋上だ。
そんなことも知らずにいる華音は、また弁当を作ってきたみたいで、
「食べてほしいんだけど。いらないならいいけど」
とツンデレを出しまくっている。なぜするのかと言うと、これの方が惚れるだろうと自分で予想したんじゃないか思っているまでだ。あまりにも計算高く、引いてしまう。そんなところはあるのが、華音だけどと思うだけだ。
なぜか知らないが、俺はいつの間にか弁当をもらっていた。
「ありがとう。うれしくもらっておくよ」
華音は赤面した。いつものことだと思っているけど、相手から見ると隠しているつもりなのだろうけど……。いろいろと問題がありそうだ。
俺は弁当を食べて、華音に弁当箱を返した。そしたら、笑顔で、
「どうだっだ?」
と聞くので、
「おいしかったよ」
と答えた。その時の笑顔は今までに見たことないように、太陽のように輝いていた。
屋上から降りてきた俺は、廊下を歩いていると、一人の子とすれ違う。それはまるであったことがある。どこかで会っているように感じた。
ロングの髪に、目がぱっちりとした顔をした子であった。なんかの面影があるように感じた。でも、思いつかない。何でだろうか。
そのすれ違いが、和孝へと影響を与えることとなる。身近にいても、気づかれないとはつらいものである。体験したことがない俺には理解ができないというわけだ。
教室へと戻ると、先に華音がいた。
俺は少しトイレとかに行っていたので、少し遅れた。
それよりも、この教室内ではとあるゲームが流行っていた。
『パズストでランク百まで行ったぜ。それに、ゴットを十体も持ってる。これは最強だな。でも、次の降臨で落とすものがあるから』
教室内はパスストで盛り上がっていた。
このゲームは、パズルをそろえて、モンスターにストライクを取らせる。どんなものかと言うと、パズルで四つの同じ色をそろえて、五色を一気にそろえると、モンスターを一気に倒せる。だけど、その五色をそろえるのが容易ではないので、慣れるまでは難しいというもの。俺はモンスターなどは知らないが、日本中で有名なので、ある程度しっているという感じだ。
こんなものを作ったのはすごいとあこがれてしまう。
勉強だけではなく、技術をつけた方がいいかと考え始めているところだ。今まではこんなことを持ったことはなかった。ただ、頭がよくなればいいとしか考えてはいなかった。俺も変わったのだろう。
華音はお構いなしの顔で、こちらを見ている。教室へと入ってきた直後のことなので、俺はまだ入り口付近にいた。少し邪魔だろうと考えている。
俺は華音の近くに行って、
「弁当。明日も作ってきてくれよ。早起きなのに、すまないな」
と機嫌を取るために、うまい言葉でほめることにする。そうすれば、やる気になるだろうと思うからだ。だけど、それは真逆になった。
放課後のことである。いつも通りに日程をこなしてきた。帰りはすぐに帰るが、家に帰るまでが少し時間がかかる。だから、電車ができないかと待っているが、四月にならないといけない。今日はまだ、
――十二月十一日。
考えてみれば、まだ冬休みになっていないんだと思った。
――こんなにも長く感じるものなのか。
俺は意外と、冬休みまでが長いと感じてしまった。日常とは長いのかもしれない。つまらない毎日ならなおさら。楽しい毎日が来ないかと思っているくらいだからだ。
俺はとりあえず、かえって寝ようと考えていた。でも、華音に呼び出しを食らった。
「少し付き合ってほしいところがあるんだけど、いいかな?」
いつもよりも優しく聞いてくるので、驚いてしまった。その顔を見た華音は、驚くなと言うような顔でこちらを見ていた。
「何で驚くのよ」
「だって、珍しいからさ―。いつもはこんなようなことをしないような気がするから」
華音は少し黙って、答える。
「そうね。確かにそんなには優しくしないかも」
いきなり、真司が玄関から走ってきて、
「完全にでき――て――る――」
と大きな声で言うから、華音は対抗する。
「べ……別に、そんなことないわよ。普通じゃないの」
「どこが? どう見ても、お似合いだと思うけどな」
俺は少し真司に怒りが芽生えてきた。あえて、こんなことをするなんて信じられないと思ったからだ。だけど、真司は続ける。
「どうせ、両思いなんだろ? 俺らが入れる場所じゃない」
「そんなことはないぞ。誰が、両思いだ。一言も言ってねぇ――じゃね――かぁ――」
「そうですか。それは失礼。でも、そのうちなるだろうな。俺が見ていないところで」
俺には真司が言っていた言葉の意味が理解できなかった。なぜ、そんなことが起こるのかとしか思っていない。どんな根拠からなのだろうか。謎だ。
すると、真司は俺たちの前を離れていく。二人っきりにしてやるということだろうと悟る。でも、この状態で華音は乗り切れるかと思っていたとき、水奈が学校帰りに寄ったらしく、校門の前で待っていた。そこから、大きな声で叫ぶ。
「和孝お兄ちゃん。華音お姉ちゃん」
あまりにも恥ずかしいことで、俺と華音は顔を真っ赤に染めた。さすがに、そんな呼び方で言われると、照れてしまう。それも、血がつながってない子だとだ。
現在、俺は精神を保っていられなかった。どうなる俺。
帰り道はまさかの三人だ。ある意味、俺の家族と言うもの。周りが見れば、嫉妬するだろう。美人な二人に囲まれて歩いているなんて知られたら。でも、その時が来るのは近い。いつかはばれることになることだということは、ここにいるみんなが知っているだろう。嘘を言っても、ばれる。それがこの世界をおきてみたいなものであるのだ。




